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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第3章 構築(こうちく)

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第123話 エルダートレント

 リデナ大森林の深域でエルダートレントを探している。深域にある荒れ地と森の境界を歩いて索敵しても中型の魔物しか見かけることはなかった。


「お、あれかのう?ちと森の奥じゃが反応があるぞ。西側じゃな」


 ヴェニカが候補となる反応を見つけたようだ。私にはまだわからない。


「どれ?これかな?動いているから違うか……」


「その動いてるやつの更に50リグ(m)ほど奥におるやつじゃ」


 ヴェニカに言われた通り索敵の範囲を西側に集中して距離を伸ばしてみると、《ウィンドソナー》には反応せず《マジックソナー》に反応する物体があった。今いる位置から800mほど離れた場所の森の中にその反応がある。


「このじっとしてるやつ?確かに魔力的な反応しかないわね……形も木のような感じだけど、大きくない?」


「エルダートレントじゃから直径は3リグ(m)から5リグ(m)あるぞ、高さも20リグ(m)以上はあるはずじゃ」


「まだ、遠いわね、とりあえず移動してみましょう」


 西側に移動していく。荒れ地と森の境界に先ほども見かけたアイアンボアがいるようだ。あまり動きがないので餌でも食べているのかもしれない。


「アイアンボアがいるのう。あの位置だと邪魔になる。倒してしまうか……」


「やってみるわ。この距離であれば届くから」


「任せよう」


『距離は約700m、横向きなので耳の後ろを狙ってください』


「了解」


 《イーグルアイ》を起動してアイアンボアを狙い、《装填:遠》を発射した。わずかな間をおいてアイアンボアに命中し倒れた。


「旨い肉が獲れる。屋敷で解体を頼めばやってくれるじゃろう」


 アイアンボアが倒れている場所まで歩き、丸ごと回収した。どんぐりがたくさん落ちているのでこれを食べていたのだろう。


「ここからだと、エルダートレントが何とか見えるか?」


「どれ?私にはわからないわね……」


「普通の木と見分けはつきにくいからな、さてどうやって倒すかのう」


『ヴェニカが殴るのが一番早いのでは?』


「それだと一部が粉砕されてしまう。魔石を破壊するのが一番早いんじゃが」


「私が狙撃できたらいいんだけど、どれがエルダートレントかわからないわね……」


『《マジックソナー》と《イーグルアイ》をリンクしてみてはどうでしょう?魔力が一番高い場所を狙えばピンポイントでの狙撃ができますし、見えなくても《装填:強》であれば周りの木も貫けると思います』


「それは使えそうね……少し移動しながら探せば射線が確保できる位置もあるかもしれないわね」


 《イーグルアイ》を発動して、《マジックソナー》で捉える魔力が見えるようにイメージしてみる。目に眩しい光が映ったので、捉える魔力の量を調整する。木々の間に1か所強い光を放つ場所が見えた。


「何とか見えるようになったけど、何本か木があって邪魔ね……」


「ミオ、こちらからなら狙えそうじゃぞ」


 ヴェニカが少し離れた位置から声をかけてきた。ヴェニカの立っている位置に移動してみると、直接その視界にエルダートレントの魔力を捉えることができた。


「あの木がエルダートレントね、周りの木と全く同じで見分けがつかないわね……」


「魔石は木の内部にあるの?」


『そうですね、深部ではないですが、それなりに深い位置にあります』


「そう……《装填:強》だと破壊力が大きすぎて、素材に傷をつけることになる。でも、《装填:中》や《装填:遠》だと魔石に到達しない可能性もあるわね」


「連続で何発か叩き込むのはどうじゃ?距離は100リグ(m)より少し近いくらいじゃから、《イーグルアイ》で正確に狙うことも可能じゃろ?」


「そうね、あのエルダートレントは直径4mくらい、半分の2mまで届けば魔石は確実に破壊できる」


『アサルトライフルの貫通力は通常の生木であれば40cm程度です。エルダートレントの硬さにもよりますが、8発すべて命中させれば破壊可能だと推測されます』


「なら、口径は小さいけど、初速と貫通力の高い《装填:中》が有効ね」


 《装填:中》を8発一直線に待機させる。魔力が強い部分を中心にして狙いを定めた。


「狙撃」


 バシンッという命中音が連続で鳴り響きエルダートレントの表面が破壊されている。たぶん全て同じ場所に当たったと思う。エルダートレントは枝葉を少し動かしたように見えたが、沈黙した。


「ふぅ……魔力反応がなくなったわね、魔石はもったいない気もするけど仕方がないか……」


「じゃが、完璧な状態でエルダートレントが手に入った。魔石は別の魔物を倒せば手に入る。さっきのアイアンボアにも魔石はあるからな」


「そうね」


「私が回収してこよう。少し待っておれ」


 ヴェニカはそう言い残してすぐさまエルダートレントが立っている場所に移動していった。


(……移動が速い……100mある森の中を数秒で移動するなんて……)


 ヴェニカが少し上を見た後、エルダートレントに手を触れると、その場から消失した。保管庫か拡張の鞄に回収したのだろう。ヴェニカはすぐにこちらに戻ってきた。これでエルダートレントの採取は完了だ。


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