表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色王子のバラ色観察日記  作者: こさか りね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/65

39

燃え盛る炎、息も出来ない程の熱い熱風が私を襲う。


動けない私を抱く女性の顔はよく見えない。


そして、相変わらず私に何かを語り掛けていた。


(今日もこの夢か・・・)


「・・・もう、○○○○か。

アレ○○○。○の○○○○○。

○ず○○○○ろ。

で○○と、許さないからな」


そして私は目覚める。

あれから毎日見続ける同じ夢。


初めの頃は、(もが)く様に苦しかったのだが、今ではそれも慣れてしまった。


そして、ピアスが壊れたあの日から、徐々に感じる様になった。

私の身体の中を、何かが(うごめ)いている事を・・・。


・・・ふう。


さあ、気を取り直して、昨日の手紙の内容を思い出す。

【会わせたい人がいるから帰って来て欲しい】と書いてあったのだ。


事件も終息したし、帰るなら今だろうと思い、今日にでも、ローレンス様へ伝えようと考えている。


でも、会わせたい人って、まさか、お見合いとかじゃないよね?


とてもじゃないが、今は考えられない。

もしそうだった場合は、やりたい事があると両親を説得して、お断りしようと思ったのであった。


「おはようアレン」


「おはようございます。ローレンス様。

お話があるのですが、今、お時間は大丈夫ですか?」


すると、笑顔で頷いて『ああ、構わない。どうした?』

と優しく聞き返してくれた。


「実は、もう1年以上実家に帰省していないので、長期お休みをいただきたいと思いまして」


「そうだな。

・・・いつ頃だ?」


「出来れば、早めに帰れたらと思っております」


「・・・分かった。

では、来週から一週間、休暇を与えるので、のんびりしてくると良い」


「ありがとうございます。

後ほど、特殊部隊にも報告して参りますので、少し席を外します」


それから私はローレンス様の執務を見守り、お昼時間となった。


「ではローレンス様、特殊部隊室へと行って参ります」


そう告げて、私は部屋を後にしたのであった。


特殊部隊室の扉を開くと、珍しい事に師匠が目に入った。


いつもは団長室にいるのに、どうしたんだろう?


そして師匠の近くには、ヴィンセルと先輩方がいる。



「お疲れ様です。

今、何をしているんですか?」


すると師匠が振り向き、私に気付いた。


「うん?

ああ、アレンか。

いやな、この前の事件の反省会をしていたんだ」


・・・反省会、とは?


それから師匠は、魔石を私に見せながら、ダメ出しをしてきたのだ。


「いいか?

・・・ほら、この時、お前は空気口に魔石を突っ込んだが、これだと音が録音出来てないだろ?

映像は確認出来るが、もしかしたら、何か独り言を呟いていたかもしれない。

だからこの場合は、床下、天井裏から撮るのがベストだな」


「あ、はい。以後気をつけます。

・・・あの、団長。

来週から長期休暇をいただいたので、実家に帰省します」


すると、魔石から目を離した師匠が問いかけた。


「また、急だな。

だが、ローレンス殿下の専属騎士の代理はどうするんだ?」


「え?必要ですか?」


「・・・お前な。

『必要ですか?』じゃない!

自分の主人の安全を第一に考えるのが、専属騎士の役目だろうが!」


私が専属になる前は、専属騎士がいなかったのだから、必要ないと思っていたのだが、そうではないらしい。


そして、師匠は話し続ける。


「ったく。しょうがねぇな。

・・・ヴィンセル。

アレンがいない間の専属騎士を頼む」


「は!?オレですか!?」


白羽の矢が立つとは思っていなかったのだろう。

目を丸くして驚いている。


「お前はローレンス殿下とも面識があるからな。

お互い、気を遣わなくて良いだろう?」


「え!?待ってください!任務だってあるんですよ!」


「大丈夫だ。今はこれと言って、重要案件はないからな。

心して、護衛に徹しろ」


すると、ヴィンセルからぶつぶつと独り言が聞こえた。


「なんでこんな事に・・・。

ローレンス殿下の方が強いんだから、オレ、必要ないじゃないか」


と、やさぐれていた。


私はヴィンセルの肩を叩き『ごめんね、ヴィンセル。この埋め合わせは必ずするよ』と伝えたのだ。


「べ、別に、謝らなくてもいいよ。

ちゃんとやるから」


そう言って、そっぽを向いてしまった。


これは、大変不本意な事だったのだろう。

私は、実家から帰って来たら、食事を奢る事を決めたのだった。


それからローレンス様の元へと帰り、任務にあたった。


そして、いつもの他愛無い会話をしてから自室へと帰る。


両親に手紙の返事をしなくてはならないので、来週から帰れる事を書いたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ