僕を誘う声
まだ震え続ける足でなんとか立ち上がった。膝がジャケットの下でガクガクと打ち合っていて、座り込んでいた場所には、冷たい地面のせいでズボンに湿った跡が残っていた。
それでも、周りにいる人たちに助けを求め続けた。声はかすれて小さくなっていて、入り口近くにまだ残っていた人混みのざわめきに、あっという間に飲み込まれていった。
でも、何をしても無駄だった。どれだけ大声で叫んでも、どれだけ泣きながら呼びかけても、誰一人として振り向かなかった。
足音や低い話し声は、一秒ごとに遠ざかっていって、やがて全員が駐車場の方へと流れていった。僕だけが青木ヶ原樹海の入り口の前に、完全に一人取り残された。
入り口には黄色いテープが張られていて、映画でしか見たことのない、あの立入禁止線みたいなものだった。肌には感じられないくらいかすかな風に、そのテープがゆらゆらと揺れていた。
恐怖で頭が真っ白になったまま、その場に立ち尽くした。どうすればいいのか、まったくわからなかった。
両親がいきなり森の中に歩いていって消えてしまって、ツアーグループの全員がそれと同じことをして、自分の子供を置き去りにしていったら、九歳の子供なら誰だってこうなるだろうという状態だった。見知らぬ人たちの誰もが、まるで最初から僕なんてそこにいなかったみたいに顔をそらしていった。
両手は体の横で力なく垂れ下がっていて、指が自分の意志とは関係なく、丸まったり開いたりを繰り返していた。
パニックになって、その場でぐるぐると回った。あちこちに目を走らせながら、同じ小さな砂利の道を行ったり来たりした。
スニーカーが一歩ごとに土をこすって、心臓は肋骨に強く打ちつけ続けて、息をするのも痛いくらいだった。時々、すすり泣きの合間に、お父さんとお母さんの名前を叫んだ。のどはもうヒリヒリしていた。
最後にはあきらめて、入り口の道のちょうど真ん中に崩れ落ちた。頭のすぐ上で、黄色いテープが柔らかく揺れていて、手を伸ばせば触れられそうなくらい近くにあった。
「ひっく……お父さん……お母さん……」
すすり泣き続けて、声が枯れるまで泣き叫びながら、両親の名前を何度も何度も呼び続けた。自分の声だけが、目の前の木の壁に不自然に反響していて、その向こうには、まるで世界そのものが存在しなくなってしまったみたいだった。
「ギラン、どうしたらいいの……どうすればいいの……ひっく……」
ちょうどそのとき、さっきかくれんぼに誘ってきたあの声が、また聞こえてきた。今度は、はっきりと僕の名前を呼んで、まだ一緒に遊ぼうと誘っていた。
「かくれんぼ……遊ぼう……おいで……楽しいよ……」
体全体が、その瞬間に完全に固まった。指一本すら動かせなかった。息が胸の中で強く詰まった。だってもう、こんなに何もない場所に、自分以外に誰かがいるはずがないと、わかっていたから。
腕の毛が、ジャケットの袖の下でぞわりと逆立った。恐怖が胸を押しつぶすように重くのしかかってきて、息をするのも痛いくらいだった。
息を止めて、その声がどこから来ているのか考えることさえ怖かった。それでも、もうそれが何なのか、はっきりとわかっていた。
その音は何度も何度も戻ってきて、木々の間に反響するたびに、体の震えがどんどん強くなっていった。左の方の森から漂ってくる声は、今ではすぐ近くに、まるで息が耳をかすめるくらいの距離に感じられた。
「おいで……楽しいよ……森の中……」
声がはっきりしてくるにつれて、体が激しく震えた。一音節ごとに、さっきよりも鋭く頭の中に突き刺さってきて、繰り返されるたびに、少しずつこちらに近づいてきているみたいだった。
慌てて立ち上がって、入り口から急いで離れた。足取りは焦っていて不格好で、一度、スニーカーのつま先が木の根に引っかかって転びそうになった。
かろうじて踏みとどまって、手のひらが凍った土に一瞬こすれた。ようやく立ち止まったときには、入り口からの距離は百メートルくらい離れていた。
「行きたくない……お化けがいる……怖いよ……」最後の言葉のところで、声がかすれて、かろうじて形を保っていた。
さらに何歩か後ずさりして、嗚咽を飲み込みながら、スニーカーが緩い砂利の上でザリザリと音を立てた。あの声が、ようやく追いかけてくるのをやめてくれるように祈った。
でも、拒み続けて後ずさりし続けても、その声は僕の言葉をまったく無視して、何度も何度も繰り返し続けた。木々の奥深くのどこかから流れ続ける、終わりのない録音みたいに。同じ三つの言葉が、まったく同じリズムで上がったり下がったりし続けた。
どれだけやめてと頼んでも、どれだけ遠くまで逃げたと思っても関係なかった。僕をつかんでいた恐怖が、だんだんと苛立ちに近い何かへと変わっていった。
小さな両手のこぶしが、いつの間にか体の横で固く握られていて、指の関節が白くなっていた。そして気づいたときには、泣くのではなく、叫んでいた。
「行かない!遊びたくない!」
目をぎゅっと閉じて叫んだその瞬間、拒絶するように精一杯首を振っていて、心臓が胸の中で激しく打ち続けていた。
そのとき、どこからか奇妙な音がかすかに漂ってきた。低くてパチパチと鳴る音で、古いラジオから漏れる雑音に近かった。
目を開けると、まったく違う場所に立っていた。木々がびっしりと生い茂っていて、スニーカーの下は、覚えていたはずの舗装された道ではなく、根っこが指の関節みたいに土から突き出す、柔らかくてでこぼこした地面だった。
すぐ目の前には、何台かの古めかしいテープレコーダーが置かれていた。四角い箱型で、灰か古い雪みたいな白いものがうっすらと積もっていて、おばあちゃんの家によく置いてあった日本製の機械にそっくりだった。
おばあちゃんはいつも、それにはペンパルの声が録音されているんだと言っていた。小さなカセットの窓は、立っている場所からでもまだ見えていて、そのうちの一つのリールが、かすかにカチッ、カチッという乾いた音を立てながら、ひとりでにゆっくりと回っていた。
その古いテープレコーダーの山のそばには、初代のソニーのプレイステーションみたいなものが、地面に打ち捨てられていた。灰色のケースには傷がついていて、半分土に埋もれていて、一本のコードがどこにもつながらないまま垂れ下がっていた。プラグを差せそうなコンセントも壁も、どこにも見当たらなかった。
周りを見渡しても、木、木、そしてさらに木しか見えなかった。岩や、その他のものも、あの氷穴から青木ヶ原樹海の入り口までの道と、ほとんど同じに見えた。
同じような苔が同じような樹皮にまとわりついていて、同じかすかな匂いが空気に漂っていた。濡れた石と冷たい土の匂い。まるで誰かが、その景色をそのままコピーして、継ぎ目に気づかれないようにここに貼りつけたみたいだった。
「ここ……どこだろう?木……ばっかりだ……」
混乱して、途方に暮れたまま立ち尽くした。もう自分がどこにいるのかさえわからなかった。自分の声は、周りを包む静けさの中で、不自然なくらい小さく響いて、木々にすぐに飲み込まれてしまった。
でも、ようやく息が落ち着いてきて何かに気づけるようになったとき、一つだけはっきりとわかったことがあった。さっきまで森の中でかくれんぼに誘い続けていたあの幽霊みたいな声が、完全に消えていた。
あとに残ったのは、声そのものよりもさらに奇妙に感じられる静けさだった。この森の下にある多孔質の岩が、通り抜けようとするあらゆる音を飲み込んでしまうと言われているみたいに、その静けさは重く、耳に押し寄せてきた。




