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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第72話 高級宿の衛生管理

 満腹のお腹をさすりながら部屋に戻った。着替える時にベッドに座ったからわかっていたのだが、ベッドが柔らかい。普通に日本にもありそうなベッドだった。このベッドマットが欲しい。シェルターでこのマットが使えればぐっすり眠れるだろう。マットレスに魔力視眼を使ってみる。




【ウールマットレス】

 フォレストシープの毛を凝縮して作った高級品、保温性と耐久性が高い。

 非常に高価で、高級宿や貴族、富裕層が使用している。




 おお、高級品だ。今は無理そうだが、何とか手に入れたいものだ。枕もフカフカだ。枕を抱いてベッドの上をゴロゴロしてしまう。


「さて、明日の予定でも話そうかのう」


「そうですね~、でも少し待ってください、お手洗いに行ってきます」


「ああ、わかった」


 部屋を出てお手洗いに向かう。各部屋にトイレはついておらず、フロアごとに1か所にまとめて作られている。集中下水システムなんてないだろうから、仕方がないことだ。普通の宿であれば1階に共同トイレがあるくらいで、2階以上にトイレがある宿は確実に高級宿になるらしい。


 宿の一番奥の廊下に複数の扉がずらりと並んでいる。全部で10か所以上ある。部屋と同じ番号が書かれたトイレに入る。ちなみに「212」だ。用を足す場所は、和式便所のような形をしており、しゃがんで使用するようになっていた。中は太いパイプのようなものが、下の方につながっている。1階にもトイレがあるので地下に処理設備があるのだろう。臭いもなく清潔なトイレだ。


 中のパイプには常に少量の水が流れておりパイプの壁を常に濡らしている。これで臭いを抑えたり、汚れを付きにくくしているのだろう。構造を探るために《ウィンドソナー》を発動する。予想通り地下まで続いており、その施設の底でうごめいている存在があった。


「ああ、スライムか……なるほど、全てのトイレからパイプを伸ばしてスライムのいる排泄タンクにつなげているのね」


 スライムは雑食性というかなんでも食べる。どこにでも生息し、動物の死骸や排泄物などを好んで捕食する。そのため掃除屋とも呼ばれる。


 考察を終えて、用を足して部屋に帰った。《ウォッシュシャワー》も《ウォッシュシャワー・ビデ》もちゃんと使えたので問題なかった。


「もどったわ。待たせてごめんね」


「かまわんかまわん」


「明日は、まず商業ギルドに行って2人の登録をする。その後は冒険者ギルドでフェシーの登録ね、そこから先は決めてないわ」


「そうじゃな、そのワンピースの上に着れる胴衣を探そう。いざというときの守りにもなるし、旅装の一部としても使える。あとベルトも買おう。剣帯だとワンピースに合わん。ダガーは外しているが後ろのナイフはそのままだろ?ポーチが必要なのはわかるが、さすがにそれで外を歩くのは……」


「でも、最低でもナイフが欲しいわ。ポーチから手に出してもいいけど、不自然よね?」


「そうだな、サイホルスターでもつけるか?」


「サイホルスター?」


「太もも部分に着けるナイフケースだ。ただワンピースの丈が長いから少し工夫がいるな……あとは普段使いの肩掛け鞄を買おう。ポーチからの出し入れを誤魔化すためにも必要だろ?」


「それはそうね、でも普通のベルト後ろ部分にナイフケースを着けたらダメなの?」


「それでも良いんじゃが、それだと冒険者の休日に勘違いされる。あくまで一般人のふりをしたいのじゃろ?そうなると装備が見えないサイホルスターになるわけじゃ」


「確かにそうね。旅装の時はともかく、普段から武器を持ち歩くのは、冒険者か傭兵くらいね……」


『ミオさんは、《ソニックバレット》があるので、護身用のナイフはいらないのでは?』


「いや、そうなんだけど、何かあったときにナイフって便利じゃない?」


「なんじゃその《ソニックバレット》とは?」


『ミオさん専用の魔法です。一番強力なものは、ヴェニカの鱗も貫通するかもしれませんよ?』


「さすがに無理じゃろ。そんなに柔な鱗ではないぞ?興味があるな、後日で良いから見せてくれ」


「まあ見せるのは構いませんよ。今日のところはこんなものですかね?」


「そうじゃな、私もトイレへ行ってくる。《ウォッシュシャワー》や《ウォッシュシャワー・ビデ》は使えるか?」


「ちゃんと使えましたよ。少し位置の調整が必要だけど、ヴェニカなら問題ないでしょ」


「ああ、大丈夫だ」


 そう言ってヴェニカは、部屋を出ていった。さっきから部屋の外でこちらをうかがっている者がいる。念のため《マジックソナー》を使った時に気が付いた。ヴェニカとフェシーが何も言わないので放置している。2人が気付かないはずがないから問題視していないのだろう。


SIDE:領主館


「なぜ、ヴェンティス様はこちらに来ないのだ?」


「それはわたくしにもわかりかねます」


「使いの者は出したのか?」


「いえ、報告が1日のまとめの中にあったので、気が付いたのは先ほどです。夜に使いを出すのは失礼なので、一応監視の者を派遣しました。それにヴェンティス様はヴェニカと名乗ったようなので、本人か確認するためにも様子を見ようかと考えております」


「わかった。何かあれば報告を頼む」


SIDE:領主館(終)


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