↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「結婚しよう。」  作者: まひる
第二章
PR
89/516

8.精霊とは違う【3】

 ヴォルと共に食事処に来ました。さすがは港町といったところでしょうか。食事のメニューにお魚がたくさんあります。勿論生では食べないのですが、様々な調理法で作って下さるようですね。


 私はムニエルを選びました。残念ながらお魚の名前では何か判別出来なかったのですが。でも出てきた料理はとても美味しくて、一人でニコニコしながら食べていました。あ、勿論ヴォルはいつものお顔でした。


「メルはいつも旨そうに食べる。」


 食後のデザートを口に運んでいると、いつから見ていたのかヴォルが私を見ていました。


「だって、本当に美味しいんです。」


 お腹も満足なので、私は自然とニッコリと微笑み返します。食事は大切なのですよ。美味しいと思える事も幸せですね。でもお腹一杯になれば機嫌が良くなるって、私ってお子様ですか?


「精霊とは違う、か。」


「はい?」


 自分の世界に入っていた私は、ヴォルの呟きが聞こえませんでした。


「…セントラルに行くか?」


 私の問い掛けには答えず、違う質問をされました。…え?


「あ、あの…?」


「セントラル。…行ってくれるか。」


 戸惑う私に、ヴォルの言葉が少しだけ変わりました。でも、何故今更なのでしょう。有無を言わさずここまで連れてきたのは、他ならぬヴォルです。そこまで考えて、私は一つの黒い考えに行き着きました。


『俺はお前を必要としない。』


 再びあの声が聞こえます。私の心臓がドクンと嫌な音を立てました。周囲が急速に色を失っていきます。


「わ…、………私が、必要で、なく、なりましたか?」


 何とか言葉を紡ぎます。デザートスプーンを落としそうになって支えた左手に、氷のように冷たくなった右手の指先が触れました。


「何を言っている。」


 僅かに眉根を寄せたヴォル。


「俺はメルを手放せないと何度も言っている。」


「え…。」


 指先を見ていた視線をヴォルに向けます。真っ直ぐな青緑の瞳が私を映し、微かに熱も見えました。怒って…いますか?


「その上でメルの気持ちを聞きたい。」


 私の気持ち…。そんなもの、必要なのですか?私は…。


「メル。俺とセントラルに行ってくれるか。」


 な、んか…プロポーズみたいですね。私はボンヤリとそんな事を考えてしまいました。でも、お断り出来るはずがありません。


「…返事は。」


 請求されてしまいました。…嫌、って言ったらどうなるのでしょう。慌てますか?怒りますか?そうか、って納得しますか?


「あの…。私の返答によっては、何かが変わるのですか?」


 結構重要ポイントですよね。だって、手放せないとか言われて…私にどのような返事を求めているのですか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。