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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第3章 構築(こうちく)

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第104話 魔力の透過

 魔法攻撃を無力化する《マジックガード》の特性をある程度確認することができた。これを活かして魔力を無効化する魔法が開発できればいいだろう。あとは自分の身体の周りに展開するイメージができれば組み合わせることで、特定の物体の周りに展開できるだろう。


「自分の周りに球体で《マジックガード》を展開するのか……いまいちイメージがまとまりきらないわね……」


「似たようなことなら私ができるぞ、《マジックガード》ではなく《ウィンドシールド》という私専用の魔法ではあるが、見てみるか?」


「うん、お願いできる?」


「わかった。名前を聞いてわかったと思うが、風を使ったシールドになる。近い場所にいると強風で飛ばされてしまうので、30リグ(m)ほど離れて見ておれ」


 ヴェニカに言われた通り、30mほど離れた場所に移動する。


『いいよ、使ってみて』


『ではいくぞ、ウィンドシールド』


 ヴェニカが魔法を唱えると、急速に風が集まりヴェニカの周りに壁を形成していく。肉眼で見えるほどの濃密な風が、球体となり維持されている。


『これが《ウィンドシールド》じゃ、このように私の周りに濃密な風の壁を作りだし、全ての物理攻撃や魔法攻撃を弾き飛ばす。魔法を無効化する効果も持っているので、突破するのは難しいじゃろう。ミオが使った《ソニックバレット》はちと無理かもしれんが、逸らすことはできるかもしれん』


『展開イメージの参考になったわ。ありがとう』


『礼には及ばんよ、ミオの役に立てて嬉しいぞ』


 ヴェニカが《ウィンドシールド》の魔法を見せてくれたおかげで、《マジックガード》を球体で展開するイメージができた。あれだけの濃密な風が肉眼でも見えるのだ、嫌でも目に焼き付くだろう。


「形のイメージはできたわ。全方位の《マジックガード》は問題ないわね。マジックガード」


 自分を中心に半径1.5mのヴェールの球体が完成した。ヴェニカの《ウィンドシールド》が《マジックガード》のヴェールに置き換わっただけだ。イメージさえできればいとも簡単に発動できた。確認のため、土壁の前に立ち後ろを向いた。


「《ロックバレット》を背中に打ち込んでみて」


「わかった、ロックバレット」


 特に何の衝撃もなかった。たぶん無効化されて消滅したのだろう。


「どう?ちゃんと無効化できていた?」


「問題ないぞ、通常の《マジックガード》と同様に無効化された」


「ありがとう。これで《マジックガード》の検証は終了ね。後はこの無効化する部分を魔法ではなく魔力自体を無効化するものに変えればいいんだけど……」


 魔力は発生すると発生箇所を中心に放射状に広がっていく。それを応用して魔力を感知しているのが《マジックソナー》だ。魔力は波のような性質で広がっていると推測できる。そう考えると、魔力を無効化してしまえば、その無効化した地点が魔力的な空白になり違和感につながるだろう。


 無効化するよりシールドの表面を滑り抜けていくように、受け流す方向で考えた方が良いだろう。同時に内部の魔力を外に漏らさないようにすれば問題ない。


「ここから先は、完全に私のイメージね。シールドに到達した魔力がシールドの表面を伝って抜けていく……回折されずに透過してるように……内部の魔力を外側へこぼさないように……」


 イメージが完成したので、魔法を行使してみる。《マジックガード》よりもはっきりとした小さな六角形のパネルが球体となり広がった。魔力視眼で見ているのではっきりと形が見えるが、肉眼だと全く見えない。


「とりあえず発動できたわ。ちょっと試したいことがあるから、《ロックバレット》を撃ち込んでもらえる?」


 土壁の前に立ち、ヴェニカに伝えた。私の推測が正しければ上手くいくはずだ。


「魔力を遮断するシールドと言ってたはずじゃが……《ロックバレット》を放っても大丈夫なのか?」


「ええ、大丈夫よ。一応内部に《マジックガード》を起動しておくわ」


「それなら大丈夫じゃろう。ロックバレット」


 ヴェニカが魔法を唱えた直後、私の後ろにある土壁が《ロックバレット》によって抉られた。完全に私を透過したように見えただろう。


「なっ、すり抜けた?」


「ロックバレットだとわかりづらかったかもしれない、《ファイヤーボール》なら視認できると思うわ。《ファイヤーボール》でもう一度やってみて」


「わかった、ファイヤーボール」


 《ファイヤーボール》が飛来し、シールドに触れると球体の表面に沿って通過し、後ろの土壁に当たりはじけた。はじけた土が背中に当たって少し痛かったが問題ない。


「痛たたたた……物理的な遮断は無理ね、あくまで魔力と魔法を透過させるための仕組みになっているわ。魔力はまだ試してないけど……」


「大丈夫か?……ふむ、確かに《ファイヤーボール》は不思議な動きをしたな、まるで操られているかのように球体の表面を移動していったぞ……」


「会話はできているから、大気は遮断されていない。そうなると念話はどうなのかしら?念話は大気中の魔素を使って伝達されていると推測しているのだけど……」


 別の疑問が浮かんでくる。魔力放射の指向性を研究しているはずなのだが……


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