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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第3章 構築(こうちく)

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第115話 浴室の魔導具施工

 浴槽にお湯を張るための魔導具を設置するため、専用のスイッチパネルを作った。浴室の外側、洗面所にこのスイッチを設置して簡単にお湯張りができるようにする。


「次は、パネルの設置と浴槽までの配管ね……」


 図面と浴室の壁を見比べながら配管の長さを計算していく。壁の厚さなどは、ほぼ図面どおりで、配管を通す場所は全て壁積みのブロックだ。ブロック内を横に通すわけではなく、一度、2階の床と1階の天井の間まで配管を立ち上げて、そこを通す予定だ。


 最初に浴室内に入る扉の横に、スイッチパネルを埋めるための穴を開けた。奥行きを45mmにしてパネルが壁から少し浮き出るようにしておく。そのままでも問題はないが、穴に硬化した土を薄く盛りつけておいた。穴の奥から真上に配管を伸ばし、天井裏に貫通させておく。《ウィンドソナー》で確認すると問題なく貫通している。


「こっち側の処理は終わりね、パネルを嵌めるとこんな感じよ」


 実際に嵌めてみてヴェニカに見せた。壁から少し浮き出たスイッチパネルはきちんと住宅用のワイドスイッチに見えた。


「ほう、スッキリしとるな。知らん人が見たら何かわからんな。ところでスイッチはなぜ2つあるんじゃ?」


「上が浴槽への給湯ね、下は浴室内の乾燥を予定しているわ。風呂の後に押すことで、《ウォータドライ》の魔法を発動させて浴室全体を乾燥させるの。ついでに《ピュリフィケーション》も発動させることで浄化もする予定よ。これで風呂掃除の回数を減らせるはず。たまには掃除しないとダメだけど、それこそ月に1回程度で問題ないと思うわよ」


「それで2つなのか、よくいろんなことを思いつくのう。異世界の知識が源泉じゃろうが、それをここまで形にできるのじゃからすごいものだ」


 浴室側の施工もやってしまう。浴槽の近くの壁に5cm四方の穴を開け、穴の奥から天井の空間に配管を通して《ウィンドソナー》で確認する。ここがお湯を張るための魔導具を埋める場所だ。次は天井だが、バリムさんに素材を確認する。


「バリムさん、天井は何で作られているのですか?木材ではなさそうですが……」


「基本は木材なんだが、薄くスライムパテをのばして塗り付けてある。スライムパテは水を通さないからな」


 スライムパテはこういった使い方もできるようだ。中心部分には照明をつける予定なので、少し洗い場に寄った部分に先ほどと同じ大きさの穴を開ける。今までに土や岩に穴を開けたことはあったが木材は初めてだ。それに成功したとなると部材を簡単にカットできるこの魔法はかなり便利であることがわかる。


「よし、これで全部を魔力線でつなぐ準備ができたわね……」


 先に魔導具を作ってしまう。お湯を張るための魔導具は「給湯の魔導具」と名付けて、40℃で2,000Lを浴槽の底から排出する魔法発動部分を魔導基板に定着させた。それを壁に埋めるボックスに嵌めておく。


 次に、浴室を乾燥させる魔導具を作る。これは「浴室乾燥の魔導具」と名付け、発動すると浴室全体に《ウォータドライ》と《ピュリフィケーション》を発動する。これも魔導基板に定着させ、天井に埋めるボックスに嵌めた。


 最後にスイッチだが、スイッチに触れると微量の魔力を吸収し、魔力線からの魔力をそれぞれの魔導具に送る仕組みだ。ただ、今はメインの魔力線からの魔力供給ができないので、このスイッチに魔力を注ぐことで魔導具に魔力が送れる仕組みにもしておいた。この魔導回路をスイッチパネルの裏側に直接定着させた。これで魔導具の準備はできた。


 図面と浴室を見ながら、魔力線の長さを決める。それぞれの場所で10cm程度余るようにすればメンテナンス時も問題ないはずだ。給湯の魔導具と浴室乾燥の魔導具の2つ分の魔力線をそれぞれ2本用意し、線の種類を間違わないように、バリムさんから塗料をもらい魔力線の端に塗っておいた。


「なぜ2本ずつあるんじゃ?」


「1本は魔力を送るための魔力線、もう1本は余った魔力を戻すための魔力線ね。今は使わないけど、メインの魔力線ができたら余った魔力は戻して魔石か魔力タンクかに再充填できる仕組みにするつもり。魔力タンクは構想だけで手がかりも何もないけどね……」


 準備した魔力線を通すために、《ウィンドソナー》で再度確認する。魔力線を通す場所をイメージして、ポーチから用意した魔力線を排出した。スイッチ側と魔導具側両方の穴から魔力線が飛び出ているのが見える。


 ポーチからの排出は3m程度が限界なのだが、出し始める場所がその範囲内であれば距離は関係なくなる。これを利用して魔力線を配管内に通している。


 それぞれの魔力線を基板に接合していく。魔力線の接合は《エングレイブ・サーキット》を使うことで実現できる。通常の()()()では、特殊な接着剤を使うようだが、魔導具では必要ない。すべての接合が完了した。


「バリムさん、仕上げは終わってます?」


「ああ、終わってるぞ。後は乾燥すれば全て終了だ」


 仕上げも終わっているようなので、魔導具の動作確認をしていく。


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