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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第87話 リデナ砦

 検証も終えたので、リデナスタの南側にあるリデナ砦に行ってみることにした。ついでに少しポーションを冒険者ギルドに卸せないか相談してみる。ヴェニカから拡張の鞄の報酬として聖銀貨3枚を支払ってもらえる予定ではあるが、それは何かあった時のために置いておきたい。


「へぇ、これがリデナ砦か……完全に要塞ね」


「そうじゃな、リデナ大森林で魔物の氾濫が起こった場合、ここが防衛ライン兼補給基地にもなる。領軍の施設はもちろん、冒険者ギルドや宿屋などの施設も揃っている」


 リデナ大森林での魔物の氾濫を防ぐためには適度な討伐を行い、魔物の間引きが必要らしい。それを領軍だけでなく冒険者も協力して行っている。それにその間引いた魔物の素材がリデナスタの食料や産業を支えている。


 砦の城門でギルドカードを見せて中に入った。中はちょっとした商店街のようになっており、冒険者たちがたくさん歩いている。冒険者ギルドに入ると一瞬静かになり私たちに視線が集まるが、すぐに喧騒が戻った。受付に向かい職員に話しかける。


「すみません。私は薬師のミオと言います。治癒ポーションなどを卸したいのですが相談することは可能でしょうか?」


「はい、責任者を呼びますので少々あちらでお待ちください」


 職員に案内された商談ブースのような所で待っていると、別の女性職員がやってきた。


「お待たせしました。当ギルドのサブマスターでリネットと申します。治癒ポーションなどの納品を行いたいということでよろしいですか?」


「はい、薬師のミオです。可能であればよろしくお願いします」


「卸値は領都のギルドと同じですが構いませんか?」


「ええ、問題ないです」


「わかりました。ギルドカードを確認させてください」


 ポーチからギルドカードを取り出して、リネットさんに見せる。


「ありがとうございます。では、品質の確認をしたいので、治癒ポーションを1本、預からせてください」


 治癒ポーションを1本取り出してリネットさんに渡した。それを受け取ると裏に下がっていった。


「納品するポーションは作ってあるのか?」


「ん?まだないよ、本数を決めてからどっかで作るよ。大量に納品するつもりはないからね、多くても20本ぐらいかな?」


 しばらくしてリネットさんが戻ってきた。


「お待たせしました。品質に問題はありませんでした。何本程度卸していただけますか?」


「そうですね、20本程度なら可能です」


「わかりました。治癒ポーション以外に納品できるポーションや薬はありますか?」


「あまり数はありませんが、体力ポーション、魔力ポーション、解毒薬、避妊薬が納品できます」


「そうですか……体力ポーションと解毒薬をお願いします」


「それぞれ5本ずつしかありませんがいいですか?」


「はい、解毒薬がもっと欲しい所ですが、それで構いません」


「わかりました。少し準備をしたいので、部屋を貸していただくことはできませんか?」


「ええ、大丈夫です。こちらにどうぞ……ご自由にお使いください。終わりましたら声をかけてください」


 案内されて個室にやってきた。リネットさんが退室したので、さっさとポーションを作ってしまう。ポーション瓶に水を入れて、薬草を挿して、製薬魔法。1本ずつしか作れないが、製薬の短縮はできた。10分程度ですべてのポーションが完成した。


 ポーションケースを持って受付に向かう。リネットさんを見つけて声をかけた。


「準備ができたので持ってきました。確認をお願いします」


「ありがとうございます。確認させていただきますね」


 ポーションケースを持って裏に下がっていった。


「さらに製薬のスピードが上がったのう。あのやり方は反則だと思うんじゃが……」


「安定して作れたら方法はなんでもいいのよ、効率化、効率化」


 リネットさんはポーションケースと小さな革袋を持って戻ってきた。


「治癒ポーション20本、体力ポーション5本、解毒薬5本を確認しました。全部で66,000シルになります。ご確認ください」


 渡された革袋の中身を確認する。確かに66,000シルが入っていた。


『この革袋は返すの?それとも受け取るの?』


『どっちでも構わない』


「確認しました。こちらはお返ししますね」


 中身を取り出してポーチにしまい、革袋をリネットさんに返却した。取引はこれで終了だ。


「ありがとうございます。今、領都では全体的にポーションや薬が不足気味です。領都のギルドでも良いので納品をお願いします」


「わかりました。これで失礼します」


 そう言って冒険者ギルドの外に出た。ポーション不足の原因を聞いても良かったのだが、下手に納品を迫られても困る。そこまで頻繁に納品をしたくない。


「こうやって少しずつ納品していくつもりか?」


「そうですね、今日は少量でしたけど、もう少し期間を置いて100本以内での納品を繰り返す感じですかね。後は商業ギルド次第かと……」


 製薬も大事だが、やはり研究をしたい気持ちの方が大きいので、適度な納品にとどめるつもりだ。


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