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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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第43話 ラボの引っ越し準備

 ここに来て301日が経過した。ここを出るまで残り59日。私は旅の準備を始めることにした。


 最初に準備するのはラボから持ち出す道具類だ。街に行っても研究はするだろう。それなら慣れた機材を使いたい。幸い魔導具以外の持ち出しは禁止されていないので、ラボの備品を持ち出す。プロフェッサーにも確認はしているので問題ないだろう。人には見せない約束もしている。


「ビーカーにフラスコ、試験管にメスシリンダー……こうやって出してみるとかなりの数になるわね……サンプルとして1つずつにしているけど」


 プラスチック容器やガラス瓶も複数個ずつ用意し収納した。この世界の薬師が使用している道具も一部持ち出す。工房を持った時に、これらがないと不自然になるからだ。現地で買っても良いが、持ち出せるのに無駄な出費をする必要はない。


 次に準備したのはポーション類だ。完全に私専用の特級ポーションで、それぞれ50本ずつケースに入れて持ち出す。一般販売用は街に着いてから作っても問題ない。それと化学合成で作った各種薬剤だ。抗生物質をはじめとして、ビタミン剤5種や鎮痛剤、総合感冒薬、胃腸薬、整腸剤がある。他にも時間があるときに鉄剤や亜鉛剤、カルシウム剤なども作った。


「薬剤も結構作ったわね、それぞれ10,000錠以上あるから私が使う分には一生困らないと思う。毎日飲むものでもないし……」


 それぞれの薬剤は1つの容器に収められている。空間拡張の魔法を使って拡張してあるので10,000錠であっても入れておくことが可能だった。全部で13個の容器が並んでいる。


「約13万錠の薬剤か……これはバックパックにしか入れることができない、1つにまとめたのは間違いだったわね……」


 空間拡張の魔法が掛かった容器は、同じ空間拡張の掛かったポーチに入れることができない。バックパックに入れて運ぶことはできるが、バックパックがポーチにしまえなくなってしまう。


 仕方がないので、容器の蓋を開けて薬剤をポーチに流し込んでいく。10,000錠もあれば全部出すのにかなり時間がかかる。ポーチに容器を逆さまにして突っ込みザラザラと音がするのをボーっと聞いていた。やがて音がなくなり容器が空になったので次の容器を突っ込む、またザラザラと薬剤が流れ出していった。


「やっと、全部終わった。次は100錠ずつにまとめる作業ね……容器1,300個分か……」


 少し気の遠くなる数だが、実はそうでもない。容器に手を触れて中に薬剤を100錠だす。この時、蓋を開ける必要はない。直接ポーチから容器内に薬剤を排出できるからだ。そして排出が終わったら容器ごと収納する。1,300回の作業ではあるが、1回1秒もあれば終わるので、30分程度の作業になる。備品棚から容器を取り出して作業台に並べていく。縦10個かける横10個、全部で100個だ。


「容器を並べる時間の方が長いわね……」


 ポーチのリストを確認してみた。頭の中に「抗生物質×10,025錠」と浮かんだ。端数が生まれた理由は忘れたけど問題ないだろう。容器に触れて抗生物質を100錠排出する。中身を確認してみたが、確かに私が作った抗生物質の錠剤だ。ポーチのリストを確認すると「抗生物質×9,925錠」になっており、間違いなく排出できた。


「問題ないわね、どんどんやっていこう」


 次々に容器に触れて排出していく。排出が終わったので今度はすべての容器を収納する。時間にして5分くらいだろうか、作業が終了した。ポーチのリストを確認して問題ないので次の薬剤をパッキングすることにした。


 すべての薬剤を100錠ずつ容器に分けた。端数は20錠から30錠だったので、小型容器を13個用意して端数分を入れておいた。


「やっと終わった。この空間拡張の掛かった容器はどうすればいい?」


『廃棄してください。外に持ち出すには材質、性能共に危険すぎます』


「了解」


 私は空間拡張の掛かった容器を廃棄ボックスに投げ入れた。自分で作れるのもあるが、危険性も理解しているつもりだ。ラボから持ち出すものは全てポーチに収めた。


「何か足りない物を思いついたら作ればいいし、ラボについてはいったん終了ね」


 訓練をするため、屋外活動用の装備に着替えて外に出た。今日も快晴で、柔らかな日差しが降り注いできた。





 数日後、私は普段着を持ち出すために衣装部屋にいる。下着類をはじめとして、シャツやズボン、ワンピースなどを複数着ずつ持ち出すことにしている。特に下着類は今、身に着けている物に慣れてしまっているため、この世界で縫製された製品を使うのは少し抵抗がある。一度試してみたが、ショーツは所謂いわゆる紐パンで少し違和感があるが妥協はできた。でもブラジャーは乳房が全く安定せず日本製の下着の卓越した技術に驚いた。


「ここの衣装はどの程度持ち出していいの?」


『下着を含めた衣服に関しては、必要であれば何着でも問題ありません。屋外装備品として使用しているシャツやズボンは、現在使用しているもの限りとさせていただきます』


 私は、チェストを開けて必要な衣類を取り出していった。


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