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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第96話 誘拐とアジト

 先日追い払った冒険者を中心としたゲスい男たちに誘拐された私は馬車に積まれて運ばれている。向かっている方向は職人街だ。たぶんその中の倉庫か住人の住んでいない工房辺りがアジトだろう。


「結構すんなり攫えましたけど、大丈夫ですかね?」


「誰にも見られてないし、監視もなかった。問題ないだろう」


「だんながそういうなら構わねえけど……」


「それより、アジトは確保してあるのか?」


「ありますよ、つい先日潰れた工房を抑えた。闇の奴隷商人も呼んである。あいつに頼んで奴隷にすればこの嬢ちゃんも素直に従うしかなくなるはずですぜ」


「それは、いいな。謝りながら泣きわめく姿が楽しみだ」


(……こいつら本当にクズだな、奴隷商人か……対策が必要ね……)


『フェシー、どうやら闇の奴隷商人がいるらしいけど、どんなやつらなの?』


『闇の奴隷商人ですか……奴らは闇魔法の隷属魔法を使います。これはどの国でも禁止されている魔法で、許可なく使うと死罪です。現在は鉱山などで使われる重犯罪奴隷にだけ使用されています』


『なるほど、私は使われた場合解除できる?』


『可能です。《ディスペル》および《ピュア・マインド》の使用で完全に隷属状態を断ち切れます』


『わかったわ。隷属魔法がかかった状態で命令に背くとどうなるの?』


『極度の頭痛が発生します。逆らい続けると気絶に至りますが、死亡することはありません』


『他に身体的なペナルティはある?』


『いえ、奴隷紋が肌に浮かびますが、解除されると消えます。見つかるとまずいので足の裏に奴隷紋を施すでしょう』


『わかったわ。ありがとう』


 後はアジトで対応するだけね、一度隷属魔法を受け入れてタイミングをみて解除、そして無力化が流れになる。そのタイミングで衛兵に突入してもらえれば一網打尽にできるだろう。


(殺さないようにしないとダメね……どのみち奴隷商人は死罪が確定するけど)


 やがて馬車が止まった。位置を確認すると職人街の大通りからかなり離れた城壁に近い場所だ。周りにもあまり人がいる気配がない。室内に運ばれてベッドの上だと思われるところに投げ出された。麻袋が外されると4人の男たちが見えた。


「ひっひっひっ、お待ちしておりました。このお嬢さんに隷属魔法を掛ければ良いのですか?」


「ああ、たのむ確か奴隷紋が出るんだろ?どこに出るんだ?」


「どこでも大丈夫ですが、見つかるとあなたも死罪です。どこにしますか?」


「そうか、腹か胸にでもつけてやりたかったが……見つからない場所だとどこがある?」


「そうですね、足の裏が一番見つからないでしょう。だいたいのお客はそうしてますから」


「ちっ、しゃーない、足の裏で頼む。金貨5枚だったか?」


「ええ、私たちも危ない橋を渡ってるのでね、その程度のお代はいただけないと……」


「わかった、おい、靴を脱がせろ」


 雇われたと思われる2人が私のブーツを脱がして靴下を剥ぎ取った。奴隷商人がぶつぶつと詠唱を始めた。奴隷商人の詠唱が終わり、魔法を唱えると少し身体が熱くなったが、大きな変化はない。


「これで隷属魔法がかかりました。確認して代金を……」


「よし、解毒薬を飲ませろ。お前は動くなよ命令だ」


 口にポーション瓶を突っ込まれた。不味い解毒薬だ。


(……三級品を使いやがって……)


 飲み終わると身体からしびれが消えた。体を起こして動こうとするとひどい頭痛がした。痛みで顔が歪んでしまう。


「ぐっ、このクズどもめ……」


「ひどい頭痛だろ?言うことを聞かずに動くからだよ、黙ってろ。ちゃんと効いているな、ほらよ代金だ」


 男が奴隷商人とやり取りしている間に、念話で連絡を入れる。


『突入していいわ。相手は4人、足を狙って動けないようにしておくから』


『『ミオ(さん)、大丈夫ですか?』』


 2人の念話が同時に聞こえた。少し長い時間、念話しなかったから心配をかけたようだ。


『大丈夫よ。ヴェニカよろしく、奴隷紋は足の裏よ。突入の合図は任せるわ』


『わかった』


『フェシーは私の姿が見える位置?』


『いいえ、ミオさんは見えません。ですが、窓から4人の男は確認できます。』


『それでいいわ。たぶん無力化したあと、魔法も封じられるから変な動きをしたら追撃をお願い。それと殺さないようにね』


『承知しました』


『では突入するぞ、3、2,1、今』


 扉が破壊される音が響いた。同時に《装填:近》を8発準備して発射する。破壊の音に気を取られた男たちは反応もできずに膝を9mm弾で打ち抜かれた。


「なんだ?「「「ぎゃぁぁーーーー」」」」


 男たちが叫んでいる間に部屋の扉が破壊された。4人の衛兵がすぐに倒れている男たちを取り押さえ拘束していく。そしてヴェニカが入って来た。


(……訓練が行き届いているわね、スムーズに拘束しているわ)


「ミオ、大丈夫か?隷属魔法で動けんか……衛兵、ミオの足の裏の奴隷紋を確認してくれ」


「はい、確認しました。国から禁止されている奴隷紋で間違いありません」


 衛兵が動けない私の足の裏を確認した。私は、隷属魔法を解除してすぐ動けるようになった。私はベッドから起き上がると、床で拘束されている4人の男たちを見下ろした。

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