表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

リベンジ

「……あれ? 俺の部屋?」


 気がつくと自分の部屋に居た。俺昨日何してんだっけ? もしかして部屋で無意識できちゃった?


「とりあえずお腹すいた」


 ベッドから起き上がりリビングへと向かうのだった。


「グレン!」


 リビングで母さんと目があった瞬間叫ばれてしまった。びっくりして体が跳ねる。


「な、なに?」


「グレン、起きたか」


 父さんも静かではあるが、この様子……怒っているぞ。2人とも鬼の形相だ。


「ど、どうしたの。そんな顔して……」


「こっちにきて座りなさい。……昨日ドロシー様が貴方を抱えて家に来たわ」


 座ると話し始める母さん。


「あー!」

 

 そしてドロシーの名前を聞いて俺は昨日何があったのか思い出した。

 殴りかかった俺は突然衝撃を受けて気を失ってしまったのだ。


「あー! じゃないドロシー様に迷惑をかけて何を考えているんだ!」


「そうよ! 何かあったらどうするつもりなの!」


「うぅ……次は負けないから!」


「何をバカなことを言っているんだ! お前は!」


 どうやら俺の回答は2人に油を注いでしまったらしい。血管がはち切れそうなくらい膨らんでいる。


「それ以前の問題でしょ! いきなり人に攻撃しようとするなんて! ドロシー様から聞いたんだからね!」


 それから俺は3時間強の説教をうけることになるのだった。


 

「うへぇ、まだ足が痛い……」


 ようやく解放された俺は正座で痛む足を摩りながら村の中心まで来ていた。


「あっ、グレン! 昨日は大丈夫だった?」


 キョロキョロしながら歩いていたサムが俺を見つけると心配そうな顔で駆け寄ってきた。


「まあ怪我はないけど……」


「その様子じゃおばさん達にこってり扱かれたみたいだね」


「まあ、な」


 母さんと父さんからはドロシー様に謝るまで帰ってくるなと言われてしまった。


「良かったよ。グレンのことだから目を覚ましたらリベンジだ! とか言ってドロシー様に喧嘩売りに行っちゃうと思ったから」


「……なんか探してみるみたいだったけど、もしかして俺を?」


「それ以外に何があるのさ。でもその様子じゃ昨日みたいに突っ込むことはなさそうだしね」


「あぁ、勿論だ! 昨日は正面から行って負けたからな。今日は奇襲を仕掛けてやる!」


「昨日から何も学んでない!? 相手はドロシー様だよ。いくら挑戦したって無理だよ……」


「なに弱音吐いてんだよ! そういう事は全部試してみてから言えよな!」


「いや、でも……」


「なにをするにしてもまずはドロシーの場所がわからないとだよな。どこかで見たか?」


「ううん。今日起きてから村の中を見て回ったけど、ドロシー様は居なかったよ」


「うーむ。どうするかなー」


「レオンおじさんに聞いたら分かるんじゃない? この村で宿屋はレオンおじさんの所だけだからね」


「おお! 流石グレン冒険団の参謀! 早速行くぞ!」


「……言うんじゃなかった」


 そんなこんなで俺達はレオンおじさんの店に向かうのだった。

 


「おじさん。昨日はごめんなさい」


 店に着いた俺は真っ先に謝った。よくよく考えてみればおじさんの店で気絶してしまうなんて迷惑もいい所だ。

 普段よくしてもらっている分申し訳なかった。


「……はぁ、俺のことはいい。その顔を見るに反省もしているみたいだしな」


「うん、ありがとう。それでなんだけどドロシーがどこに行ったか知らない?」


 俺がそう聞くとレオンおじさんは目を細めた。


「グレン……お前本当に反省しているのか?」


「えっ、なんで……」


 ドロシー以外には本当に反省しているのに、なんでだ。


「今からリベンジしますって顔に書いてるぞ」


「えっ、嘘!?」


 思わず顔を手で触ってしまう。


「レオンおじさん! グレンはドロシー様に謝るまで帰ってくるまで、家に帰ってくるなって言われててそれでドロシー様を探してるんだよ」


 なんで知ってんの!? 話してないよね、俺!?


「本当なのか?」


 レオンおじさんの質問に対してブンブンと首を縦に振る。

 

「まあサムがいうなら信じてもいいか……ドロシー様なら聖剣があった場所に向かったみたいだぞ。今朝そんな話をしていたからな」


 俺への信用なさすぎだろ! でもサムのおかげ場所が分かった!


「そうなんだ、ありがとう! レオンおじさん!」


「……ありがとう」


 どこか釈然としない気分で俺は店を後にするのだった。


「ところでなんで俺が親に言われ出たこと知ってんだ?」


「えっ、嘘……本当に言われてたの?」


「知らなかったのかよ……」


 こんなことってあるんだなと思いながら聖剣が刺さっていた洞窟へ向けて俺とサムは走り出したのだった。



「……居た」


 洞窟の最奥、聖剣が刺さっていた場所に着くとドロシーが居た。昨日見たときとは違い片眼鏡をかけていて何かの本と洞窟の内部を交互に見ていた。


 この場所は特別で何故か洞窟の中なのに明るい。理由は知らないが、俺達が初めてこの場所を見つけた時からそうだった。


「……どうするの? 今から襲うの?」


 俺の隣で不安そうにしているサムが小声で質問してきた。


「いや、今は仕事中みたいだしなんか悪いだろ」


 昨日とは違いとても真剣な表情だ。流石の俺も仕事をしている人を襲うほど落ちぶれちゃいない。


「まじめか!」


 俺の言葉にサムが反応して突っ込むが今はまずい。俺はサムの口を慌てて塞いだ。


 そして恐る恐るドロシーの方を見ると集中しているからか気付かれていなかった。


「ふー、バレたかと思った。気をつけろよな」


「……ごめん。で、これからどうするの?」


「仕事終わりを襲う。俺にいい考えがあるんだ、着いてきてくれ」


 俺は準備と作戦を話すために一度洞窟を出るのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ただの現実を受け入れられないバカなのか、それとも本気で勇者や英雄へといたらんとする傑物なのか…興味深い。どこまで走り、どこに到達するのか、是非最後まで見たいものです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ