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灰色王子のバラ色観察日記  作者: こさか りね


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27

王宮へ着き、ローレンス様は、子供達を医者に診せる手配と第一王子への報告書の作成などで、忙しく動かれていた。


私は、レノンさんに『特殊部隊へ報告して参ります』と話し、部屋を後にしたのである。


特殊部隊室へ入るとヴィンセルがデスクワークをしていた。

私はヴィンセルの横に立ち、話しかけたのだ。


「ヴィンセル、この二日間で何か引き継ぎとかある?」



すると『ひっ!!?』と息を呑む音が聞こえた。


何だろうと思い、覗き込むと『な!?なに!?なんの用なの!?』と慌てふためいている。


しかも、慌てすぎて、書類をグシャグシャに握り潰しているではないか。


「えっと、その書類は平気?」


そう私に言われて気付いたのだろう、頭を抱えている。


「私も手伝おうか?」


「いや、いい。大丈夫だ。

・・・だから、どっか行ってくれる?」


・・・はい?

先日は、上手くやっていけると思ったのに、この二日間で、なんで元に戻った?


・・・私、何かしたかな?


と考えるが、全く思い浮かばない。

なので(まぁ、いいや)と結論を出して返事をした。


「そう。じゃあ、また」


それから私は、団長室をノックして入室したのだ。


「アレンか。どうしたんだ?

茶でも飲むか?」


私は「頂きます」と伝えると、師匠自ら淹れてくれた。

そして一口飲み、口を湿らせてから、話し始める。


「実は、昨日、ローレンス様と再度ダントン伯爵の屋敷まで行って来たんです。その報告で来ました」


「・・・は?

なぜ、ローレンス殿下が一緒なんだ?」


なので、私は昨日の成り行きを話した。

すると、師匠はため息をつき、口を開いたのである。


「お前も、その侍従も、いいように転がされてるだけじゃねーか」


「いえ、そんなことは・・・」



「・・・いいか?

まず、お前がすべき事は、俺に報告だろ?

結果、何もなかったから良かったものの、何かあったら、責任取れるのか?」


「・・・取れません」


「フン!だろ?

次からは、ちゃんと報告しろよ!

それと話は変わるが、潜入調査でヴィンセルに女とバレたんだって?」


!!?


なんで、私よりも先に言うかな!?

それに、安心してって言ってたよね!?


「えーっと、そうです。報告が遅くなって、すみません」


師匠は、二度目のため息をつき、話し始めた。


「状況は全てヴィンセルから聞いている。

斬られたんだってな。

・・・大丈夫か?」


・・・あれ?

・・・怒ってない?


「はい。大丈夫です。怪我もありません」


「それならいい。ヴィンセルにも、俺から口止めしておいたからな。

それと、お前の裸は、ガキには刺激が強かったみたいだぞ」


「ぶっ!!?

はっ・・・裸って!?

なんの話ですか!?

私、裸になんてなってませんよ!!」


「あ!!?・・・っおい!

茶を吹き出すな!汚いだろ!」


「吹き出すような事を言ったのは師匠です!

というか、裸って、ヴィンセルが言ったんですか?」


師匠は、私が吹き出したお茶を拭きながら答えてくれた。


「ああ。そんなような事を言っていたぞ。

服を切られたってな」


「少しですよ!あれは、断じて、裸ではありません!」


「そうか、そうか。

そんなムキになるな。

まぁ、そんな感じだから、とりあえず、頑張れよ」


「・・・え?何をですか?」


すると師匠は『その内、分かる』とだけ言い『昨日の事を詳しく教えてくれ』と、仕事の話に戻ったのであった。


報告をし終えた私は、団長室から出ると、すでにヴィンセルはいなかった。


裸なんて見せた覚えはないのに、なんて事を言っているのだ。


プリプリしながら部屋へ帰るとローレンス様とレノンさんが何かを話していた。


「アレン、今いいか?」


ローレンス様に呼ばれ、レノンさんの横に立つ。


「先程、医者から報告があった。

ルーナは打撲で骨には異常ないようだ。

テオは、やはり精神的なもののようで、声が出せるようになるまでは、時間を要すると言っていたな」


「そうなんですね。承知しました。

それと、子供達は今、何処に居るのでしょうか?」


「・・・ああ。

落ち着くまでは、三人一緒の部屋で過ごさせる。

話を聞くにしても、少し経ってからになるな」


すると、扉をノックする音が聞こえた。

レノンさんが出迎え、侍従から話を聞いてから戻って来た。


「ローレンス様。

レオナード殿下が、お呼びのようです」


「分かった。では、行こうか」


そうして私達は、第一王子の執務室へと向かったのであった。


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