東京での一日
羽田駅での出来事以来、変わったことは何も起きなかった。あの、僕と同じくらいの年の女の子は、二度と現れなかった。混み合ったホームを何度見渡しても、電車のドアの近くでどれだけ足を止めても。心のどこかでは、彼女が本当に何を言おうとしていたのか、そしてどうやってあの体が、地面に触れることなく線路の上に浮かんでいられたのか、まだ知りたいと思っていた。
ホテルまでの道のりの間、彼女のことが頭の中をぐるぐると回り続けていた。どんなに押し出そうとしても、なかなか落ち着いてくれなかった。それでも新宿に着くころには、少しずつ意識が別のものに向かい始めていた。
周りに立ち並ぶ建物は、信じられないほど高かった。ガラスの表面が午後の光のかけらを受け止めて、下の歩道にまき散らしていた。行き交う人たちは、どの方向にも速く、目的をもった足取りで歩いていて、誰も一秒たりとも歩調を緩めなかった。
車やバスは絶え間なく道を流れ続けていて、そのエンジン音が、人混みのざわめきの下で一つの安定したうなりに溶け合っていた。ここのすべてが、バンドンで見慣れたものとはまったく違っていた。あちらでは通りの動きはもっとゆっくりで、建物がここまで空高くそびえることもめったになかった。
チェックインはまだ先だったので、お母さんはスーツケースをホテルのスタッフに預けておくと教えてくれた。
「夕方になったら戻ってくるからね」と、お母さんは肩にかけたバッグの紐を直しながら言った。
「うん、お母さん」
しばらくして、また電車に乗った。最初の目的地は、チームラボ プラネッツだった。日本に来る前、お母さんは何度もこの場所の話をしていて、日本を訪れる旅行者の間でとても有名なんだと言い張っていた。それでも実際に扉をくぐるまで、何が待っているのか、僕にはまったく想像がつかなかった。
中に入った瞬間、光に包まれた部屋が僕たちを迎えた。あらゆる面で色がゆっくりと移り変わっていく。次の部屋では、色とりどりの花が床にも壁にも咲いていて、その花びらは、どこにあるのかわからない光源の下で、かすかに輝いていた。一歩前に踏み出すと、花たちが反応して、足元から波のように広がっていった。
僕は動きを止めて、じっと見つめた。花も同じように止まって、また静けさに戻っていった。
もう一度動くと、花びらはまた形を変えて、一歩ごとに新しい模様へと散らばり、生まれ変わっていった。
「お父さん!見て!」床に向かって、興奮しながら指をさした。「花が僕についてくるよ!」
お父さんは微笑んで、僕がどれだけはしゃいでいるかを楽しそうに見ていた。「あっちも歩いてみたら」と、近くの別の場所を顎で示しながら勧めてくれた。
言われた場所に向かって駆け出すと、なめらかな床の上で足音が軽く響いた。案の定、花はまた形を変え、足元から新しい姿で咲き始めた。試しにまったく違う方向へ歩いてみると、色は深い紫と燃えるような金色へと変わっていった。
「これ、すごい!」
お父さんは隣で小さく笑って、変わり続ける花びらを僕が夢中で追いかける様子を見守っていた。一方お母さんは、何度もスマホを構え直しては、光る花の間を縫うように動く僕の写真を撮り続けていた。
「ギラン、ちょっとこっち見て」
「待って、お母さん!もう一回やってみたい!」
お母さんはただ笑って、少しスマホを下げながら首を振っていた。僕がその瞬間に完全に夢中になっている姿を、明らかに楽しんでいた。やがて僕たちは、あらゆる方向に光が果てしなく反射し続ける、別の部屋にたどり着いた。右を向くと、光が遠くまで伸びていた。左を向いても、まだ光に囲まれていた。頭を上に傾けると、頭上の輝きは終わりが見えないほど広がっていて、天井そのものを丸ごと飲み込んでいるみたいだった。
「宇宙にいるみたい……」思わず、ひとりごとみたいにつぶやいた。
お父さんも頭を後ろに傾けて、僕の視線を追った。「綺麗だろう?」
「うん」
好奇心でくらくらしながら、その瞬間を逃さないように何度も体を回した。幸い、バランスを完全に崩す前に、お父さんが手を伸ばして肩を支えてくれた。
「そんなに回ったら目が回るぞ」
「へへへ」
長い時間だと感じるくらい展示の中を歩き回ってから、ようやく外に戻った。ホテルに着くころには、部屋の準備はもう整っていた。僕はすぐにベッドに飛び込んで、今まで感じたことがないくらい柔らかい布団に沈み込んだ。マットレスが、体ごと丸々飲み込んでしまいそうだった。
「まだ寝ちゃだめよ」と、お母さんが柔らかく笑いながら言った。「今夜もまだ予定があるんだから」
「はーい」
まだ疲れが体を引っ張っていたけど、目をこすりながら無理やり起き上がった。少し休んでから、夜の街が落ち着いたころに、今度はジョイポリスへ向かった。入り口をくぐった瞬間、四方から明るいスクリーンと点滅する光が僕たちを迎えて、人混みの音の下で、ゲームセンター特有の音がずっと鳴り響いていた。
「あ、ソニックだ!」入り口近くにそびえる大きなディスプレイを指さして、興奮を抑えられなかった。
お母さんは微笑みながら近づいて、そのキャラクターをじっくり見た。「お母さんも若いころ、ソニックのゲームをよくやってたんだよ」
「あの、すごく速く走る青いハリネズミだよね、お母さん?」
「そう、あの子」
「うわあ……ギランが友達とやってるゲームと同じだ!」
お母さんは、近くに飾られている他のセガのキャラクターも指さした。「これも知ってる」
「じゃあ、あれは?」
「それもやったことある」
お母さんが挙げたキャラクターのほとんどは、僕にはわからなかった。でも、あんなに嬉しそうに話す姿を見ていると、それでも聞き続けたくなった。時々お父さんも、お母さんが忘れてしまっていた細かいことを付け足しながら、自分の思い出話を挟んできた。
お父さんと僕は、ゲームセンターのあちこちで色々なゲームに挑戦した。一つは、光るコースを小さな車で走らせるレースだった。もう一つは、画面に予測できないタイミングで現れる的を撃つゲームだった。負ける回数の方が多かったけど、それでも毎回、心が躍るような楽しさがあった。
「へへ……またお父さんの勝ちだ」
「練習すればもっとうまくなるさ」
「うん!」
三人でジョイポリスをどんどん歩き回って、次から次へとアトラクションを楽しんでいるうちに、いつの間にか時間はかなり遅くなっていた。ホテルへ戻る電車の中で、暗くなったガラスに映る色の筋を眺めながら、また東京の街の光が流れていくのを見つめていた。
日本で迎えた最初の丸一日は、素晴らしい一日になった。光る花、果てしない光、そして三人で分かち合った懐かしいゲーム。実のところ、羽田駅でのあの奇妙な出来事のことは、すっかり忘れかけていた。でも心の奥の方で、静かな思いが一つ、ふと浮かび上がってきた。それは、完全には消えてくれなかった。




