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灰色王子のバラ色観察日記  作者: こさか りね


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24

(ここは・・・どこ?)


視界いっぱいに映るのは、真っ赤に燃え盛った炎だ。

私は動く事が出来ずにいる。


(あつい・・・くる・・・しい)


すると、一人の女性が近寄って来た。


そして、私へと手を伸ばした瞬間ーー


「はぁっはぁっはぁっ」


・・・何!?

・・・今のは夢?

夢なのに、とても熱くて息苦しかった。


息が整わないまま時計を見ると、まだ明け方である。

だが、汗がびっしょりでとても眠れそうにない。


・・・はぁ。汗を流しに行くか。


私は部屋を静かに出て、お風呂へと向かったのであった。


※ーーー※ーーー※ーーー※ーーー※



「アレン。

ダントン伯爵が借りている屋敷内部を詳しく知りたいんだ。

魔石に関わっている子供達を救おうと思う」


朝一、ローレンス様から告げられた。


そうだ!

あの時、男は燃えてしまったが、子供達はまだ囚われたままだ。


私は、屋敷で見聞きした事を詳しく話した。


「見張りの男が一人か。他に人の気配はどうだった?」


「時間帯が深夜だったので、子供達三人と男一人しかいませんでした。ヴィンセルも誰かに出くわす事はなかったようです」


「・・・そうか。

そして、その男が燃えたという事だな?」


私はその光景を思い出し、胃がキュッとなった。

だから、頷くだけに留めたのだ。


すると、ローレンス様はジッと一点を見つめて考えている。

暫くしてから、口を開いた。


「もしかしたら、急いだ方がいいかもしれない。アレン、今から行けるか?」


「はい!

団長に報告をし、ヴィンセルと共に向かいます」


「いや、俺が行く」


・・・え?


私が口を開こうとする前に、レノンさんが話し始めた。


「ローレンス様。それはなりません。

御身に何かあってからでは遅いのです」


レノンさんの言う事は正しい。

だから、ローレンス様の説得をレノンさんに任せたのである。


「いいや、それでは遅い。

それに兄上からは、分かり次第、報告するようにと言われている」


「だからって、危険を冒してまで、ローレンス様が行く必要はありません」


レノンさん、いいぞー!!

と心の中で応援した。


「レノン。

危険だと?

いったい、誰に言っている?

俺が、その辺の騎士より強い事は知っているだろう?」


・・・はい。私も知っています。

けど、それはそれ、これはこれだ。

だから、レノンさん、頑張って説得して!


「もちろん存じております。

ですが、許容出来ません」


・・・すごい。言い切った。


「では、レノンも一緒にくればいい。馬は乗れるだろう?」


へ?

戦えない人、連れて行くの!?


「・・・はい!私もお供します!」


・・・・・・。


え?何これ?

結局、一緒に行きたかっただけってこと?


よく分からない話の展開に、ついていけないのは、私だけだったようで、レノンさんは外出の準備を、ローレンス様は第一王子への報告書を書き上げていた。


私は何をしたらいいのかと、オロオロしていたら『では、行くぞ』と言われ、そのまま後に続いたのであった。


※ーーー※ーーー※ーーー※ーーー※


「アレン、この屋敷だな?」


馬を替えながら爆走した事、六時間。

ヴィンセルと来た時よりも早く着いた。


そしてレノンさんは、体力切れのようで、馬にへばり付いている。


「はい。屋敷の二階に子供達はいます。

私が先に見て参ります」


「いや、二度手間だ。一緒に行く」


すると、馬にへばり付いていたレノンさんの『わ、私も、行きます』と死にそうな声が聞こえて来た。


「・・・。

レノンには、馬と荷物を任せたい。

出来るか?」


「は、はい!

もちろんです。お任せ下さい!」


任命された事が嬉しいのか、ヨロヨロと顔を上げたのだった。


「では、行こう」


ローレンス様の掛け声で動き出す。


屋敷の一階には人がいないようだ。

そのまま、私達は二階を目指す。


そして、問題の部屋へと着くと男の声がしたのだ。


「あいつ、昨日はいねーし、どこでサボってんだ?

終わらないと、俺まで怒られるじゃねーか!!

ったく、お前ら、さっさと終わらせろよ!

帰れねーだろうが」


と子供達に暴言吐いている。


すると、ローレンス様が私の肩を叩き、親指で後ろを指したのだ。


一時撤退


私はローレンス様に続く。


すると、少し離れた部屋へと入ったのである。


「アレン。少しここで待機する。

さっきの話だと、燃えた男との交代制なんだな。

だから、今の男はそろそろ帰ると思うんだ」


「けど、交代する人が来ないのに、帰りますかね?」


するとローレンス様はニヤリと笑って口を開いた。


「ああ。

ああいう奴らは責任感がない。だから、帰るさ。

それと、これからの事を話す。

アレンも感じたと思うが、この屋敷には子供三人と男一人しかいない。

だから、一昨日燃えた男が子供達を(さら)ったように見せ掛けようと思う」


「どうやって、見せかけるんですか?」


「子供達だけでなく、出来上がった魔石と空の魔石も一緒に持ち出せば、そう疑うだろう?

それに、あの男だって、自分が疑われる事を避ける筈だ。

だから、全てをもう一人に押し付ける為に、嘘を交えて報告する。と、俺は踏んでいる」


・・・確かに。

報告する側になれば、疑われる事はない。


!!!


「だから早く動いたんですか?」


「そうだ。

男が何日も行方不明では、使えない手だからな」


なるほど。

この1日を攫う準備をしていると思わせる事にしたのか。


何も分からずに付いてきた自分が情けない。


それからは、ローレンス様と待機していると、さっきの男の声が聞こえてきた。


「あいつ、今日も来ない気か?

・・・はぁ。

お前ら、この箱の中を全て処理しておけよ!

俺は時間だから、帰る。

あいつがいないからってサボるんじゃないぞ!」


その後、乱暴に扉を開閉して、階段を降りる音が聞こえた。


そして、待つ事数分。

玄関扉が閉まった音を確認した私達は、早速、動いたのである。





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