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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第66話 ポーションと洗濯

 私は今ポーションの二級品を量産している。領域でさんざん製薬してきたので、そのスピードはヴェニカも驚愕するものだった。しかし、必ず1本ずつ作らなければならないのがネックで、複数本分をまとめて作ろうとすると失敗する。これもそのうち解決したいところだ。


「ヴェニカ、治癒ポーションが50本出来たわよ」


「やっぱり早いのう。どれ……」


 ヴェニカはじっとケースに並んだ治癒ポーションを見ている。品質まで見られるってことは、私みたいな魔力視眼なのだろうか?


「ところで、ヴェニカはポーションの情報をどこまで見られているの?」


「ん?名前と品質だけじゃ、本来は名前だけじゃが、魔力でごり押しすれば品質くらいまでは見られる。あまりお勧めはせんがのう」


「どうして?」


「目が疲れる。私はドラゴンじゃからそれで済むのじゃが、人種がやると最悪失明しかねん。ミオはやるなよ」


『ミオさん、ヴェニカの言っていることは合っています。魔力が眼球内で暴走して失明する可能性があります。普通に使っている分には問題ありませんが……決して無理はしないようにしてください』


「わかってるわ。私も失明はしたくないもの」


 そう言いながら手は作業を続けており、体力ポーションを黙々と作っている。ここまでくると、自分がロボットにでもなった気分だ。すべてのポーションと薬が完成した。


「全部出来たわね、ヴェニカ問題ない?」


「問題ないのじゃ、準備は完璧じゃな。ところでミオが《ドライ》という魔法を使っておったが、あれは何じゃ?私は聞いたことがないぞ」


『最近登録された生活魔法です。たぶん物好きな一部のドラゴンは気が付いていると思いますが、人々は知る手段がないので無理でしょうね……』


「その言い方だと、もしやミオが開発したのか?」


『ええ、その通りです。彼女の世界ではものの理が多くが解明されています。その知識で《ドライ》を開発しました』


「その世界の情報は私に共有することはできるか?」


『さすがに許可がないと無理ですね……私からは連絡できませんが、ヴェニカなら連絡手段を知っているのでは?』


「うーん、爺どもを通さんといかんから無理じゃな、あやつらに知られると碌なことをせんからな……」


「その、爺どもとは?ヴェニカもかなり長い年月を生きてますよね、そのヴェニカに爺と言われる存在って……」


「ああ、私の上に3匹ほどおる。一番年上は確か25000年くらい生きておる。次の2匹が20000年じゃな、後は私を含めて12000年から18000年が7匹おる。その7匹の中で私が一番上じゃ、まあ3匹に次ぐばばあじゃな」


 何か時間の感覚が違う。私と一緒に行動するのも、ヴェニカにとっては一瞬なのだろう。少し寂しい気もするが、それがエンシェントドラゴンという悠久を生きる存在なのだろうと思う。


「ヴェニカに相談なんだけど、洗濯を何とかしたいんだよね。そこまで時間はかからないけど、何日かに1回はしないとだめでしょ?上手く汚れだけを分解して取り除くことはできないかしら?」


「うーん、答えにくい質問じゃな。見てわかると思うが、ドラゴンは基本的に大雑把なのじゃ。ドラゴンの姿だと鱗の間に虫が湧くことがあるんじゃが、私らはこの虫をマグマに浸かって焼き殺す。ドラゴンとてマグマに浸かれば火傷する。10分浸かれば溶けて死んでしまうが、それでも1分ほど浸かって虫を殺すんじゃ。大雑把じゃろ?

 だからそういった細かい魔法は覚えんのじゃ、人種の姿での洗濯は金で解決することも可能じゃから」


『ミオさん、聞く人を間違えていますよ……細かい魔法は人種の方が得意です。ミオさんがさっき言ってた分解あたりがヒントになるのでは?』


「そうねぇ、衣服や下着の汚れってなんだろ?まず砂や埃による外部的な汚れよね、それから皮脂や分泌物による内部的な汚れになるのかな?その中に油性と水溶性、不溶性の汚れに分けられるはず……」


「難しく考えるんだのう。洗濯屋に出してしまえば解決じゃろうて」


「そうなんだけど、私の下着は特殊なのよ……ヴェニカには見せてあげるわ」


 ポーチからショーツとブラジャーを出してヴェニカに見せる。ヴェニカはそれを手に取ってじっくり眺めている。


「ふむ、この世界にはない素材じゃな、伸び縮みする素材もわからんな……こっちはこんなに小さな金属がついておる。これも今の技術では不可能じゃ、古代文明であればあるいは……確かにこれは表に出すことはできんな……」


「そういうわけなの、だから洗濯の魔法を考えたいのよねぇ」


 イメージ勝負でやってみることにする。1つ1つの汚れを種類別に分解するのでは効率が悪い。すべての汚れを分解して、消してしまうイメージを固める。


「ヴェニカ、なにか無くなっても良い、端切れとかある?」


「あるぞ、オシッコを拭く端切れがある。心配するなまだ使っとらん」


 ヴェニカから端切れを受け取る。本当に使ってないのかな?結構汚れているが……まあこれが綺麗になれば成功したということになるだろう。


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