アリスの気持ち
「師匠」
「なにー?」
「最近ギルドに行って無いって聞いたけど、何かあったのかな?もしかして俺の修行を手伝ってるせいかな?」
「シンを手伝ってるっていうのもちょっとはあるけどー。それ以外の時間は、ダンジョンで魔物狩りをしてるんだよー。それが原因かなー。」
「前からダンジョンには行っていたと思うけど。」
「そうだねー。ダンジョンに行く時間を増やしてるんだよー。」
「あれ?もしかして、俺がこの家にいるせいでお金がかかっているの?」
「ふふふ、そんなわけないでしょ、シン一人増えたくらいじゃそんなに変わらないよー」
そう言って俺のほっぺをぷにぷにしてきた。
どういう理由なのかますます分からなくなってきたぞ。
「何か理由があったのかな?」
「そうだねー。最近シンにはすごく厳しい修行をしてもらってるでしょ」
「そうだね。すごく厳しい修行だよ!もう少し緩くしても大丈夫だよ!」
師匠は俺の提案を無視して話を進めた。
「だから私だけ楽をしていると落ち着かなくなってるんだよー。シンにだけ苦しい思いをさせて、私だけ楽をしてるのがねー。」
「そっかー」
アリスは俺を抱きしめて言った。
「シンは、きっと強くなるよ。私よりも強くなれる。でも今は結果が見えにくくて苦しいと思う。でも前には進んでいるんだよー。」
なるほど。なんとなく分かってきたぞ。
師匠は修行中は厳しいけど本当は優しい。
この前も修行に付き合ってもらう期限だった一か月が経って、出て行こうとした時も、
何度も引き留めてくれて、今もこうして修行を手伝ってくれている。
俺は師匠には本当にお世話になっている。
「師匠。」
「どうしたのー。」
「これから二人でギルドに出かけてみない?たまには外で食事でもしよう。」
「うーん。そうねー。それもいいかもねー」
「じゃ決まり。」
ギルドに着くと、
パーティー【ロックロット】のジークとレナが居た。
ジークがこちらに気づくと、挨拶をしてきた。レナも遅れて挨拶をした。
「せっかくみんな集まったんだし、一緒にご飯でも食べよっかー。」
という師匠の言葉で俺たちはギルドで食事会をすることになった。
みんな席に着くと速攻で俺は口を開いた。
「ロックロットの調子はどう?」
「うーん。二人パーティーだと、ちょっときついねー。シンが戻ってきてもらえれば助かるんだけど。シンの方はどうだい」
俺は、パーティーに戻ってもらえればと言う発言を華麗にスルーした。
「スキルのLVは順調に上がってるよ」
「もう少ししたら私たち4人でダンジョンに潜ってみるのも良いかもねー」
「師匠が居たら、10階までは余裕で行けそうだね。所でレナがおとなしいね」
「レナは疲れてるんだよ。最近二人パーティーになったのと、ギルドに行くと、回復魔法を頼まれることがあるからね」
よく見るとレナはうとうとしながらジークに寄りかかっていた。
「俺以外の3人目のメンバーを入れる気はないの?」
「シンが戻ってくるかもしれないからパーティーは増やしていないよ。」
「なんか俺に遠慮してメンバーを増やさない感じになって無い?」
「そんなことは無いよ」
そういってジークの表情が暗くなった。
俺は少し考えた後、
「ダメもとで、新メンバー候補がいないか聞いてみる!!」
そう言って受付の奥の方へと向かった。
「というわけでホーク。相談があるんだ。」
俺は受付嬢をスルーして、奥のギルド長、ジークに話をした。
「おい。何で受付けをスルーしてこっちに来るんだ?美人の受付がいるだろ」
「ホーク。美人だと緊張するから何も気にせずしゃべれるホークのところに来てるんじゃないか。はははははは。」
「お、いい度胸だな。冗談は置いといて、何の用事だ?」
「ロックロットのメンバーが二人だけで足りないんだ。良さそうな人はいないかな?」
「考えてみる。」
ホークはしばらく考え込んでいた。
俺はホークの考えを邪魔しないようにそっとみんなの所へ戻った。
「なんか、ホークにお願いしてみたけど、考え込んでた」
「やっぱり難しいんじゃないかな?」
するとホークがこっちに向かってきた。
「お、アリスか。久しぶりだなー。最近見なかったが、元気にしてたか?」
「元気だったよー。魔物狩りをしてたよー。」
「ってことは、ストレージに魔物が入ってるな。売ってほしいから後で倉庫に来てほしいのと、帰る前に回復魔法をかけてほしいやつが何人もいるんだ。」
「分かったよー。」
「新しいメンバー候補だったな。一人いるぞ。今呼んできたいんだが呼んでいいか?」
「いや、僕の方から出向きますよ」
「そうか、こっちだ。ついてきてくれ。とりあえず試しに何回か一緒にダンジョンに潜ってみて欲しい。相性が悪そうだったら無しにしてもかまわない。」
4人全員で移動した。
レナはさっきコーヒーを飲んで休んでいたためすこし眠気が覚めていたようだった。
「こいつがダンだ。自己紹介やらは後は任せるぞ」
そういってホークは職場に戻っていった。あ、ホーク。今忙しかったんだな。すまないことをした。
ダンが最初に口を開いた。
「さっきも紹介されたダンだ。格闘スキルを持っている。よろしくたのむぜ。みんな。」
「僕はジーク。土魔法のスキルを持っているよ。よろしく頼むよ」
「名前はレナ。水魔法のスキル持ちよ。よろしくね」
「パーティーじゃないかもしれないが、二人も紹介してくれないか?」
「俺はシン。スキルはストレージと健康。よろしく」
「私はアリスだよー。スキルは、秘密だよー。よろしくねー」
良かった。良い人っぽいなー。
俺は心の中で安堵していた。
その顔を見て師匠は笑い出した。
「シンったらもー。一仕事終えたみたいな顔してー。ふふふ、ただ聞きに行ってきただけなのにー。おかしくなっちゃうー」
そういって師匠は爆笑した。
ほかのみんなも笑っていた。
師匠の笑いが収まるまで待って帰ろうとしていたら、ホークが戻ってきた。
「アリス、ヒールを頼む。」
ホークの後ろには、回復待ちの行列が出来ていた。
MPが無くなるまで、師匠はヒールを使うことになった。
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