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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第3章 構築(こうちく)

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第110話 魔法施工

 新居の建築現場で貰って来たブロックを使って魔力線を引く方法を考えてみる。私の作った魔力線は直径1.2mmなので、直径10mmの穴であればかなりの本数が通せるだろう。穴は魔法で開ける。やり方はシェルターと同じでブロックを削り取り、ポーチに収納するつもりだ。少し大きめに開けて硬化した土のコーティングをしても良いかもしれない。


「まずは、ブロックに魔法で穴が開けられるかよね、ブロックのサイズは200mm× 100mm×50mmで全て同じ大きさね……」


 縦に積み上げて高さ600mmにしておく。接着していないので触れば簡単に崩れるだろう。この状態で穴を開けることができれば、完成した家に使っても問題ないとふんでいる。さらには、配管以外の穴に土を充填し硬化することで鉄筋の役目を持たせることにも期待している。


「最初は配管ね、直径12mmの穴で、一番上のブロックの正面から入り、直角に折れ曲がり下方向へ進む。一番下のブロックでも直角に折れ曲がり背後へ出る。曲がりには丸みを持たせ、針金などの通線ワイヤーを引っ掛からないように加工……外周を厚さ2mmの土で覆い硬化する」


 ブロックに手を翳して魔法を行使する。ブロックがわずかに揺れたが、倒れることはなかった。続いて直径12mmの穴を縦に開けて土を充填し硬化した。


「出来たわね、多分大丈夫だけど、ウィンドソナー」


 上部の穴から後方に空いている下部の穴まで風が抜けた。問題なく通っているようだ。次に一番上のブロックを外そうと持ち上げてみるが、全てのブロックが繋がって持ち上がった。


「うっ、重い。でもちゃんとつながってるわね」


 床にブロックを下ろす。魔導針金を取り出し穴に入れていく、特に引っ掛かることもなく裏側に抜けた。ある程度の長さであればこの針金で十分通すことができるだろう。通した針金を切り取り穴から抜いた。長さは70cmくらいになった。軽く巻き取りコイル状にしてポーチにいれておく。


 ブロックに通った穴の形状をもう一度《ウィンドソナー》で調べる。はっきりとイメージして、ポーチの中から先ほどの針金を排出した。針金は見事に穴に通った状態で排出された。


「やった、上手くいった。イメージした形状でポーチから針金を出すことができたわ。複雑な配管でも自由に魔力線が通せるわ」


 これで、魔法で壁の中に配管を作成して、そこに魔力線を通すことができる。《ウィンドソナー》で形状と長さを確認さえできれば、どんなに複雑であっても魔力線を通すことが可能だということだ。そこまで複雑な配管を通すつもりはないが、やれることは増えるだろう。


「なるほど、ミオはそんなことをやろうとしとったのか、本当に面白いことを考えるのう。そうすると少し前に作っておった照明の魔導具を家の照明として使うのか?」


「そうね、基本的にはあんな感じの照明を使うわ。色や形状もある程度変えられるから、その部屋に合った照明を作ることが可能よ」


 照明用の配管を作るめどが立った。あとは実際に家ができてからの施工になるので、今回はこの辺りまでで大丈夫だろう。順調に新居のインフラ設備の準備が整ってきている。今度、新居の図面に照明の位置を入れてもらおう。それを参考に配管の場所やスイッチの場所を決める必要があるだろう。できれば照明に使う魔力は一か所で集中管理できるようにしたい。





 前回新居の現場を訪れてから10日が経過した。千釘工房のバリムさんから、1階部分が内装を含めてほぼ完成したと連絡があった。細かいものは残っているそうだが、ほぼ2階の作業に移行しているらしい。さっそく現場に行ってみることにした。


「おお、家っぽくなってる。店舗の出入り口に小さな屋根が欲しいかも……」


「おう、来たか。9日で内装の塗りまで終わるって言ったのに来ないから連絡を入れさせてもらった」


「すみません。いろいろとやっていたもんで」


「いや、かまわんさ。それと風呂場の配管をやってほしかったから呼んだのもある。で、さっき言ってた店舗入口の屋根だがもともと付く予定だ。心配しなくていい」


「あ、そうなんですね。ありがとうございます」


「早速、風呂場を見てもらっていいか?」


 玄関から中に入り、洗面所に向かう。廊下や洗面所も綺麗な板張りになっており、希望通りの施工がされている。また、室内の壁には腰壁が作られており、上品な内装の仕上がりになっていた。


 風呂場は大きめのタイル張りで薄いベージュの落ち着いた色合いになっていて、風呂場の真ん中には排水溝があり、キッチン側へと水が集まるように勾配が付いていた。この排水溝から奥が浴槽になる。浴槽の深さも伝えてあったので、設置すればちょうど良い高さになるだろう。


「浴槽の部分はまだ地面がむき出しなんですね」


「ああ、特に指示がなかったからそうしてある」


「ありがとうございます。今日は浴槽までは作成しませんが、排水管は作るのでよろしくお願いします」


 そう言って私は、排水管を作る準備を始めた。


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