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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第3章 構築(こうちく)

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第120話 ヴェンティスの屋敷

 宿に戻り夕食を食べてからエルダートレントの素材をどうするかヴェニカたちと相談する。一番効率的な調達方法は、どのような方法になるのだろうか?ヴェニカたちとの相談を始める。


「さて、エルダートレント1匹を調達できれば、一生使えるベッドが手に入るわけだけど……どうする?」


「そうじゃな、私の巣に戻ればエルダートレントはあるかもしれん。じゃが、戻って素材がなかった時のことを考えればリデナ大森林に採りに行くのが早いと思うぞ」


「そうね、でもリデナ大森林に採りに行くとしてどうするの?ヴェニカだけに任せるのも気が引けるし、かといって一緒に行く手段もないから……」


「ふむ、一緒に行くなら私が掴んで運ぶか、背中に乗るか……手段はその程度かの?ここらで姿を見せて飛ぶことはできん。最初に見せた見えない状態で飛ぶしかないのう」


「乗って大丈夫なの?それに私の姿はどうするの?」


「自分で許可してるのだ。ミオが乗るぶんにはかまわんぞ、鱗と鱗の間に手を掛ければ掴まることも可能じゃ。姿は私に乗ってる時点で見えなくなるから心配ない。飛行中も風のシールドで守るから快適じゃと思うぞ」


「わかったわ。後はエルダートレントの生息場所よね。フェシー、さっきは中域辺りに生息しているって言ってたけど、すぐに見つかるものなの?」


『そうですね、中域では生息数が限られています。ただ、ヴェニカに乗って移動するのであれば、生息数の多い深域まで短時間で行けます。そこまで行くと生息数も多いので簡単に発見できると思います』


「なるほど、後はドラゴンの大きさで着地できる場所が深域にあるものなの?木が邪魔して降りられない気もするんだけど……」


「深域まで行くと、大型の魔物が暴れた後が多数ある。そこに降りればよいじゃろう。私も降りたことがあるから問題ない」


「後は引き渡しね、どうやって引き渡すかが課題になるわ」


「そこは私の屋敷を使おう。あそこであれば私の自由にできる。出発も屋敷を使えば問題ない。庭も広いのでドラゴンになっても問題ないはずじゃ。それに確かドラゴンの姿で着地する場所を用意してあったはずじゃ」


「なら、その計画で行きましょう。全面的にヴェニカの協力を仰ぐことになるけど……よろしく頼むわ」


「なに、気にするな。私も楽しみじゃ」


 これですべての課題が片付いたと思う。後は臨機応変に対応するしかない。明日はドラゴンに乗ってリデナ大森林の深域に行くことになる。ほぼ生身で空を飛ぶのには少しワクワクしている。そんな思いの中で眠りについた。





 翌日の早朝、ヴェンティスの屋敷に向かった。門の前に立つと門番に声を掛けられた。


「止まれ。これより先はヴェンティス様の屋敷である。許可なき者の立ち入りは、いかなる理由があろうとも認められん。……直ちに名と用件を述べよ」


「ご苦労、ヴェンティスだ。これが身分を証明するギルドカードだ。確認してくれ」


 そう言ってヴェニカは懐からオリハルコン冒険者のギルドカードを出した。


「はっ、失礼しました。ただいま確認します」


 門番がヴェニカからギルドカードを受け取って確認している。心なしか顔が青くなっている気もするが、急に本人が来たのだ仕方ないだろう。


「確認しました。先ほどは失礼しました。御髪の色が違うのでヴェンティス様とは思わなかったもので……」


「かまわん、かまわん。急に来た私が悪い。職務に忠実なのは良いことだ。この屋敷を管理している代表者に会いたい。すぐに呼ぶことは可能か?」


「ありがとうございます。はい、執事長が管理しております。すぐに連絡します。ご案内することはできませんが、屋敷に入ってお待ちください」


 門番は門を開けて私たちを中に招き入れた。そして屋敷に向かって走って行ってしまった。


 ヴェニカについて屋敷までの通路を歩いている。見える範囲の庭には、東屋や噴水が設置されており、丁寧に管理されていることがわかる。これだけの庭を手入れするのも大変だろう。


 屋敷の玄関から中に入ると、調度品などもほとんどない広いエントランスが広がっており、扉の正面で執事長と思われる人が頭を下げて待っていた。


「おかえりなさいませ、ヴェンティス様。門番が不調法な振る舞いをいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます」


 滑らかで落ち着いた声のトーンで謝罪をすると、優雅に姿勢を正した。綺麗に整えられた白髪をオールバックにし、鋭い眼差しでこちらを見ているが、控えめな微笑みを湛えていた。


「わたくしはこの屋敷の執事長を務めております、エドワードと申します。ヴェンティス様をお迎えできる日を、一同心待ちにしておりました。

 お疲れのことと存じます。直ちにお部屋へご案内させていただきますので、どうぞこちらへお運びくださいませ。お客様も、どうぞご一緒に」


「苦労をかける。……さあ、行こうか」


 エドワードさんがエントランスから廊下に向けて歩き出した。私たちはそれについていき、応接室に通された。


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