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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第3章 構築(こうちく)

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第124話 エルダートレントの解体

 リデナ大森林の深域でエルダートレントを見つけて倒すことができた。直径は約4mの大物だ。ヴェニカに収納してもらっているので、現物はまだちゃんと見ていない。


「早く終わってしまったのう。まだ昼にもなっとらんな……どうする?」


「そうね、エルダートレントをそのまま丸ごと持っていっても運べないからある程度の大きさに解体する?」


「そうじゃな、出すから少し下がってくれ」


 ヴェニカの前に横倒しの木が現れた。どうみても普通の木にしか見えない。そして長さは約30m程あった。これだけあればベッドのフレームを作るのに十分足りるだろう。


『この大きさであれば、基準価格がないので何とも言えませんが、10,000,000シル程度になるかと思います』


「希少価値が高いからって言っても、そんなにするんだ……」


「グランバレル工房に全部売ってもいいし、必要分だけ渡して残りは冒険者ギルドに売ってもええじゃろ。その前に領主が絡んでくるだろうな、貴族としては是が非でも欲しい素材じゃからな」


「それはそれで面倒ね……邪魔な枝は全部払っていいのかな?」


「ああ、枝も回収しておくと良い。いい値段で売れる」


 土に穴を開ける魔法が物体の切削に使えるのは、新居の浴室で魔導具を作った時に気が付いた。これを使って枝を払っていく。枝の付け根に厚さ0.01mmの空間を作って切り取り、そのまま収納する。これの繰り返しだ。


「これだけ大きいと枝も多いわね……」


 ヴェニカを見てみると、手刀で枝を払っていた。スパスパと枝が切れて収納されていく。


(どんだけ鋭い手刀よ……さすがドラゴン、人ならいとも簡単に首が物理的に飛ぶわね……)


 片側の枝払いが終わるとヴェニカが持ち上げて回転させてくれた。これで残りの枝も払いやすくなった。しばらく黙々と作業してやっと枝払いが終わった。


「やっと終わったわね、随分と真っすぐな木ね。私がイメージするトレントはもっと曲がりくねっているものだと思っていたわ」


『この辺りは針葉樹が多く生えています。このエルダートレントもそれに合わせて擬態していたのでしょう』


 魔石がある部分を見ると1cmに満たない穴が開いている。《ウィンドソナー》で中を確認すると、深さ1.5m程度だった。この部分を20cm四方で切削してみる。ポーチから取り出しさらに半分に割ってみた。


 弾丸は中を破壊しながら進んでいたようで、所々に砕けて割れた弾丸があり、その痕跡は魔石の中心を通って、その後ろ20cmくらいの所で最後の弾丸が止まっていた。魔石は6つに割れていた。


「魔石は討伐の証明になるのかな?割れてるけど……」


『割れていてもエルダートレントの魔石だとわかるので問題ないです。トレントの魔石は少々特殊で、加工することで強力な魔力蓄積媒体となります。新居の魔力タンクに使ってみてはどうでしょう?』


「なるほど……そうするともう少し欲しくなるわね……」


「もう何匹か狩っておくか?木材はポーチに保管しておけば市場を混乱させることもないじゃろ」


「そうね、穴を掘る魔法……もう《スペース・スライサー》でいいわ。《スペース・スライサー》を使えば好きな形に加工できるし、魔物素材は乾燥とかの手間がかからずすぐに使えるから便利ね」


「なら少し休憩してから、エルダートレントを探すとしよう」


 ヴェニカの提案通りに休憩するため、《地下野営シェルター》を使って地下にシェルターを作り休憩することにした。中に入り、マンゴーとグレプを皿に並べ、カモミールティを淹れた。椅子に座り、一息入れた。


「他のエルダートレントも同程度の大きさじゃと思う。同じような環境で育っているからな」


「そうなんだ。そうすると後どの程度狩れば必要十分な魔石が採れるのかな?」


『同程度の大きさであれば、破壊時の割れ方にもよりますが、3、4匹で十分だと思います』


「確かに、エルダートレントの魔石は随分と大きいからね……加工方法は置いといて、どの程度の魔力が溜められる物なの?」


『同じ大きさの魔石と比較した場合、約100倍程度の蓄積力があります。1cmの魔石で魔導照明が24時間点灯するとした場合、100日間連続点灯する量になります。新居ではすべての部屋が魔導照明になり、それ以外にもトイレや風呂など全てを魔力で賄う予定ですよね?そうなるとそれなりの魔力が必要です』


「確かにその予定ね、実際の消費量は計算できるものなの?」


『それは計測するしかありません。1cmの魔石を基準として検証すれば、概ねの消費量は数値化できると推測します』


「魔力消費量の数値化か……面白いことを考えるのう」


 休憩と昼食を取り出発の準備をする。お腹はそんなに痛くなく違和感が少しある程度だ。避妊薬の効果が出ているようで、月経痛も抑制されており、出血も少ない気がする。《クリーンウォッシュ》を使い布ナプキンを綺麗にしておいた。


 入口の隠蔽を解除し外に出た。薫風の月(5月)に入り、少し気温が上がってきている。日差しも少し強くなってきているのを感じた。


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