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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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第40話 衝撃吸収する土

 タラップを使ってオリジナル魔法の《地下野営シェルター》で作ったシェルターの中にプロフェッサーを抱えて降りていく。夜を過ごした空間と全く同じ空間がそこには存在していた。簡易テーブルを作り、そこにプロフェッサーを据える。


「見た感じ問題はなさそうね……」


 入口に隠蔽と排気システムを構築する。


「地下野営シェルター隠息いんそく


 タラップを上がり魔石をセットし、トイレと洗面台に封水を入れる。これで完全に野営準備ができたことになる。椅子を作成してプロフェッサーの前に座る。


「これで野営準備は完了したことになるけど、何か気が付いたことはある?」


『特にございません。空気の循環も正常ですし、壁や天井の硬度も問題ありません。外部の隠蔽も円滑に機能しています。もしここに誰かが居ると気が付かれても、壁や天井の硬度を考えると簡単に侵入することは難しいと思われます。』


「そう、ありがとう。上手くいって嬉しいわ」


『はい、素晴らしいお手並みです。ですがあえてこれからの課題としていくつか申し上げます。まず、吸気についてですが毒物等を気化して流し込まれると危険です。チャンバー部分に何らかのフィルターを設けると良いでしょう。後は大量の浸水です。これについては、既存の穴を塞ぎ別途換気システムを構築すれば解決できます。そこまでの浸水であれば、吸気ダクトと排気ダクトを浸水のない高度まで延ばして問題ないと思われます』


 確かにプロフェッサーの言うとおりだ。私が考えつかないことを教えて注意してくれるのはとてもありがたい。


「わかったわ。今後の課題として留意しておくわ」


 評価も終わりこれで《地下野営シェルター》の魔法は完成だ。最後の仕上げとしてこのシェルターからの撤収だ。排気システムから魔石を取り出し、プロフェッサーを持ち上げた。外に出ると暖かな日差しが私たちに降り注いだ。


「いつも言ってるけど……今日もいい天気ね」


 地下野営シェルターの入口に向き直り、撤収用の魔法を唱える。


「地下野営シェルター撤去」


 数秒後、シェルターの入口が塞がった。これで野営するために必要な一連の魔法が終了した。昨日は外で野営したので、お風呂に入っていない。小屋に戻ってお風呂に入ることにした。


「外に出たら、このお風呂ともお別れかぁ……お湯は出せるのだから何か方法を考えないとなぁ……」


 風呂に入る方法はあるが、排水や場所の問題が解決しない。露天風呂も好きだが、他人に裸を見せる趣味はない。庭付きの家が借りられたら、小屋を作って風呂にするくらいだろう。昨日は訓練できなかったので、この後は森に入って訓練だ。





 翌日、朝から緊急避難用のシェルターを設計している。何とか一瞬で地下に潜ることはできないだろうか


「私の身長を上回る穴を開けて落ちる。それで蓋をする。間違いなく怪我をする気が……でも緊急避難だし多少の怪我は仕方ないのかなぁ……」


『土を柔らかくしてクッションにするのはどうですか?膝を曲げて着地すれば、荷物を背負っていてもかなりの衝撃は緩和できると思います』


(プロフェッサーの言っていることは正しいけど、でも緊急避難時にそんな体勢が私に取れるのだろうか……)


「そうねぇ……底の空気密度を上げるのはどう?」


『空気の密度を液体の域まで高めれば、衝撃吸収性は飛躍的に向上します』


「あ、でもその中じゃ呼吸は無理ね……やっぱり土を柔らかくして衝撃を緩和するしかないか……衝撃吸収と言えばスポンジよね……」


 とりあえず土をスポンジ状にできないか試してみることにする。スポンジは多孔質で、内部に無数の小さな穴があり、それらがつながっている状態だ。土をこの状態に形成できれば上手くいくかもしれない。


「さて、60cm四方の穴を開けよう、高さも60cmね……」


 地面に1辺が60cmの穴が開いた。穴の底に高さ30cmの多孔質で形成された土をイメージして形成してみる。


「さて、深さ30cmの穴ができたわけだけど……入ってみますか」


 私はジャンプして穴の中に降りた。クッション性はあるがそこまで沈み込まなかった。片足を上げてみても土はもとに戻らなかった。普通のスポンジのような伸縮性は流石に土では無理なようだ。


 穴から上がり底にある土を通常の状態に戻す。先ほどよりも多孔質の穴の密度が高い状態をイメージして形成してみた。


「見た目は変わらないわね、それじゃあ試しますか……」


 再度ジャンプして穴の中に降りる。先ほどよりも沈み込み、膝への負担も少ない。これならもう少し高くても問題なさそうだ。再度スポンジ状の土を回収して穴の深さを1.5mにした。スポンジ状の土も厚さ50cmにして高さ1mから中に入ってみることにした。


「こうやって見るとそれなりに高いわね……実際は2m、この倍の高さなのに……」


 覚悟を決めてジャンプする。特に構えずにそのまま着地した。ズボッとスポンジ状の土に足が埋まった。大きな衝撃もなく、足や膝も痛くはなかった。下を見ると足首くらいまで沈んでいた。普通の衝撃吸収とは違う気がするが、理由まではわからない。


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