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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第62話 トイレと魔法の登録

 トイレの前でヴェニカに使い方を説明する。とはいえ、下着を脱いで座って用を足すだけなので難しくない。でも後始末をする魔法を上手く教えることができない。


「フェシー、《ウォッシュシャワー・ビデ》と《水分除去》を教えたいのだけど、何か方法はある?」


『先ほどヴェニカが言っていたのを耳にしたと思いますが、登録することが可能です。登録の仕方は、【魔法名】、【登録者】、【範囲】を順番に宣言し、最後に「この魔法を登録する」と言ってください。構築手順に則した魔法であれば登録されます。範囲についてですが、全体から個人まで指定できます。今回に限って言えば、範囲をヴェニカ個人にすれば良いと思います』


 原初魔法の登録ってそういうことだったのか……なるほど、私が使った古代の《エングレイブ・サーキット》なども登録されているから使えるだろう。


「ヴェニカさん、少し待ってください。魔法を登録します」


「「さん」はいらん、ヴェニカでいい。早う使いたいから早うせい」


「《ウォッシュシャワー・ビデ》、ミオ・カンザキ、「ヴェンティス・エメラルダ」のみで、この魔法を登録する」


【登録が完了しました】


 脳内に聞いたことがない声が響いた。今は気にせずに《水分除去》を登録する。一応《ウォッシュシャワー》も登録しておく。


「まずヴェニカに質問です。今は人種になっていますが、体の構造も人種と同じですか?」


「ん?全て同じじゃぞ、この姿なら人種の子供も孕めるぞ、試したことはないがな……」


「そうですか、なら問題ないですね……下着を脱いで、そのトイレに座ります。用を足して終わったら、後始末として《ウォッシュシャワー・ビデ》を使用してください。デリケートゾーンが綺麗になったと思ったら魔法を止めて、次に《水分除去》を使用します。これは自動的に終わります。そしたら身なりを整えて終わりです。わからなければ念話で聞いてください。」


 最初は無茶しないか監視しても良いかと思ったが、さすがに他人の用足しを見るのは気が引ける。ドラゴンだから気にしないかもしれない、一度居室に戻って椅子に座る。念話もあるし、振り向けば見えるので気にしない。


「フェシー、他の原初魔法も登録した方がいいの?登録基準などがわからないのだけど……」


『特に基準はありませんね、古代ではなるべく登録する。ですが危険なものは登録しない。といった暗黙のルールがありましたが、すでに原初魔法、オリジナル魔法の使い手は、ドラゴン以外いなくなりました。ドラゴンも稀に登録しているようですが、人には関係ない魔法が多いですね。ミオさんの魔法は先ほどのようにヴェニカに必要になった場合だけで良いと思いますよ』


「なるほど……」


 突然、トイレから嬌声が聞こえてきた。


「おほぉ~~~なんじゃこれぇ~~きもちえぇぇ~~おひぃ~~おっ、あっ……」


「……」


『……』


「その登録された魔法を閲覧する方法はあるの?」


『ありますが、魔導具になります。基本的には、その魔導具を手に入れた者しか見ることができません。古代文明では、役所に行くと閲覧ができたのですけど、今はそんな場所はないので難しいです。ダンジョンで見つかるかもしれませんが、現実的ではありませんね……』


「私が、フェシーに一覧を聞くのも……まあ何らかの制限がありそうね、具体的な効果を指定して聞くとかしないと答えられないとか……」


『ご推察通りです。なので、「魔法閲覧の魔導具」を見つけるしかありません。ただし、効果までは載っていないので注意する必要があります』


「見つかる気はしないけど、覚えておくわ」


 ヴェニカがトイレから戻ってきた。足首に紐パンが引っかかっている。


「なんじゃあれ、すごく気持ちよかったぞ、危うく果ててしまうところじゃったわい」


「そうですか……下着くらいは履いてから戻ってきてください」


「あ、忘れとった」


 ヴェニカはその場でパンツを履いて紐を結んでいた。ドラゴン自由すぎる。


「すぐに乾く《水分除去》も良かったぞ、あれはドラゴンの姿でも応用できる。よい魔法を教えてくれた、お礼にドラゴンブレ……」


 最後まで言わせずに言葉を挟む。


「結構です。人がブレスを吐くのは不自然すぎます」


 ヴェニカがトイレの水を流していないことに気が付いたので流しに行く。ヴェニカにも用を足し終えたら貯水タンクの8分目まで水を入れるように言っておいた。水が流れていく様子をヴェニカが楽しそうに見ているのが印象的だった。


「ヴェニカは人種の姿になっていますが、食べる量などは変わるのですか?」


「食べる量は、普通の人種と変わらん。ドラゴンの姿だと、逆に食べる量は減る。ほぼ食べなくても魔力のみで生きていけるからな」


「なるほど、そうなると排泄なんかも人種と同じと推測できますね……」


「なんじゃ?ウンチか?普通にするぞ」


「わかりました。排水タンクの設備を倍にしておきます……」


 私も用を足してから、出発の準備に取り掛かった。初めて実用した《ウォッシュシャワー》もきちんと動作したとだけ言っておこう。


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