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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第74話 検査と職業の登録

 商業ギルドで登録の手続きを待っている。すでに20分程度が経過した。ギルドの内部は喧騒に包まれており、人が忙しなく動いている。見かけるのは人種と獣人種で、他の種族は見当たらない。まあ魔族種は、見た目は人種とほぼ変わりがないので、もしかしたらいたのかもしれない。


「お待たせいたしました。27番の番号札をお持ちの方、こちらにお越しください」


 先ほどの職員に呼ばれた。ソファーから立ち上がり、受付へ向かう。番号札を渡すと、周りから少し遮られている。商談スペースに案内された。


「こちらが、登録用の書類になります。お名前と職業をお書きください」


 少し分厚いが、普通の紙だ。まだ羊皮紙が使われているのかと思ってたけど、すでに植物を使った紙が存在していた。羊皮紙を持っている人も見かけたので、両方を使っているのだろう。


 羽ペンにインクを付けて名前を書く。「ミオ」でいいだろう。職業は「薬師」とした。ヴェニカも名前を書き、職業に「行商人」と書いている。


「書き終わりましたね、それぞれの担当を呼んできます。2人同時で構いませんか?」


「それでいい、そっちの方が話が早いからな」


「かしこまりました。少々お待ちください」


 職員が書類を回収して、下がっていった。しばらくすると70歳くらいだろうか上品な衣装に身を包んだ老婦人と、それより若いが、貫禄のある老紳士が現れた。


『ギルドマスターじゃ、やっぱり面倒なことになったわい』


(……フラグ回収乙……まあヴェニカがいる時点で、面倒ごとは避けられないか……)


『どちらがギルドマスターですか?』


『男の方じゃ、女の方は知らん』


 2人が私たちの正面の席に着くと老紳士が話し始めた。


「ヴェンティス様、お待たせいたしました」


「だから違うと言っておるだろうが、私がヴェニカ、ここにいるミオの従姉じゃ」


「……改めまして、当商業ギルドのマスターを務めております、セルヴァリオと申します。以後お見知りおきを」


「私は、薬師管理官代表のレティシアスといいます。よろしくお願いするわね」


「私はミオといいます。よろしくお願いします」


「ヴェニカじゃ」


(……その態度よ……)


「最初にミオさんから、私たちに見せられるポーションは持ってきたかしら?」


「はい、あります」


 ポーチを魔力を使わずに開ける。中から6本のポーション瓶を取り出した。治癒ポーション2本と体力ポーション、魔力ポーション、解毒薬、避妊薬それぞれ1本だ。全て二級品でそろえてある。


「あら、避妊薬まであるのね、一度検査するのでお預かりしても?」


「ええ、構いません」


 レティシアスさんがポーションと薬を持って検査に行った。


「さて、ヴェニカさん行商人ということですが、何をお売りになるのですか?」


 ヴェニカは床に置いてあったケースの蓋を開けてテーブルに乗せた。


「このポーションと薬を売るつもりじゃ。これはミオが作ったもので、さっき検査に持っていったものと同じ物じゃ」


「なるほど、売るものと仕入れ先が両方揃っているのですね、それなら行商人として問題ないでしょう。ミオさんの検査結果次第となりますが……」


「じゃろうな……」


(すでに何かの駆け引きが始まってるんだろうけど……興味ないな……)


 沈黙の時間が続いている。さっさと終わらせて買い物に行きたい。沈黙が続く中、レティシアスさんがポーションと薬を持って戻ってきた。そしてギルドマスターに何かを渡している。


「全て問題ない製品でした。きちんと製薬されていますね、若いのに立派です」


 そう言ってテーブルにポーションと薬を並べた。


「さて、登録に移ろうか、レティシアスさん登録用の魔道具と新規のカードを2枚持ってくるように職員に伝えてもらえるか?貴女に伝言を頼むのは、少々気が引けるが……」


「あら、構いませんことよ、ギルドマスターの指示ですから。それじゃミオさん頑張ってくださいね。またお会いしましょう。失礼するわね」


「はい、ありがとうございました」


 ニコっと笑って、レティシアスさんは去っていった。


 職員が箱のようなものと、先ほど提出した書類、銀色に輝くカードを持ってきた。箱を私たちの前に置き、カードを手渡された。


「説明しますね、これはカード発行用の魔道具です。書類はこちらでセットします。そうしたら、カードをここに差し込んでください。そして箱の上にある魔石に魔力を注いでください。数秒でカードが排出されますので受け取って内容を確認してください、ではミオさんからどうぞ」


(ギルドマスターは何でまだいるんだろう?忙しくないのかな?)


「あ、はい」


 職員が書類をセットしたのを確認してカードを差し込んだ。すっと中に引き込まれていった。箱の上にある魔石に魔力を注入する。いつもやっている作業なので慣れたものだった。


 数秒後、先ほどカードを差し込んだ場所から、カードが戻ってきた。引き抜いてみたが、特に変わった様子はない。確か魔力を流すと内容が見えるはずだ。私は静かにカードに魔力を流した。


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