狂気のプレゼント
俺は修行を続けていた。
師匠が、
「最近シンに状態異常の魔法をかけても効きにくくなってきてるよねー。追い込み不足な気がするよー。魔法のポイズンじゃなくて毒薬の方が追い込める気がするよー」
という不穏な話をしていた。
案の定次の日
「シンー。プレゼントがあるんだー。受け取ってー。毒薬ー。」
師匠の手に目をやると、リボンで縛られた毒薬というアンバランスなプレゼントに俺は固まってしまった。
「何で毒薬にリボンをつけてかわいい感じを出してるの?これ毒薬だよね!?」
「かわいい感じにしたら、楽しみながら修行できると思ってー。」
絶対嘘だな。俺の反応を見て楽しんでるやつだ。
師匠は俺のほっぺをぷにぷにしだした。
「また怒ってー。むすっとしてるのが顔に出てるよー。」
俺は毒薬をじっと見つめた。
「毒薬かー。毒かー」
俺は深呼吸をした。
「飲むぞー飲むぞー。くーー。怖い」
「もー。さっきから30分以上そうしてるよー。大丈夫だよー死ぬ前に助けてあげるから大丈夫だよー。ほら、ググっといっきだよー」
うわー、ささ、お酒があるからどうぞ飲んでくださいみたいな言い方やめて欲しいなー。
毒薬だよ!?
本当に怖いんだよ!
「飲まないんだったらあと1セット修行しよっかー。」
師匠は本当にやる人だ。飲まなかったら本当に修行を追加する気だ。
俺は一気に毒薬を飲み干した。
反射的に毒を吐きそうになったその瞬間。
パラライズ
俺は体が麻痺して倒れこんだ。
「吐かないように麻痺させたよー毒を飲むと反射的に吐いちゃうよねー。でも大丈夫ー。これからは吐かないように麻痺させてあげるから。」
俺の健康LVが上がった。
数日後。
「最近健康LVの上りが悪いねー」
「そんなことないよ!十分上がってるよ」
今健康スキルのLVは8まで上がっていた。
「私の修行だとどうしても魔法系の追い込みになるんだけど、今度は打撃や斬撃だと思うんだー」
「なにがですかな?」
「やっぱり打撃とかの追い込みも大事だよねー!」
俺と師匠は近接戦闘の道場に来ていた。
「初めて入るな。中はこうなってるのかー」
ちなみに俺はばっちり服を着ていた。
師匠は庭に居る犬を見つけてモフモフと肉球ぷにぷにをしていた。
道場の師範が顔を出した。
「来たか。入ってくれ」
体格はくまのようにがっちりしていて背も大きかった。
年齢は40代くらいかな
「俺はムサシだ。確認なんだが、こいつを死ぬギリギリのところまで追い込んで恐怖を感じさせながらぼこぼこにするってことで良いのか?もしかしたら間違いなんじゃねーかと思ってるんだが?」
「それは間違いだよ、普通に稽古を」
俺が言いかけた所で、師匠は俺の口をふさいだ。
「恐怖を感じさせながら死のギリギリまで追い込んでくださいー」
「とりあえず外に出るか」
みんなで外に出てムサシさんと対峙した。
ムサシさんは素手だった
これが最後のチャンスだ。
「ムサシさん!お手柔らかにお願いしますね!」
「がははは。お手柔らかに死なない程度にしておくよ」
あ、この人駄目だ。
ムサシさんは、目にもとまらぬスピードで一気に俺との距離を詰めて俺を投げ飛ばした。
ごろごろごろごろーーーーー!
俺は反応できずに転がされた。
ムサシさんはそんな俺を追撃しようとしてきた。
俺は全力で逃げ出した。
「がははは、鬼ごっこか。それでもいいぞ」
ムサシさんは、俺の全力疾走よりほんの少し速いスピードで追いかけてきた。
蹴りや拳も、俺がギリギリ避けられない速さで俺を追い詰めてきた。
俺はじわじわと恐怖を感じながらぼこぼこにされていった。
修行が終わると、俺は動くことが出来ず。地面に寝転がっていた。
ムサシさんは動けない俺を道場まで運んでくれた。
俺は今後どうしていくか考えていた。
「ムサシさん。道場に泊まり込んで修行をしたいです。」
俺は頭を下げた。
「え?え?どうしたのー?普段はそこそこ頑張って済ませる感じなのにー?今回は熱心だねー」
「違うよ。いやでいやで仕方ないから早く終わらせたい一心で健康LVを10にしたいんだよ!」
「そっちかー、分からないでもないよー。」
「がはは、正直な奴だな。しばらくは面倒をみるぜ。」
それから道場で修行を続けた。
剣・槍・斧といろいろな武器で追いかけまわされた。
俺の健康LVは9になった。
最後までお読み頂きありがとうございます!
ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!
見られているとやる気が出ます!




