第449話 神社ワールド23(混迷)
ナレーター視点
((アナタ、神を信じマースカ?))
「恥ずかしながら神は信じませんわ」
((それは大変デース。今からでも信じるべきデース))
「恥ずかしながら、私が信じるのは私の明るさだけですわ」
((アナタ、眩しいだけなのデース。私の光は神様の力があるのデース。力とは神聖力。神聖力とは全ての浄化を司る力なのデース。だから神様を信じるべきなのデース))
「私の光は皆を照らす力。あまねく全てに光を照らし本当の姿を見せる。ありのままの姿みせるのよ。ありのままの自分を見せるのよ。だから神様なんて必要ないのです」
((言っている事が意味不明なのデース))
カーナが不本意なお風呂掃除に従事した頃、照明妖精ピカリンあかりと使徒?との対決は眩しさを増して続いておりました。
その情景はさながら突然現れた野球場照明のよう。どちらも直視困難なくらいの明るさで、これ程迷惑千万な事はありません。
いやはや本当に眩しい。
それを遠巻きに見ていたアルタクスと|テータニア皇国近衛騎士団《イケメン予備軍》。
そのあまりの眩しさにその場に留まれるわけもありません。
盗賊団の黒幕と未だ気絶中の元黒子女子を引きずり二人から遠ざけるように避難します。
その時でした。
テータニア皇国近衛騎士団隊長のアルタクス。
盗賊団黒幕と認識する人物、そのとある装着物に着目したのでした。
「その指輪は、まさか」
「⋯⋯⋯ふん?」
犯罪者として事実上拘束状態にあるガタイが良く何処か気品のある黒装束一味の黒幕中年男性。
僅かに漂うその気品は只者でないのは分かります。
ですがアルタクスが注目したのはその左手小指に装着された指輪。
その指輪は金銀と極小な金剛石が散りばめられ、明らかにこの世界の技術による最高品質を伴う指輪であり、とても一犯罪者が持つべき物にはそぐわない物。
そしてその指輪には、とある紋章が彫られていたのでした。
「ガルシア帝国侯爵家、アブラカムの紋章」
「ほう、我が家門を知る者がいたか」
「何故、ですか」
「⋯⋯⋯⋯⋯」
「その家門はガルシア帝国屈指の宰相家の家門だ。ガルシア皇家に最も忠誠心のある家柄のはずです」
「ああ、兄上ならそうだな」
「兄?」
「我は今もガルシア皇家、ひいてはガルシア帝国全体を愛してやまない。だが我が忠誠心は真ガルシアと共にある」
「真ガルシア帝国とは現ガルシア帝国と袂を分かった公爵家、つまり現皇帝の弟であるラジウム公爵家のガバルト殿下が自領に建国した国家名称ですか」
「ふん、真ガルシアとは真にガルシア帝国の行く末を憂い、絶望的未来に希望を見出そうと建国されたものだ。我らはテータニア皇国の属国に成り下がった今のガルシア帝国を良しとしない。テータニア皇国こそ我が帝国の属国であり、その地にある全ての祝福は帝国に帰属するべきなのだ」
「⋯⋯武闘派が過激に動いた、その結果が今のアナタというわけですか。帝国の姫までも巻き込んで起こした誘拐犯罪、どう落とし前をつけるおつもりですか?」
「吠えるな若造。貴様に我がガバルト殿下の真理を理解する事は叶わんよ」
ついに明らかになる誘拐犯首謀者の正体。
彼らは真ガルシア帝国を名告る帝国内の反乱勢力の一味でした。
そしてその目的が間もなく明らかになるのでした。
「⋯⋯理解しようとは思わない。ですが今の状況は貴方がたにも不本意なはず」
「⋯⋯⋯これも貴様達テータニア皇国がダンジョンを秘匿し、巨大結界技術を独占した結果だ」
「意図的に独占したわけではありません」
「だろうな。こんなダンジョンを人が意図して支配運用出来るわけはないからな。つまり極秘とされる《結界石》は元々この地にあり、その周りにダンジョンが自然発生的に起きて守っていたと。それを代々テータニア皇家が守護してきた、そういう事だ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「無言か。それは図星という事だな」
「貴方がたのせいでオルデアン様が!」
「ソレは我らも同じ事。貴様達が我が帝国の織姫をテータニアの姫と行動を共にさせていたのは不本意だったのだ。お陰で一緒にご同行をお願いせざるおえなかった。そして今は呪いの中心に捉えられてしまった。まったくの誤算だ」
「呪いの中心!?」
皇家の秘匿すべきダンジョンの実態。
それを的確に指摘されたアルタクスが心穏やかでいられるはずもありませんでした。
思わず感情的に真ガルシアのアブラカムに声を上げてしまうのは致し方ない事です。
ですが真ガルシアの彼らも今の状況は意図しない状況。お互いにお互いの責任を真っ当出来ず、相手に当たるべくもありません。
問題は更に混迷を深めるダンジョンです。
人智を超えて未曾有な奥行きを見せるその神秘の存在は出口は見えず、彼らの捜し人は未だダンジョンの迷宮に囚われたまま。
現れた鳥居は波打つばかりで、使徒?と云われる人物??は眩しいばかり。
やはりここは重要な役目がありそうなカーナの力が必要なんでしょうが残念な彼女は現在、お風呂に入る野望の為に《風呂掃除婦》と化していたのでした。
ああ誰がこの物語の行く末を想像できるのでしょうか?
もはや作者にもAIにも分からない迷宮な物語。
そして、人知れず打ち捨てられた?ララちゃん君の毛皮がすっかり生肉が消えて綺麗になっているなど、誰も気づく事はありませんでした。
うえぇ!?




