第448話 神社ワールド22
◆神社ワールド
カーナ視点
ドカッスカッドカッ
「とにかくどいて!私は何が何でもお風呂に入るのよって、なんて頑丈なのよ?!」
いくらぶっ叩いてもビクともしない大男。
その癖私が眼中にないようで、明後日の方角を見たまま微動だにしないとか。
うん、完全に無視されてんな。
おまけに黒皮ジャンに黒皮ズボンとサングラスは所謂某洋画キャラのコスプレみたいだけど、どっから調達したんソレ?
前はこの世界の何処ぞな制服みたいなの着てましたが、今の姿はどう見ても世界観ぶち壊しのコスプレマニアにしか見えません。
まあ、誘拐犯で軍隊調制服も普通じゃなかったいんだけど、そもそもあの鳥居からカードモンスター扱いで現れてからの訳わからん言語を連呼するだけって、どーでもいいか。
うん、悩んだら負けだったわ。
正直彼に何があったとかマジどーでもええわ。
現状お風呂の入り口からどいて貰えればいいだけなんで、彼のバックボーンとか考察する意味は全く無いんでサッサとどけや!
『アスタラビスタ、ベイビー?』
「だから、どいてって」
とはいえ、話の通じないポンコツに関わっても時間の無駄は経験済み。
動きの鈍さを突いてお風呂のドアを開けましょう。
「あ、ジョン・コナー発見!」(誰?)
『アスタラビスタ・ベイビー?』ヴィイーンッ
「チャーンス!」
上手くモヒカンの気を逸らし、お風呂扉の取っ手を取る事に成功しました!
モヒカンは私が指差した方角に機械的擬音を上げて、もの凄いスピードで走り去って行きます。
殺人対象を探すのに夢中なん??
それはそれで色々とやべぇな。
「まあいいや。とにかくやっとお風呂にありつけるわ。カモーンMYジャグジー!!」ガラッ
「勝手にお風呂のドアを開けるのは失礼なのです。入浴中の看板が目に入らないのです?」
「ああ?!まだ入ってたの??どんだけ長風呂やってんのよ!」
がーん。
棒ハムスターがまだ風呂を占拠してました。
身体を泡立てて棒を洗ってます。
おい、そんな棒、どんだけ洗えば気が済むんだ?
「アカスリが絶妙な効果で美肌を生むのです」
「木屑しか出ない身体で美肌も何も無いと思う」
「そんな事はないのです。ちゃんと木に光沢が宿るのです。それはとても最高な事なのです!」
拳を振るってじゃなく、棒を振るって力説する棒ハムスター。
アカスリが最高の事って、棒に光沢付けてどーすんだ?
材木屋にでも売るんかな。
その時点で身体無くなるけど生きづらくならない?
いやいや、そもそも棒ハムスターって生き物か分からん。
頭でっかち水飲み鳥オモチャにしかならんよね。
あああ???
「ところでアタシの毛皮の洗濯は済んでるのです?そろそろお風呂出るのです」
「今頃蠅が綺麗にしてくれてると思う」
「ハエ??」
「いいから!これからレディがお風呂入るんだから、アンタはサッサと出ていきなよ!」
「レディ?何処にレディがいるのです?」
そう言って辺りをキョロキョロする仕草の棒ハムスター。
ほほう。
どんな車も買うわ。
「いいから出てけや!!」ドカッ
「そこは背骨なのです。乱暴したら背骨が折れるのです」
「何処が背骨か分かるかーっ!?」ドガガンッ
棒ハムスターの棒を蹴ったらそこは背骨だった?
どこからが背骨でどこからが腰なん??
勘弁して下さい。
とにかく棒ハムスターを追い出してプライベートMYジャグジーを確保した私。
ついに念願のお風呂デース!!
「さて、入ろう。んん???」
この湯船にうかぶ木屑は何?
あとやたら鳥の羽根とかが沈んでんだけど、アイツらもしかして入るだけ入って風呂掃除の一つもしてないとか。
もしかしたらこのお風呂、トンデモなく不衛生とか?
おいぃっ?!!
ナレーター視点
こうしてジャグジーを満喫するつもりだったカーナでしたが一転、掃除婦として従事する事となってしまったそうな。
怒り心頭の怒髪天で一見すれば般若顔になっていたのは言うまでもありません。
ですがこれにはそれなりに理由があったのです。
実は彼女の今日の運勢、限りなく凶に近い末吉だったのです。
ええ、限りなく凶に近い。
だから苦難が続くのは当たり前なのでした。
ここで凶と云わないところが味噌ですよね?
合掌。
その頃ログハウスの外では新たな展開が始まろうとしていました。
はい、場面が切り替わります。
ポチッとな。




