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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第67話 洗濯魔法

 ヴェニカから貰った端切れを洗濯の魔法で綺麗にする検証を行っている。イメージは固まったので実際に使ってみることにした。名前は《クリーンウォッシュ》に決めた。


「クリーンウォッシュ」


 端切れを観察していると徐々に汚れがなくなっていく。ヴェニカも興味津々で覗き込んでいる。汚れがほとんどなくなっても魔法の効果が切れずに、布もボロボロになっていった。


「失敗ね……布の繊維まで分解したら意味がないわ、原因として考えられるのは繊維の間に入った汚れを分解するときに、繊維そのものを分解していると思うの」


『そうですね、ミクロの汚れは、繊維内部にも溜まっています。それを汚れと認識して繊維を分解してる可能性は高いですね』


「私にはよくわからんのじゃ」


 そうなるとミクロ単位まで解像度を上げて分解するか、繊維の中から汚れを抽出して分解するかの2択になる。洗濯洗剤は繊維に浸透して汚れを引きはがしている。これは汚れを抽出することに似ている。そうなると「繊維の中から汚れを抽出して分解する」が正解になるだろう。一応ミクロの汚れもイメージに入れて、繊維の中から抽出分解するイメージを追加した。ついでに染色成分は汚れとしないイメージも入れておく。


「もう1枚貰える?」


「いくらでもあるから、好きなだけ実験すればよい」


 今度の布は少しアンモニア臭がする。これは使用済みのやつだろう……まあこの臭いまで取れれば洗濯魔法が成功したことになる。


「クリーンウォッシュ」


 先ほどと同じように汚れが落ちていき、布は真っ白になった。先ほどまでしていたアンモニア臭も綺麗になくなっている。


「うまくいったようね、これで手間な洗濯をしなくて良くなるわ。着たままできるのかしら?いえ、もう少し検証してからにしよう」


 今持っている下着は貴重なものだ。失敗して分解されてしまうのは困る。リデナスタで古着などを買って試してからでも遅くない。


「なら私のパンツを洗濯してくれ、いっぱいあるから検証し放題だぞ」


「どのくらいあるんですか?」


「そうじゃな、100枚は超えてるはずじゃ」


(どんだけ溜めこんでるんだよ、このズボラドラゴンは……まあそれだけあれば何枚か分解してしまっても問題ないか……)


「何枚か出してくれる?できれば汚れているほうがいいわ」


「わかった。汚いやつを10枚くらいだそう」


 そう言ってテーブルの上にパンツをバサバサと出した。汚れていると言っているのは嘘ではなかった。アンモニア臭もするし経血の臭いも混ざっている。見た目も血がついているものや、分泌物がついているものもある。


(これを出される洗濯屋は、不憫ね……)


「本当に汚れているわね、でも女性特有の汚れがあるのは良い検証になるわ」


 面倒なので、一気に《クリーンウォッシュ》を掛けた。すぐに綺麗になっていき、臭いもなくなる。見た目でわかる血の汚れも残らず綺麗になった。最後に浄化する魔法も組み込んでおこう。これである程度、除菌も出来るだろう。


「おお、綺麗になった。血の汚れは洗濯屋によく断られるのじゃ、それがここまで綺麗になるのはありがたい。パンツの枚数が減らせる」


「そう……いま、箱を作るから全部だして。いらないパンツは、捨てるなり何か別のことに使うなりすればいいわ、端切れも出していいからね」


 そう言って床に土の箱を作り出す。


「わかったのじゃ」


 ヴェニカが箱の中にパンツを含めた布製品をどんどん出している。パンツはほとんどが血のついたものだった。


(断られたパンツを全部溜めこんでいたのか……捨てりゃいいのに……)


「これで全部じゃ」


 箱には山盛りのパンツが入っている。臭いもだいぶひどい。さっさと洗濯してしまおう。


「クリーンウォッシュ」


 数秒かかったがすべてのパンツや端切れが綺麗になった。一応、軽く確認しながらヴェニカに渡していく。ヴェニカはニコニコしながら畳んでしまっている。


(……畳むなんて、変なところは几帳面ね……)


「ミオ、ありがとう。邪魔だった洗濯物が片付いた」


「ええ、どういたしまして。それと月の物が来た時に何か対策はしてるの?」


「ああ、パンツに端切れを挟んどる。全部は無理じゃがある程度は抑えられるからな」


「そう、それ用の布をあげるわ。月の物が来たら教えて」


「わかったのじゃ」


 私が持っている布ナプキンを数枚あげることにした。洗濯魔法があれば数枚あれば十分に回せるだろう。なんだかお母さんになった気分になってしまった。


「洗濯の問題も解決したし、ついでにヴェニカのパンツ問題も解決したわね。他になければ今日は寝ましょう。フェシー、たぶん大丈夫だと思うけど、明日の朝、3刻(午前6時)になっても起きてこなかったら起こして」


『承知しました。ヴェニカはどうします?』


「私はミオが起きれば気づくから大丈夫じゃ」


『承知しました』


「フェシー、ヴェニカ、おやすみなさい」


「おやすみ」


『おやすみなさいませ』


 2人に挨拶をして寝室に入った。バックパックから毛布を取り出して、《クリーンウォッシュ》をかける。それに包まり私は眠りについた。


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