↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/122

第34話 野営

 索敵スキルの講習?を本から受けたあと私は野営について質問している。キャンプすらしたことがない私にとって、魔物が跋扈するこの世界での野営は危険以外の何物でもない。プロフェッサーから知識を吸収すると同時に、実践とは程遠いが、この領域での野営練習は必要不可欠だろう。


「この世界で旅をしている人たちは、どんな野営をしているの?私は野営なんてしたことがないから詳しく教えて欲しいわ」


『承知しました。野営のパターンはいくつかあります。まずは単独なのか複数人なのかです。この世界ではあまり単独で旅をする者はいません。これは野営時に見張りを立てることができないからです。貴女が一人で旅をするのであれば、まずそこを一番の注意点として考える必要があります』


「確かにそうね……」


『野営する場所についてですが、街道沿いなどであれば所々に野営地があるのでそこを利用します。小川などの水場が近いところが野営地になっています。また、一人であっても他の利用者が居れば協力して野営することも可能です。


 冒険者などは、森に入り数日間の討伐を行う場合もあります。この場合、野営地の選択は大変重要になってきます。水場が程よい距離にあり、さらに討伐対象との距離も重要な要素となってきます』


「なるほど、目的によって野営する場所が違うから、注意する必要がありそうね……」


『貴女が完全に単独で行動する場合に限られますが、全てを解決する方法もあります』


「そうなの?」


『すべてを魔法に頼ることになりますが、貴女は原初魔法の使い手です。穴を掘ってください』


「は?」


『穴を掘ってそこに身を隠し、夜を過ごすのです。手順を解説します。人が過ごせる大きさの穴を掘ります。3m四方であればそこまで窮屈ではありません。そして空気穴を開けた厚さ50cm程度の板で蓋をします。空気穴は直線ではなく曲げて光が漏れないようにしてください。すべての壁と天井に《ステイシス》を掛けます。《ライト》を唱えれば自分だけの空間の完成です。野営後も土で埋め戻せば、ほぼ痕跡すら残りません』


 これは完全に反則だろう。確かに理にかなった方法ではある。私であれば原初魔法を使って、この程度の作業であれば5分もかからない。緊急避難であれば穴を自分のサイズにするだけなので数秒で完了する。出る時も《マジックソナー》を使えば周りの状況が確認できる。


「完全な単独行動に限られる理由が良くわかったわ……通常の複数人を想定した野営の練習もするけど、これの練習も必要ね……複数人での野営をするときに注意することはある?一般的な知識でかまわないわ」


『一緒に野営をする仲間が信頼できるのであれば、注意点は少ないです。仲間内でルールを決めてそれに則って野営すれば問題ありません。ですが、野営地などで赤の他人と協力して野営する場合は、いくつか注意点があります。見張りの順番や時間をきちんと決める必要があります。それと、焚火の管理や食事の方法なども取り決めが必要です』


「交渉事が多いわね……私には無理な気がするわ……」


『最後に貴女は若き女性です。冒険者には粗野な者が多いです。もちろん理知的な者もいます。ですが、いつ襲われても反撃できるようにはしておいてください』


「そうね、複数のグループがいればトラブルに巻き込まれる確率は減るだろうけど、男性だけのグループのみだったら、不埒な行いをしてくる人が現れてもおかしくないわね……益々一人野営になる確率が増えたわね……」


 庭でテントを設営する手順などを練習した。夕方になりあたりが薄暗くなってきた。ここからは実際に一人で野営する練習だ。プロフェッサーも一緒ではあるが。


「さて、夕方になったし、穴を掘って明日の朝まで過ごしてみるわ……ここはどの程度まで掘れるの?」


『深さ50mまではリデナ大森林と同様の地層になっています。それ以下を掘ることはできません』


 今回は時間に余裕のある設定で、地下シェルターを構築する。最初は3m四方の穴を地面に空ける。イメージして魔法を行使すると、ぽっかりと地面に穴が開いた。


「あれ?地面の土はどこに行ったの?」


『鞄に収納されたと思われます。普通であれば周りに積まれるはずなのですが……』


 プロフェッサーが少し呆れている気もするが気にせず続ける。飛び降りるのは無理なので階段を作る。これも問題なく作れた。次は下に降りてから天井を作る作業だ。階段部分も含めた土の容量を計算してシェルターの地面に出した。


「3m×3.5m×0.5mだから5,250L余裕を見て6,000Lで足りるわね……」


 出した土を使って蓋を形成していく。空気穴も数か所開けた。蓋をすると真っ暗になったので《ライト》を唱えて明るくする。階段と壁、天井に《ステイシス》を掛けた。ついでに床にも《ステイシス》を掛けておく。


「これで基本は完成ね、ここから細かく調整していきましょう」


 持って入った椅子にプロフェッサーを置き、どのように改良していくか考え始めた。一回限りのシェルターとはいえ、一晩過ごすのだから快適にしたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。