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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第65話 ヴェニカの身分証

 着替えも済んで落ち着いたので、昨日と同じようにカモミールを使ってハーブティーを淹れる。鍋にお湯を入れて適当に乾燥したカモミールを入れる。皿で蓋をして5分ほど蒸らせば完成だ。私のマグカップと、ヴェニカのコップに注ぐ。


「お茶をいれたわ。ヴェニカもどうぞ」


「おお、ありがとう。ミオはいい嫁になるだろうよ」


 私の顔が少し赤くなった。相手もいないし今のところ結婚をするつもりもない。ちらっとフェシーを見てしまう。頭を少し振って椅子に座った。ハーブティーを少し飲んで話し始める。


「明日の予定だけど、このまま北に進めば街道に突き当たるのよね?」


『はい、順調に進んでいるので、昼前には街道に出るでしょう』


「街道に出る前に少し休憩するつもり、それから街道沿いに領都のリデナスタを目指すわ。どのくらいで着くかな?」


『そうですね、北に向かうときに少し東寄りに進めば、夕方までには着けると思います。夕方なので城門は少し混んでいるかもしれませんが、中に入って宿をとる程度の時間はあるでしょう』


「宿なら私が知っておる。そこでいいだろう」


「あまり高くないところがいいけど……ヴェニカが泊るところだから結構高いのでしょ?」


「そうだな、私が泊るのはいい部屋で金貨1枚だった。じゃがランクを落とせば大銀貨1枚の部屋もあるぞ」


「その部屋で十分よ、金貨1枚、100,000シルもする部屋があるなら、ランクを落としても十分高級宿でしょ?」


「そうだな、冒険者どもは基本、小銀貨2、3枚の安宿じゃから、高級宿と言えば高級宿になるのう」


「わかったわ。女だけだし、安宿に泊まって変なトラブルに巻き込まれるのも嫌だからそこにするわ」


「ところで、ヴェニカは身分証をどうするの?冒険者ギルドのカードは使えないわよ?」


「ミオと一緒に商業ギルドで作るとしよう。職業は何にするかのう……」


『ヴェニカは行商人か傭兵でいいと思いますよ?ただ傭兵だと変な依頼があるかもしれないので、行商人ですかね?』


「行商人?何を売るのじゃ?私の鱗は行商人では扱いきれんぞ?」


『そんなもの売りません。ミオさんが作ったポーションで良いのでは?ミオさんのポーションなら十二分に稼ぎになりますし、実際に売らなくても身分さえ手に入れば問題ないので……』


「なるほど、実際に売るものが決まっているのなら行商人になるのは簡単じゃな、ミオ、おぬしが作ったポーションを見せてもらえるか?さっき飲んでたやつじゃろ?」


「私専用の……いえ、私たち専用の特殊なポーションだけどいい?」


「専用?とにかく見せてみるんじゃ」


 ポーチから各種ポーションを取り出して机の上に並べた。治癒ポーション、体力ポーション、魔力ポーション、解毒薬、避妊薬の5種類だ。ヴェニカはじっとポーションを見ている。


「なんじゃこりゃ?特級品なんぞ見たことがない。ミオはこんなものが作れるのか?」


「だから私たち専用なのよ。これと同等の品を売るつもりはないよ」


「じゃろうな、品質を落としたものは何本程度、どのくらいの時間で作れる?」


「ポーション瓶が1,000本しかないから、最大1,000本ね。時間は、封入に少し手間がかかるから、1本30秒として……1時間じゃなくて、半刻で100本といったところかしら?」


「そんなにいらん。驚異的なスピードじゃな……一応、ギルドに見せるための二級品あたりはつくれるか?そうじゃな、治癒ポーション50本、体力ポーションと魔力ポーションが10本ずつ、解毒薬が20本、避妊薬が10本の計100本でどうじゃ?」


「いいわよ、寝る前に作るわ。ポーションケースはある?」


「運搬用のケースがあったはずじゃ、100本入るからそれでええじゃろ」


 ヴェニカは机の上にポーション運搬用ケースを取り出した。背負えるようになっており、中にポーション瓶を納める枠があった。


「とりあえず。二級品を1本ずつ作ってもらってよいか?一応飲んで確認はしたいのでな」


 私は頷いて必要な薬草とビーカー、ポーション瓶を取り出して作業を始める。慣れた物なので、すぐに二級品のポーションと薬が計5種類できた。


「3分もかかっておらんではないか……薬作りに詳しくはないが、普通、水につけた薬草が消えて無くなったりはせんぞ……」


 そう言って完成したポーションと薬を1本ずつ確認している。


「確かに全部二級品じゃな、どれ味は……」


 ヴェニカは治癒ポーションの蓋を開けて一気に飲み干した。


「ほう、苦味はあるがえぐ味はないのう。二級品でこの味なら問題ない」


 すべての種類のポーションと解毒薬、避妊薬を1本ずつ飲み干した。


「全て問題ないのう、えぐ味が無いのは飲みやすくていい、これは飛ぶように売れるぞ……忙しいのは嫌じゃから売らんけど……」


「ヴェニカが問題というなら大丈夫ね、私も提出用の二級品は持ってるから、それを売るって言えばいいわ。そしてヴェニカが持ってる100本を見せれば問題なさそうね」


 これでギルドに登録する目途がたった。私は薬師、ヴェニカは私の作ったポーションと薬を売る行商人だ。


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