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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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第44話 衣類と靴

 衣類の持ち出しは基本的に無制限であるとプロフェッサーに聞いたので、早速準備をすることにした。特殊なものは、ショーツ、ブラジャー、キャミソールの3点だ。その他の衣類は、こちらの世界でも縫製可能なものだった。なんとかその3点を長く使いたい。


「衣類に状態維持を掛けるのは有効なの?有効ならどのような効果があるの?」


『有効です。この世界で衣類は消耗品扱いなので、わざわざ状態維持魔法を掛ける人は少ないと思います。効果は、故意に破いたりしなければ状態が維持され、洗濯や摩擦による繊維の摩耗がなく経年劣化しません。それと、現在この領域にある衣服は状態維持魔法が掛けられているので、そのままお持ち下さい』


 この情報は嬉しかった。今、私が着ている下着はこの小屋にしかない。そしてそれを作り出す技術は、この世界にも私にもない。洗濯や摩擦による繊維の摩耗がないのは何よりの情報だった。


「それは、嬉しいわ。後は、サイズの問題だけど……これは私の努力の問題ね……」


『いえ、その心配には及びません。貴女の世界で作られたものを複製した製品については、貴女専用に作られたものです。よって貴女の体のサイズが変化したとしても、それらの製品は自動的にそのサイズに追従して変化します。これは《パーソナル・オートフィット》という魔法が付与されているための効果です』


「便利ね……私でも使える魔法?」


『いいえ、《パーソナル・オートフィット》はこの領域限定の魔法のため、貴女が使用することはできません。所有者を限定しない通常の原初魔法である《オートフィット》であれば可能ですが、一般的な魔法ではなくダンジョンなどから産出される一部の装備品にしか付与されていません。使用する場合は、その点を注意して他人の手に渡らないもののみに限定して付与するようにしてください』


「わかったわ。今は付与する必要があるものもないし、基本的に使わないようにするわ。それと1つだけ作って欲しいインナーがあるのだけど可能かしら?」


『限度はありますが、どういったものでしょう』


 私はブラトップの説明をした。現在身に着けているキャミソールとブラジャーを一体化したカップが付いているトップスだ。激しい運動をしたりするのには向かないが、普段着や部屋着として使用するときに重宝するインナーだ。


『その程度であれば問題ありません。少々記憶を読ませていただきますがよろしいでしょうか?』


「かまわないわ」


 本が閉じてタイトルや装飾が明滅する。しばらくすると本は自動的に開いた。


『ありがとうございます。貴女のお話と記憶から複製することができました。チェストを開けてご確認ください』


 チェストを開けると他の下着類と同じように白色のブラトップが綺麗に畳まれて収納されていた。ブラトップを取り出して早速着替えてみる。プロフェッサーの前で裸になることに恥ずかしさを覚えたが、今は着てみたい気持ちの方が大きかった。ブラトップを着用してワンピースを着た。


「いいわね、旅装の時以外はこれで問題ないわ……急なお願いを聞いてくれてありがとう。感謝しているわ」


『どういたしまして。ブラトップもとてもお似合いでしたよ』


 やっぱり見られてた。自分の顔が赤くなるのが分かった。だが、今更恥ずかしがっても仕方がないので考えないことにした。


 ブラトップも手に入ったので下着類はそれぞれ5着ずつ持ち出すことに決めた。劣化することがないので、これだけあれば十分足りるだろう。ほかの衣装も5着ずつにした。リデナスタの街に行けば少々高額ではあるが同じものが売られている。


 ズボンは枯草色や薄い茶色の物、ワンピースは生成り、シャツは白色の物を選んだ。この世界で一般的に使用されている色なので、街中で着ていても目立つことはないだろう。下着だけでもおしゃれにとも考えたが、この世界で淡いピンク色や水色は珍しく染色費用も高い。下着を染色する文化もないようなので諦めた。見せるつもりはないが万が一、見られても変な勘繰りをされても困る。


「次は靴ね、街の人が履いている一般的な靴はどんなものなの?」


『基本的には革製の短靴になります。冒険者や衛兵などは足を保護するためにロングブーツを履くことが多いです。農民などは草履や木靴が一般的です』


 私は普段、お願いして出してもらったスニーカーを履いている。持ち出し禁止の条件付きではあるが。そして寝室などでは布製のスリッパだ。スリッパはこちらの世界にも形は違うが似たような履物があるので問題ない。


「私の足にあうサイズの革製の短靴はある?」


『ございます。武具室に保管されていますが、こちらにお持ちしますか?』


「お願いするわ」


 用意された靴を履いてみる。旅装でブーツは履きなれているので、この靴も違和感なく履くことができた。さすがにスニーカーには劣るが履き心地は問題ない。革製の短靴は予備としてもう1足用意してもらった。タオルを複数枚取り出しておいた。衣装についてはこれで問題ないだろう。用意した衣装と靴をポーチにしまった。


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