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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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第48話 攻撃用魔法の確立

 私は弾頭の中から自分が一番きれいな形をしていると思ったものを選んだ。直径13mmで長さ58mm、尖頭形でスマートな形をしている。大きさと形状は理解したので、実際に土を使って再現してみる。硬さはステンレス鋼で問題ないだろう。


「狙撃用弾頭」


 名前を付けて土を形成した。掌にプロフェッサーが用意してくれた弾頭と同じ形のものが現れた。サンプルの弾頭とぶつけてみるが、キンキンと金属のような音がする。硬度も問題ないようだ。


 このまま発射すると私の手がダメになる予感がしたので、先に回転数と発射速度を定義しておくことにする。


「回転数はrpmだったかな?どのくらいなんだろう?1秒間に1,000回転くらい?そうすると……60,000rpmね、後は速度よね、とりあえず音速の340m/sでいいかな?」


 どの程度の威力があるかわからないので、30mほど離れた岩に打ち込んでみることにした。私から少し離れた位置に弾頭を出し、60,000rpmの回転と、340m/sの速度を与える。狙いは30m先の岩、そうイメージして魔法を唱える。


「発射」


 バキャっという音とともに岩に穴が開いた。狙ったところに命中している。岩の裏側に回ってみると貫通して地面にも少し穴が開いていた。


「うーん、この岩って砂岩だから柔らかいよね……でも普通の《ロックバレット》じゃ貫通なんて無理だろうから威力は十分なのかな?どの程度飛ぶのかはここでは実験できないし、とりあえずこの定義でいいかな」


 後はこの岩に目印をつけて確実に命中させる練習が必要だ、本物の魔物は動いているから静止している対象だと微妙だが、命中精度が上がれば対応も可能になるだろう。


 プロフェッサーに頼み何度も岩を復元してもらう。復元してもらうときにいくつかの目印をつけてもらうことも忘れない。距離は30m程度で練習を続けた。移動しながら発射してみたり、しゃがんだ状態から発射してみたり、試せることはなるべく試しておいた。貫通して外部に弾頭が飛んでいくのは不味いので、岩の後ろには土壁とその後ろに硬化した土の板をたてておいた。発射するたびに、ギンッと鋭い音がしている。


「30mならほぼ確実に命中するわね、次は50mで試してみるけど、見えるのかしら?遠くを見るための魔法ってあるの?」


『存在します。オリジナル魔法で登録があります。名前は《イーグルアイ》、視神経を強化し、数km先を見通すことも可能です。古代エルフ族が愛用していた魔法になります。森の中での狩りに役立てていたようです』


「でも、数km先まで見えたら、近くの様子とかが全く分からなくならないの?」


『問題ありません。あくまで狙ったものだけが拡大される魔法のようです。古代エルフ族は矢に風の補助を付与することで、直線的に弓矢から矢を放つことが可能でした。そのため自分の視線が見定めた標的に寸分の狂いなく命中させる技術は、極めて高度なものでした』


「なるほど……矢と弾丸の違いはあるけど、やっていることはほぼ同じなのね……通常の視認と《イーグルアイ》の両方を試してみるわ」


 岩から50m程度離れた場所にやってきた。先ほどと比べると、見えなくはないが目印自体に色がついているわけではないので見づらい。ただ狙うことはできるので、狙って発射してみる。


 30mの時と同じような音を立てて岩に穴が開いた。確認しに行ってみたが、結果は30mの時と同じだった。これなら問題ないと思い、岩を復元してもらい、試射を続ける。体勢の変化では変わりなく命中させることができたが、移動して発射すると少しずれている。


 複数回試してみたが、やはり移動しながらの射撃は命中精度が落ちていることが分かった。数cmではあるけどズレていることには変わりがない。


 今度は《イーグルアイ》を使用して射撃を試みてみる。


「イーグルアイ」


 呪文を唱えてから岩を見てみると、視点の中心だけが拡大されて見える。ふと足元に視点を移しても極度に拡大されることもなく、通常の視点と変わらない。そしてまた岩を見る。目印部分だけが拡大されしっかりと見えた。


「便利ね、自分が見たいと思う部分だけが拡大されているわ……目印も意識しなければ拡大されない」


 いろいろな場所に視点を移しながら、拡大率などが変更できないか試してみる。意識すれば目標物を1m程度まで寄った距離で見られることがわかった。試しに射撃をしてみると、命中して穴が開く様子も確認できた。


 静止状態での射撃でも歩きながらの射撃でも命中精度はほぼ100%と言って過言ではない状態になった。


「ねぇ、《イーグルアイ》の効果時間ってどの程度なの?」


『魔力量にも依存しますが、貴女であれば解除するまで効果が続くと思います。ただ睡眠などで長時間目を閉じていると自動的に解除されるようです』


 長時間の運用を試すため、《イーグルアイ》を発動したまま訓練を続けることにした。後は移動速度を上げた場合での命中精度を高めていく訓練をすれば、本番での運用時に困ることは無くなるだろう。


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