リライト EP.32
~side B~
リサは、愛が人の活力を高め、仕事の動機にもなりうるのではないかと語った。
それに対して俺は、愛そのものは目に見えないが、社会や経済を動かす力として確かに働くのだと思う、と答えた。
遺跡や人物への関心が経済を持ち上げるように、人の心に宿る思いもまた、資本とは別の形で世の中を支えている。
ただし、公の財政として扱うには、見える形の資本や制度が必要だ。
それでも、愛や信頼のような目に見えないものが、働き方や社会の空気を決めてしまうことはある。
支え合いがある時、人はより良く働けるし、その小さな善意が国全体の活力にもつながっていくのだと思った。
俺は、愛が経済や社会に与える影響は決して小さくない、と考えた。
人は命令や圧力だけでは本来の力を発揮できない。
上から押しつけられれば、そこには嫌悪や抵抗が生まれ、仕事の正確さや精密さまで損なわれる。
だから問題は個人の能力だけではなく、関係の築き方や社会の設計そのものにある。
もし人を尊重し、思いやりのある形で動けるなら、同じ仕事でも結果は大きく変わる。
愛は単なる感情ではなく、人の営みを支える一つの力であり、その積み重ねが社会全体の流れを変えるのだろう。
リサやシルベーヌも、そうした考え方に全体と一致する強い個であると、これが希望の導きであると考えていた。




