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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第89話 リデナスタ3日目の夜

 夕方にリデナスタの城門に着いた。列に並び入城する。宿に向かって大通りを考え事をしながら歩いていた。


 2人に話してない違和感は、もう1つある。私が小説の設定を読んで描いた人物が、実在して動いているのがなんとも言えない不快感を生むのだ。自分が想像していた動きと違いすぎるのが原因だろう。そして性格が真逆になっていて、本来の人物と違いすぎるのも拒絶感となっていて、違和感の大きな原因の1つだと考えられる。


 これはある意味自分の感覚の問題だ。なので、この世界は小説から切り離されて独自の方向へ進み始めていると感じている今、放っておいても問題にはならない。ただ、自分が描いた絵と似ているが違うものであると認識することで、不快感や拒絶感を減らすことができる。会わなければ思い出すこともないだろう。


(……ただ、もう1回絡んできて痛い目に遭うのが、異世界ファンタジーのお約束よね……)


『ところでこの念話は、どの程度の距離まで届くの?フェシーと私は無制限みたいだけど……』


『私とミオの間の念話か?さすがに無制限は無理じゃが、この大陸の端と端でも届くと思うぞ』


『結構広範囲なのね』


『私の魔力もそうじゃが、ミオの魔力も相当なものじゃから可能なのだ』





 宿に戻り夕食を食べてから、部屋でまったりとしている。私の手は忙しなく作業をしているが、口と思考は別の事をしている。


「なんか、話しながらでもポーションが作れるようになったわ」


「その話し方と手の動きが合ってないから気持ち悪いぞ」


「気持ち悪いって失礼な……なんか手が勝手に動いてる感じ、意識しないでも作れちゃうのよねぇ」


「むぅ、そろそろ治癒ポーションは100本だぞ、別のポーションにしたらどうだ?」


「そうね、次は体力ポーションを50本ね……話は変わるけど、あの勘違いゲス野郎はもう1回絡んでくると思うのよね」


「あそこまでされてまだ絡んでくるのか?ようわからんやつじゃのう」


「そういうものなのよ、逆恨みってやつね。あの手のタイプは自分が全て正しいと思ってるから、それを否定されるのが我慢できないのよ」


「そんなものなのか、愚かなことだ」


「ところで、外で相変わらず監視をしているけど、放っておいていいの?一晩中いるみたいだし、仕事とはいえなんだか可哀想よ」


「大丈夫じゃろ。交代ぐらいはしとる。それに領主の子飼いじゃ、愚か者が仕掛けてきた時に役に立つかもしれん」


「そうなの?まあ、我慢できる範囲だけど、気分は良くないわね」


「普通じゃ気付かん距離じゃ、そこはあきらめろ。もっと離れるように威圧でもするか?」


「それはそれで可哀想ね、放置しましょう」


 気が付けば体力ポーション50本と魔力ポーション50本が完成していた。私の手はどうなっているのだろうか、ちょっと心配しつつも作業を進めた。


「明日は何をするのじゃ?」


 リデナスタに着いて3日が経過した。目的のほとんどは終わっており、後は工房を借りてそこで作業がしたい。


「そうね、工房付きの貸家を探したいわね……」


「市場調査はいいのか?」


「まあ、大体の感覚はつかめたし、後は生活すればもっと細かくつかめるでしょ。今作ってるポーションと薬を売れば十二分にやっていけるお金が手に入るわ」


「家か……この領都にあるにはあるのだが、ヴェンティス名義だからのう。それに家というより屋敷じゃからな……私がヴェンティスから借りている体にすれば住めなくもないんじゃが……」


「それってどうやるの?手続きが必要でしょ?」


「いや、ヴェンティスの手紙を作って商業ギルドに渡せば良い。ヴェニカに貸すって書けば認められるからな。お金は手数料を除いて差し引きゼロだ。ある程度高額にして商業ギルドに手数料を落としてやれば書類くらい作るじゃろう」


「とりあえず、貸家を探してみようよ。なかったらヴェンティスに借りるってことで、本人が貸すっていうのだから私たちは正規の手続きで借りましょう」


 明日の予定も決まったところで、作成していた最後の避妊薬に蓋をした。これで解毒薬100本と避妊薬100本ができた。商業ギルドで薬師部門に絡まれそうだけど、今日作ったポーションと薬で黙らせればいい。それでも文句を言うなら今後商業ギルドに卸さないだけだ。冒険者ギルドを含めて卸先はたくさんある。


 明日に備えて布団に潜り込んだ。このベッドマットも購入したいから、頑張ってポーションを作らないといけない。


SIDE:リデナ砦の宿屋


「あの女どもぜってぇ許さねえ。俺に恥をかかせやがって!絶対に叩きのめして犯しまくってやる」


「やめなよ、小さい子の方は何とかなっても、綺麗な女の人は逆立ちしても無理よ?あんたも今日それがわかったでしょ?」


「それがどうした。あの小生意気な女を攫えば言うこと聞くだろ。そうすればこっちには手が出せないはずだ」


「ねぇ、もうやめようよ、誘拐は極刑よ。最悪死罪が待ってるわ」


「バレなきゃ大丈夫なんだよ。何とか攫う方法を考えないと……」


(上手くいけば、いい女だし性奴隷として使うのもありだな……)


SIDE:リデナ砦の宿屋(終)

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