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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第3章 構築(こうちく)

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第102話 魔力放射

 トイレに使う《ウォッシュシャワー》の魔導具を作ろうと思ったが、大きな課題にぶつかった。魔力は放射状に拡散してしまうので、無線化すると他の()()()()()()が反応してしまう。そこでヴェニカからドラゴンブレスを参考にしてみたらどうかと提案があったが詳しくわからないので、参考にしようがない。


「ドラゴンブレスを見たこともないし、発動する仕組みもわからないから、参考にすると言っても難しいわね……極小のドラゴンブレスなんてできるの?できたらもしかすると解決の糸口になると思うけど……」


「むぅ、それは難しいのう……」


「だよね、試して特大のブレスが出ちゃいました、じゃ洒落にならないわ……最初は素直に魔力線でやってみるしかないのかな……」


 解決の糸口が見つからない。電波であれば周波数の違いで他の家電製品との干渉を防いでいる。完全に防げるわけではないがそれで大きな問題は起こらない。魔力にも周波数的なものは存在するが、それは個人単位であり共通で利用できるものではない。それに、他の魔導具が干渉を前提とした設計でないため干渉は避けることができない。


「ダメね、いくら考えても良い案が思い浮かばないわ……」


「そうじゃのう。私も魔法は使うが、そんなこと考えて使っていないからのう……」


「後は、光とか音を使った方法くらいか……フェシー、一定の音を聞くと反応する魔導回路ってある?魔導具でもいいけど……例えば手を叩くと明かりがつくみたいな……」


『私も全ての魔法や魔導回路、魔導具を把握しているわけではないので……存在するか調べる手段はあるのですが、内容が抽象的すぎるので……時間がかかるかもしれませんが、一応調べてみますか?』


「そうね、お願いするわ」


 私の頭ではこの辺りが限界だ。後はフェシーの結果を待つしかない。しばらく他に方法がないか考えていると、フェシーから回答があった。


『やはり抽象的すぎて見つかりませんでした』


「そう……、ちょっとだけ思いついたんだけど、《マジックガード》って魔法はどんな効果なの?」


『《マジックガード》は、身体の前面に魔力シールドを展開して、相手からの攻撃魔法を無力化します。無力化する対象の魔法が《マジックガード》に込められた魔力をオーバーすると消滅します』


「展開する方向や形はイメージ?」


『属性魔法として使用するのであれば、身体の正面になります。ですが、原初魔法として使用するのであればイメージで展開が可能かと思われます』


「そうすると、トイレの便器を《マジックガード》で覆って、その中に魔力を放射すると魔力は外に漏れる?」


『《マジックガード》は攻撃魔法を無力化するので、放射魔力まで無力化することはできません。そのため放射魔力は《マジックガード》を通過することになります』


「すでに私はついていけてない……ドラゴンの叡智も役に立たないもんじゃのう。研究なんかするドラゴンはおらんからな」


「そうは言うけれど、今考えている魔法は存在しないものよ?ドラゴンの叡智だろうが、世界の知識だろうが関係ないわよ?」


 しゅんとしているヴェニカはなんだか可愛い。普段とのギャップが凄い。


「でも、《マジックガード》がやっぱりヒントになりそうね、原初魔法でイメージ通りの展開ができるのでしょ?そうなると無効化するものを魔法ではなく魔力放射にしたら何とかなるかもしれないわね」


『そうですね、魔力放射を防ぐシールドが《マジックガード》と同じ形式で発動できれば実現できるのではないでしょうか?』


「そうね、とりあえず検証してみましょう。少し魔導回路を作るから、ヴェニカは結合の魔導具を出してくれる?」


「わかった」


 ヴェニカの保管庫から結合の魔導具を取り出してもらい、炭化ケイ素の板を何枚か作成する。大きさはギルドカードの半分でいいだろう。そこに魔力に反応して光る魔導回路を定着させる。


「エングレイブ・サーキット」


 魔力放射を感知するための魔石を接着する。これで完成だ。


「さて、この魔石に魔力を注入すると……光ったわね。魔法を発動すると魔力放射は発生するの?」


『いえ、行使する魔法に全て魔力が集中するため、魔力放射は発生しません。魔石への魔力注入のように意図的に魔力を出せば魔力放射は発生しますが、魔石に吸収されるため広がることはありません』


「なるほど、そういう原理で動いていたのか、注入するたびに周りに干渉するのは問題よね、だから魔石を取り付けてそこに魔力を注入するのね」


 次は魔力を放射する魔導回路だ。これも単純で、魔石に注入した魔力が放射されるだけの魔導回路になる。


「エングレイブ・サーキット」


 光る魔導具とほぼ同じものができた。違いは光るか、魔力を放射するかだけだ。魔力放射の魔導具に魔力を注入する。光る魔導具に光が灯った。


「ちゃんと放射を感知しているわね……注入を止めれば光も消えるから問題ないわね、次は少し離れてみましょう」


 少し離れて魔力放射の魔導具に魔力を注入する。一瞬の溜めがあり光る魔導具が光った。これで《マジックガード》の改良をする準備が整った。後はどういうイメージにするかだ。


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