王立学園マラージュ
“王立学園マラージュ”
学園マラージュ、創立250年の伝統の名門校。15kmほど町沿いと、35㎞の城壁までの
区画を一挙に擁する学園は冒険者も探索するダンジョンを有する。校花はオリーブだ。
オペラハウスや舞台劇場を所有する学校は、森林も持っており、菜園エリアがあり、
取れた作物は市場に卸している。
昔の大魔法使いが建てた学園は、町の実力から言っても、国の市場や政治でも声をあげ
れば、一つの都市が動くくらいの力を持っている。しかし、一族、学園は政治的な発言や
扇動はしないと誓っている。
ただ、魔法使いの子孫は有力な貴族であり、政治家もいて、軍人もいる。国のエリート
で王家の直系には、今は子孫はなく、昔の500~600年前の大戦で敗れた側について、フレ
イから大職につくことを禁じられた。
それが一昨日フレイからのお達しで政府の要職までは就いていいという発表があった。
それで、一族の故魔導協会の理事長の次男のネトリが、聖地ウプサラの知事に立候補し
たのだ。
ウプサラは、パースウェルという国の首都だ。昔は違う国名だったが100年ほど前
に今の国名になり、北部の沿岸まである大きな国だ。ヴァイキングの時代から要所と
して栄えた流通の盛んなところ。トール神の閑職時代を栄えさせた聖なる城下町であ
る。海洋業の盛んな地域でもある。
軍の要所であり、その場所で知事になるのはどうなのだろうという考えの人もいる。
今、世間の噂の的である。まぁ、それは他所の都市だけれども、貴族の領地運営にも関
わるのでみんな気にしている。
学園は過去の歴史から、軍政の管理下にあることは反省して、争いを行わないと社会的
協調を訴え求めていく指針で、物を言う生徒が卒業して国の機関で活躍している話は多い
そうだ。
最近は、どこかの圧力が強まって、若手の意見が通らないようなことがあるらしく問題
になっている。
馬車は、西洋式のガーデンアーチや噴水の前を通って、まっすぐ校舎の入り口まで来る
と、馬車が止まり、扉が開く。
「お姫様、どうぞ。」
車からシルベーヌに降りてもらい、次にリサをエスコートして降りてもらうと、迎えの人
が温かく出迎えてくれた。
「ようこそ、王立学園マラージュへ。次期女王陛下様歓迎いたします。」
最上級生が挨拶し、学園長が進み出る。
髪をまとめた細身の女性が学園長らしい。相手の懐に入るようなリラックスさせる心地に
させ、相手の韻律にドッと踏み込んで話をしましょうと言ってくるような想像が湧く。
「理事長は、王都都市推進運営の為不在ですが、ご案内は学園長のラッカが務めさせてい
ただきます。」
王女は、学園長に案内されて応接室へと入っていく。
「それじゃあね。シルベーヌ、後で。」
集まった人々が離れていく中、俺とシルベーヌは案内書の教室へと急ぐ。そこで着替え
る為だ。
それにしてもさっきのリサは、王女の威厳がひしひしと伝わってきた。なにか声をかけ
にくい雰囲気が、彼女から出ていた。あの雰囲気は俺も見たことがなく、王家の生活の中
での王統教育の賜物で、さっきの賊に言い返していた時の鋭さが、ふとどこかで見たよう
な感覚におちいっていた。
そんな思いつきのような考えがよぎるものの、何かはわからず、今人の混雑の中、かつ
て前世の自分が通った学校と同じ様に、また異世界でも子供として学校に通うんだな、と
思うととても感慨深かった。
元の世界の家族が、こうして学校に通うんだよ、と教えてくれたっけ。あの温かい経験
が、学校生活の基軸を立てていた。友人とはこんな事をするのか、ならここでもちゃんと
勉強をしないとな。親が学業や社会事業の奮励や人の規範を立てて、人が従ってくれた。
この教えが、労働の取り組み方を変えて、活動的な事と繊細な活動を通して国民を向上さ
せる。
俺は前世の小学校の入学時に、学校の活動や営みを通してヴィクトリア女王の労働と活
動を集団としての目的と、集団結果の目的は、従者までの労働意識が社会の中での目的が
一定既存の枠組みとその活動の中で主体的な部門別の目的に別れ、付き合う人間によって
も一定の利益が決まるとしてこういう上流社会はイデオロギーや付き合った時、どれだけ
仕事を持ち込むかというのが見えてくるのだ、と教えてもらった。
貴族はこういう付き合いをしてるんだなと思っていたので、リサの振る舞いは社会的な
付き合いに見えていた。
親に教えられたことはありがたいな、と廊下で一息つき郷愁に囚われていた。
そして、シルベーヌがこちらを振り向き、
「人が新しい服を着ているのに、感想もないのかしら。リサ王女は見惚れていたようです
けど。」
ハッ、しまったか。慌てて、
「シルベーヌは綺麗だよ。髪の色が制服に映えて、雰囲気が大人っぽい。」
と言った。
シルベーヌは、戸惑ったのか、目を大きく開いて、
「そ、そうですか。まあ、お世辞だとは思いますが、髪とか褒めるとか。私まだあなたの
女ではありませんが、リサ王女ほどではありませんが、淑女の嗜みですから。」
俺は、
「きれいはきれいだろ。僕に貴族の暮らしとか合わないよ。」
と意識せず、言った。
「なっ!」
なにかショックを受けているようだが、俺は、
「さっきの学園長との話もちゃんと挨拶出来ていて、勉強しないとな、と思った。すごい
頼れる人だなと見えるし、立派な女性になると思うよ。」
シルベーヌは、もう怒ってしまい、
「なんてことを言うんですか。私は男性の事なんて考えていません。
それじゃあ男子はあっち。女子はこっち。その後は講堂に行って、男女ごとに列になる
からここでお別れ。」
ああ、ここで話してても仕方ないしな。
シルベーヌが、ため息交じりで、
「まあ、いいわ。」
と言った。
それじゃあと、返事をしてここで別れた。
「シルベーヌ、その服似合っているな。あと、また後でな。」
シルベーヌは顔を真っ赤にしていた。




