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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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第6話 魔法の検証(生活魔法・ライト / ウォータ)

 別の世界から来た私にも【魔法】が使えることが分かった。まだ【生活魔法】の《ライト》しか試していない。それでも地球ではありえない未知の現象を自分で行使できるのは楽しいものがある。


 ひたすら《ライト》を使って検証を続ける。光の強さは電球色の読書灯程度にしてみた。発動時にイメージすれば色を変えることが出来るとわかっている。他にも自分から半径にして大体1mくらいまでの距離であれば発動する。そして複数個の《ライト》を同時に使用することが可能であることが分かった。


 今は頭の上に室内灯のような昼白色の《ライト》を発動し、手もとに読書灯の《ライト》を展開している。何度も試すことで通常の使い方であればほぼ完全に制御できている。


 すでに辺りは薄暗くなってきている。何時間も連続ではないにせよ《ライト》を使っているが、魔力が減った感じや体が重くなるような怠《だる》さを感じていない。それに検証している間は歩くなど軽い運動を続けている状態だったが、足が疲れたという感じもなかった。地球に居た頃の私であれば1時間も歩いたら運動不足なのですぐにへとへとになっている。


(この小屋というか『領域』に居るからなのかもしれないけど……ただ自分の魔力を使用しているって感覚だけはあるのよね……)


 このまま検証を続けても良いが、暗くなってきたし小屋に戻ることにする。《ライト》を浮かべたまま小屋の扉をくぐると、《ライト》は扉の上の壁をすり抜けてきた。玄関部分の部屋が明るく照らされた。出る時より道具類がよく見える。


 各部屋の照明はランプを使用しているのであまり明るくない。この《ライト》があれば部屋の細部まで明るくなるだろう。


 寝室に戻ってベッドに腰掛ける。空腹感も無ければ眠気もない、このまま本で【魔法】について細かく調べても良いけど、いったん整理するために眠ることにした。上部の《ライト》を常夜灯に切り替え、手もとの読書灯を消す。横になり瞼を閉じると自然に寝入ることが出来た。




 目を開けると窓から朝日が差し込んでいる。今更ながらに気が付いたがこの窓は南向きだった。昨日の夜に発動した常夜灯の《ライト》は今も点灯していた。睡眠状態であっても《ライト》は維持されるようだ。この小屋にある本には不思議な力がある。私はベッドから起き上がり机に移動した。本を開くと疑問に思っていたことの回答が書いてあった。




【魔法の魔力量と持続性】

 【生活魔法】は発動時にその【魔法】で必要になる量の【魔力】を消費します。

 『光』であればその明るさに応じた量、『火』であればその火力に応じた量、『水』であればその質量に応じた量です。

 持続時間は【魔法】により性質が変わります。

 『光』は半永久的に持続が可能です。空気中の『魔素』を『魔力』に変換して持続されます。ただし変換する際に使用者の【魔力】を僅かですが消費します。

 『火』は『光』と同じ仕組みで持続されますが、変換する火力に応じた魔力量が必要です。そのため使用者の魔力量に依存します。

 『水』に持続性はありません。




 本を閉じて考える。この後【生活魔法】の《ファイヤ》と《ウォータ》は試すとして、属性魔法の疑問を考えながらもう一度本を開いた。




【属性魔法の詳細は使用してから聞いて下さい。】

 現在開示できる情報はありません。またのご利用をお待ちしております。




(ですよね……)


 「またのご利用」は癪に障るが、私がある程度使用してから質問しないと回答されることはないらしい。気を取り直してキッチンに向かった。


 食器棚からカップを取り出す。陶器製のマグカップだ。別の棚には形がいびつな木製のカップもある。普通に考えれば地球のマグカップとこの世界のカップだろう。


(このマグカップに水を出せれば《ウォータ》は成功かな?)


 《ライト》と同じ要領で魔力を集めて、マグカップ1杯分の飲料水をイメージする。そして小さくキーワードを呟いた。


「ウォータ」


 マグカップの中に静かに水が満たされた。本によれば普通に飲める水が出るようなことが書いてあった。ただ癖なのか、マグカップを持って水場に行き、臭いを嗅ぎ少量の水を含み排水口に吐き出す。一連の行為としてやってしまう。常温であるが普通に飲みなれている軟水の美味しい水だ。残った水を排水口に廃棄する。


(光は明るさを変えられたけど、水は何か変化をつけることが可能なのだろうか?)


 試しに水道水をイメージしてみる。さっきは飲料水として考えたのでどちらかというとミネラルウォーターがイメージのもとだ。


「ウォータ」


 手に持ったマグカップに水が現れた。テイスティングするのが目的なので一口分程度だ。飲んでみると正に水道水、ほんの少しのカルキ臭がする。次は温度調整を確認してみる。


 熱湯から凍ってしまうギリギリの水、温度を指定するようなイメージで【魔法】を行使していく。結果、正確な温度まではわからないが、液体の状態なのであれば出てくる。要は、水蒸気や氷を出すことは出来ない。氷はともかく、お湯を沸かす必要が無いのはとても便利に思える。


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