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『犬神物語』〜転生少女と不思議な絆〜 《改稿版》  作者: 犬神 匠
第三章 交わる記憶、覚醒の契り

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第8話『放課後の頼れる先輩』

放課後のチャイムが鳴った瞬間、私の足はもう部室へ向かっていた。


体を動かせるってだけで、

なんかもう、しっぽがぶんぶんしそうになるんだもんっ!


テニス部の練習が始まる前に、何人かの部員がすでに準備を始めていて、私も急いで部室のドアを開けてロッカーの前に直行っ!


動きやすくてお気に入りのジャージを取り出して、制服を脱いで、テキパキ着替えっ。

髪をキュッとポニーテールにまとめて、リストバンドを手首に通すと、なんだかシャキーンってスイッチが入った気がする!


鏡の前で、身だしなみチェック……うん、いい感じ♪


「よし、準備完了っ!」


軽く拳をぎゅっと握って、ぴょんっとジャンプしちゃった。足元の感覚、ばっちり!


「今日こそ、先輩のスマッシュ受け止めてみせるぞーっ!」


って気合いを入れたら、近くにいた先輩たちに、

くすっと笑われた。


(あっ……やばっ、ちょっと気合い入りすぎたかも……!)


「犬神さん、今日も気合い入ってますわね」


その声に、はっと振り向くと――

そこには高橋玲奈先輩が!


ふわりと揺れる金色のウェーブ髪が、光を受けてきらめく。

優雅に袖を整えながら、静かに微笑んでいて――気品オーラ全開っ!


生徒会長でテニス部の部長っていう、とんでもない先輩なのに、そんなことを感じさせないくらい、立ってるだけで絵になる人で……うぅ〜っ、見惚れちゃう!


「もちろんですっ! コートを走り回るのが楽しすぎて!」


ポニーテールを結び直す手にも力が入っちゃう。


玲奈先輩はくすっと笑いながら、


「ふふっ、さすが犬神さんですわね。

準備ができましたら、コートでお待ちしておりますわ」


……うぅ〜っ、やっぱり優雅すぎる!


着替えを終えた私は、部室を出てコートへ向かった。

軽く腕を回しながら気合いを入れて、これからの練習が楽しみだ。


練習が始まって、みんなそれぞれストレッチやウォーミングアップを始める中、私もストレッチしながら、体をぐぐっとほぐしていく。


「よし、準備万端っ!」

ラケットを持って素振り開始っ! 


そのとき——


「せ、先輩! これってこうやって打てばいいんでしょうか…?」


美咲ちゃんだ! 真剣な顔でラケット握って、じーっとこっちを見てる。


高校1年生の美咲ちゃんは、テニスはまだ始めたばっかり。だけど、一生懸命で失敗してもへこたれない頑張り屋さん♪

ピンクの髪のお団子ヘアがトレードマークで、

ぴょこぴょこ動く感じも含めて、もう元気印そのものって感じ!


「そうそう、美咲は ちょっと力入りすぎだから、もうちょっとリラックスして〜」


って私がアドバイスしながら、フォームをお手本にしてみせると——


「えいっ!」って打ったボールが、ぱしんっと気持ちいい音を立てて、まっすぐ飛んでいく。


「ナイスショット! その調子っ♪」


美咲ちゃんの顔が、ぱぁ〜って明るくなって、


「ありがとうございます、犬神先輩! わたし、もっと上手くなりたいです!」


「うんうんっ! 一緒にどんどん上手になろうねっ!」


そんなやり取りを、フェンスの近くで静かに見ていたのは……ヒカリ!


腕を軽く前で組んで、どこか考え込むように私たちを見つめていた。


「ヒカリ? どうしたの?」


そう声をかけると、


「犬神さんが後輩に教えてる姿、

なんか……すごくしっくりくるなって」


その言葉を聞いた瞬間、なんだかドキッとしちゃう。


私はちょっと照れながら美咲ちゃんの方を見ると、彼女はきらきら目を輝かせてこっちを見ていた。


「えへへ、頼れる先輩になれてるかな〜?」

なんて笑いながら、美咲ちゃんの肩をぽんっと軽く叩く。


「もちろんですっ! 犬神先輩のおかげで、さっきよりうまく打てるようになりましたもんっ!」


美咲ちゃんは嬉しそうに、ぎゅっと拳を握っていて……可愛いっ!


ヒカリもその様子を見ながら、フェンスにそっと寄り添うように立っていて、


「…犬神さん、すごくいい先輩だと思うよ」

なんて言ってくれて、胸がじんわりあったかくなった。


「犬神さん、そろそろ試合形式の練習に入りますわよ」


玲奈先輩の涼やかな声が、コートにすっと響いて――


「次はペアを組んで進めますわ。

あなたの活躍、楽しみにしておりますわ」


「はいっ!」って元気に返事して、ヒカリに手を振りながらコートへ!


「じゃあ、また後でねっ!」


ヒカリは小さくうなずいて、静かに見送ってくれていた。



練習が終わって、私は汗をぬぐいながら部室へと戻る。

シャツが肌にぺたってして気持ち悪いから、急いでロッカーを開けて着替えの準備!

タオルでぽんぽんっと顔を拭いて、制服を取り出す。


鏡に映った自分の顔は、ほんのり赤く火照ってて——

うん、今日もいい練習だったって証拠!


「ふぅ〜、今日もよく動いたなぁ〜」

ブラウスに袖を通しながら、ちょっと伸び〜ってして、髪もぱぱっと整えて準備完了!


部室にはもう人も少なくて、静けさが漂ってる。

みんな、帰る準備を終えちゃったみたい。


制服の襟元を整えてカバンを肩にかけて、

よし、出発っ!


部室を出た瞬間、夕方の風がふわ〜っと火照った体に気持ちよくって、思わず「はぁ〜」ってなっちゃった。


「……帰るのか」


声に顔を上げると、隆之がそこにいた。

肩にカバンをかけたまま、軽く片手を上げている。


「隆之? どうしたの?」


「ちょうど帰るところだ。一緒に帰るか」


「わっ、それいいねっ! のんびりおしゃべりしながら帰るのも楽しいしっ♪」


って、ちょっと浮かれた気分で話していたら――


「おっ、犬神。今日も頑張ってたな」


えっ? この声……!

振り向くと、長谷川先輩が立っていた。


「長谷川先輩っ!」


思わず声が弾んじゃう。


バスケ部の中心で、運動神経バツグンで、何より優しくて。

最近は先輩のこと、気づけば目で追っちゃうことが多くて……って、あわわ!


「今日はテニス、いい動きしてたな。見てて分かったよ、ちゃんと伸びてる」


「え、ほんとですか!? まだまだですけど……そう言ってもらえると、めっちゃ嬉しいですっ!」


「犬神は一生懸命だからな。努力がちゃんと伝わる。無理しすぎず、自分のペースでいいんじゃないか」


そんなこと言われたら、もう顔がゆるんじゃう。


「ありがとうございますっ! もっと頑張りますっ!」


――ふと、隣を見ると。

隆之が、少しだけ目を伏せていた。


さっきまで普通だったのに。

なんだろう。空気が、ほんの少しだけ変わった気がする。


唇をきゅっと結んで、視線を外している。


「お前も、犬神と帰るところだったのか?」


先輩がそう声をかけると、


「……はい」


短く、それだけ。


(あれ……?)


さっきまでと、なんか違う。


「そっか。気をつけて帰れよ」


先輩はやわらかく笑って、そのまま背を向けた。


「じゃあな、犬神。あんまり無理すんなよ」


「はいっ!先輩も、お疲れさまでした〜!」


元気に返事をしたけど――


隣の隆之は、やっぱりどこか静かで。


「……隆之?」


「……いや、別に」


それだけ言って、少しだけ歩くペースを上げる。


(えっ、えっ?)


私、なんかした……?


理由も分からないまま、

首を傾げながら、小走りでその背中を追いかけた。

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