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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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第31話 旅に向けての準備

 衣装部屋に戻り旅装に着替えていく。チェストからシャツとズボンを取り出した。シャツには木のボタンが付いており、綺麗な白色で縫製も丁寧だ。ジャイアントスパイダーの糸というファンタジー素材で作られており、耐刃性、耐寒性にも優れており、驚くほどやわらかく丈夫な作りだ。


 ズボンは、こちらもまたロックリザードのなめし革というファンタジー素材で作られており、この素材は耐刃性、耐火性、耐魔法性に優れている。なめし革とは思えないほどやわらかい。色は暗い灰色だ。


 シャツを下着の上に直接着るのは落ち着かないので、キャミソールを着てからシャツを着た。ズボンはかなりやわらかいので、そのまま履いて大丈夫だろう。今まで足元はいつも用意してもらったスニーカーだったが、ブーツに履き替えた。

 着替えた私は、武具室に戻った。すでに剣帯と外套がいとうが用意されている。


『大変お似合いですよ。剣帯と外套がいとう、ダガーを用意いたしましたので、装着してみてください。剣帯にはナイフケースが付いています。位置を決めたら金具でしっかりとロックしてください』


「わかったわ。褒めてくれてありがとう。」


 剣帯に小さい方のポーチを着け、腰に回しバックルで固定する。ナイフケースの位置を調整して金具でロックした。最後にダガーを装備する。


『武器を装備した姿も様になっていますよ。ここでは狭いので外に出て動きなどを確認してきてください。わたくしは他に便利な道具等をこちらに揃えておきます』


 玄関から庭に出る。少し身体を動かしてみたが、まだ胸当てや小手、グリーブを装備していないのでそこまで重さを感じない。けれど剣帯部分に負荷がかかっているのが分かる。

 ダガーを抜いて構えてみる。どんな構えがいいかは正確にはわからない。とりあえずアニメや漫画で見覚えのある動きを試してみた。ポーチを邪魔に感じることはない。


「これはちゃんと指導を受けないとダメかもしれないわね……リデナスタで少し落ち着いたら習ってみようかしら……」


 少し動き回ってから武具室に戻った。テーブルには新たにテントやランプ、厚手の毛布などが置かれていた。剣帯を緩めてポーチを替え、剣帯を留める。少し大きいが邪魔になることはなさそうだ。先ほどと同じように外に出て動き回ってみる。


「こちらも問題はないようね……やはり容量が大きいこっちにしよう。両方とも拡張の鞄にするのは……やめておこう。私には管理しきれない」


 武具室に戻った。ライトニングディアのポーチを拡張の鞄として使用することを本に伝えた。それと通常の装備として、ホーンバッファローのポーチを貰えるか聞いてみた。


「ライトニングディアのポーチにするわ。それと、こっちのホーンバッファローのポーチを貰うことはできる?」


『承知しました。ホーンバッファローのポーチもお持ちになってください。普段使いの小物、小銭入れとして使用するのが、実用的でよろしいかと存じます』


 後は、実際に拡張の鞄を作るだけだが、先に旅装を選んでおく。まずは外套がいとうだ。色はダークグリーンでフードが付いている。羽織ってみたが特に問題がないのでこれにした。


「バックパックは2つあるけど、ある程度長い旅の場合は、どちらを使うのが一般的なの?」


『長い旅を想定しているのであれば、そちらにあるダークグリーンのバックパックになります。そちらの方が容量が大きいのはもちろん、外套と同じ色であるため目立ちません。また、小さなポケットもいくつかついているので、薬草の採取など野外活動においても極めて実用的です』


 バックパックに厚手の毛布やロープを詰め、ランプをぶら下げた。たぶんこれくらいの重みで移動することになる。他の持ち物はすべて拡張の鞄に入れることになるだろう。この状態でバックパックを背負ってみた。


「今は重さを負担に感じないけど、長い時間歩いていたら疲労がたまりそうね……身体強化の魔法を全身に使ってもいいけど……長い時間身体強化の魔法を使っても体に負担はない?」


『魔法の長時間使用自体では影響はありません。ですが、強化しているとはいえ、本来の筋力より強い力が全身にかかります。そのため筋肉の疲労は、身体強化の割合に比例することになります』


「身体強化を解いたときに筋肉痛がひどいことになりそうね……治癒ポーションで回復可能なのかしら?」


『可能です。貴女の魔力量であれば、出力が1.5倍程度の身体強化を1日中使っても魔力は三分の一程度の消費で済むでしょう。それに魔力ポーションもあります。そして疲労した筋肉の回復には、体力ポーション、筋肉痛などの痛みには、治癒ポーションが有効となっています。今日からでも良いので、身体強化の魔法を1.2倍程度の出力で使ってみるのはいかがでしょうか?ここでは魔力が減ることもありません』


 確かに練習しておいた方がいいだろう。外に出た時に失敗して体を痛めてしまっては意味がない。本にいろいろ聞けるうちに、非常時の対応を含めて練習することにした。


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