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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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閑話 小説の主人公の末路……

 俺の名はタカシ、元シルバーランクの冒険者だ。誘拐という犯罪を犯し、こうやって牢屋につながれている。誘拐は重犯罪で、良くて過酷な鉱山での労働、悪ければ死罪だ。この世界にやってきて2年、順調にやってきたと思う。シルバーランクにもすぐになれたし、可愛い女の子の仲間も2人できた。彼女たちと体の関係も持った。


 楽しい日々を過ごしていくはずだった。


 だが、2年経ったある日、2人組の女性に出会った。一人は小柄でかわいらしく、もう一人は背が高く絶世の美女だった。いまだに名前も知らない2人に俺はなぜか執着してしまった。どうしてもその2人が欲しいと思ってしまったのだ。


 今はなぜそんな気持ちになったのかもわからない。だが、その気持ちが暴走し、誘拐を計画、闇の奴隷商人まで使って2人を手に入れようとした。結果、計画は見破られ、いとも簡単に拘束されてしまった。そして今、この牢屋につながれて、処罰の結果を待っている。


「兄ちゃんは何をしたんだ?殺しか?」


 正面の牢屋にいる老人が話しかけてきた。


「いや、誘拐だ」


「そうか、相手が貴族でなければ死罪にはならん。鉱山送りだな。ちなみに儂は強盗だよ、同じく死罪にはならんがもう歳なのでこのままここで飼い殺しだろうな。おぬし等のような者と話すのが仕事じゃよ」


「そうか……」


「兄ちゃん若いから、鉱山送り以外にも男娼という可能性もある。じゃが相手は女だけではない、男の相手もせねばならん。それはそれで厳しい道のりだ。だいたいの者は病気になって死ぬがな……」


「どっちでも同じようなものさ、結局は死ぬまできつい労働をさせられるだけだ」


「そうだな……それが重犯罪奴隷だよ」


「ああ、わかってるさ」


 老人は頷いて話すのをやめた。今日も処罰を言い渡されないまま日が沈んでいった。


 数日後に牢屋から出され処罰を言い渡された。


「元シルバーランク冒険者タカシ。処罰を言い渡す。誘拐罪の適用によりグリーフィング・ピットにて鉱山労働を命じる。最後に聞きたいことなどはあるか?」


「俺の、俺の仲間だった2人の女性冒険者は、どうなりましたか?」


「エルナとフィオナだな。2人は先日この街を出た。そこから先は我々もわからない」


 2人の名前を聞いて、胸が痛くなる。あのとき2人の助言を聞いていれば、俺はこんなことにはなっていなかっただろう。今更遅いのはわかっているが……


「他はあるか?」


「いえ、ありません」


「では、5日後に護送する。それまで牢屋につないでおけ」


「はっ」


 衛兵に連れられて牢屋に戻った。また正面の老人が話しかけてきた。


「どうだった?鉱山か?男娼か?」


「どっちでもいいだろ。あんたには関係ない……鉱山だ」


「そうか……少しでも長く生きられるよう、がんばりなよ」


「そうだな…………………………」


SIDE:リデナスタから離れた街


「フィオナ、大丈夫?体調が悪そうだけど……」


「ええ、少し気分が悪いだけよ」


「ならいいけど、そろそろ次の街に向かう馬車が出発するわ」


「そうね、できるだけリデナスタからは離れたいわ。できれば違う国がいいわね」


「そうだね、そこでまたやり直しましょう」


 数日間の馬車旅が終わり次の街に到着した。


「フィオナ、どんどん体調が悪くなってるように見えるけど……」


「そうね、もう限界かもしれない。エルナ、もう私を置いていってくれない?これ以上あなたに迷惑はかけられないわ」


「どうして?少し休めば大丈夫よ。何日かこの街に滞在して休養しようよ」


「いえ、無理よ。もう言ってしまうけど、お腹にはあの人の子供がいるわ……」


「……そんな……」


「私は生まれてくる子供に重荷を背負わせたくないわ。もっと早く彼に伝えておけば、こんなことにならなかったかもしれない」


「でも、フィオナ……貴女まさか……」


「エルナ、その通りよ。私はもう何もできない。ただこの子と一緒に死を待つだけよ」


「大丈夫よ、一緒に育てればいいわ。私も協力するから」


「あまり言いたくはないけど、貴女に私の気持ちはわからないわ。この子が私にどれ程の重荷になっているかを、子供に罪がないのはわかってる。でも世間はそれを許さないわ」


「そんなこと……誰にもわからないわよ、その子があの人の子供だなんて」


「そうかもしれない、でもそれが知れた時に私とこの子はどうなるの?また今と同じような苦しみをこの子にもさせようというの?」


「それは……もう、何を言ってもダメなの?……」


「そうね、だから置いていってほしいの、貴女に私の最期を見せたくないわ。絶望の最期を……ここに私を置いていくことで、貴女は少しでも遠くにいってやり直せばいい。私はこの体では遠くまで行けない。子供を産んでしまえばなおさらね」


「わかったわ。でもダメよ、私はそれでも最後までフィオナと一緒にいるわ。どんな最期が待っていようとも……」


「そう、なら行きましょう……」


 二人は寄り添い街の暗闇に消えていった。


SIDE:リデナスタから離れた街(終)

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