表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

(第六篇)蘇州暮色

 夕刻すぎ、蘇州のマクドナルドの二階に客はまばらだった。窓際の席から見下ろすだだっ広い街路に人や車の流れは、繁くというほどではないにしてもまだそれなりにあった。けれどおおかたの商店はすでに店仕舞いをしていて、節電のためなのか窓明かりは少なく、舗道沿いのあたりは薄暗かった。街灯の照度も低めの設定のようで、歩道の人影も薄く見えた。

 ここマクドナルドのほぼ真向かいには小規模のデパートのビルが建っていた。閉店してほどないはずだが、すでに窓明かりは一階に一つ、六階に三つといったふうだった。そのビルの屋上から窓二つ分を覆うくらいの横幅の幕が、三階分にも達するほどに垂れ下がっていた。その幕には、欧米人らしき女の顔が全面にプリントされていた。おそらく化粧品の類の広告なのだろうが、宵闇にまぶされたそれが、何のためのものとは判別できなかった。画面の端のどこかにも、口紅か何かのメーキャップの小物、あるいは文字が配置されていないか、と目を凝らしたが、夜目には見て取れなかった。女は面長で、化粧映えのする大きな眼をしている。そして髪は、若い女達がベリーショートと呼びならわす短髪で、色はブロンド──それくらいの色と形は夜陰の内にも見分けられた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ