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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第2章 邂逅(かいこう)

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第99話 解体終了と新たな間取り

 誘拐事件が発生してから10日が経過した。事件を起こした者の処罰も決まり、衛兵が言っていた通り、奴隷商人は死罪。誘拐犯の3人は重犯罪奴隷として鉱山に送られた。小説の主人公と一緒にいたヒロインである狼獣人とピンク髪の魔法使いは、気が付かないうちにこの街を去っていったと風の噂で聞いた。


 新居にある古い建物の解体が終了したと、千釘工房のバリムさんから連絡が入った。さっそくヴェニカとフェシーを伴って現場に向かった。


「おお、綺麗になくなってる。途中何回か見に来たけど、完全になくなると敷地が広く感じるね」


「そうじゃな、これほど広いのであればもう少し建物を大きくしても良いのじゃなかろうか?」


「同じぐらいで大丈夫よ、2人ならあれで十分だし、部屋も空いてるのだから客を泊めることもできるわ。それに無闇に仲間を増やすつもりもないからね、ヴェニカとフェシーがいれば十分よ」


「そうか……そうじゃな」


「おう、来たか。解体は終了した。奥に積んであるのが使えそうな部材の山だ。他は処分した。基礎の説明をするからこっちに来てくれ」


 建物が建っていた場所には石が敷き詰められており、大体の間取りがわかるようになっていた。この上に柱になる木材や床となる石板や壁のブロックを置いて建てていくらしい。


「なるほど、少し提案があるのですがいいですか?」


「なんだ、大体のことは初期からの建築だから間取りさえ大きく変えなければ対応できるぞ」


「では、住居部分の床を1段上げて木材にしてほしいです。それから工房を今まで廊下だった位置まで広げて、小規模な店舗を経営できるようにしてください。玄関はその店舗の奥に作る形になります」


「ほう、店舗か……強度的には問題ない。それと1段上げるのはどの程度だ?」


「そうですね、20セリグ(cm)ほどで良いと思います。最低でも10セリグ(cm)はあげてください」


「大丈夫だろう。それと住居の床を全て板張りにするんだな。石板より少し金額がかさむが良いか?」


「ええ、問題ありません。工房兼店舗と物置は今までと同じ石板で構いません」


「それから、1階の一番奥にある部屋ですが、一部を少し下げて石板にしてほしいです。排水用の穴も開けてほしいので、後で図面に書かせてもらいます」


「わかった。図面があるなら問題なくできるだろう。だが、排水施設までつなぐのは結構手間だぞ、一度掘り起こさなきゃならん」


「そこはこちらでやっても構いません。その段階で呼んでいただければなんとかします」


「嬢ちゃん、なんとかするったって……」


「大丈夫ですよ、バリムさんが黙っていてくれるなら、とっておきを見せますので」


「そうか、そこまで言うならそこは任せよう。他にはあるか?」


「あ、工房と店舗の間に壁が欲しいです。場所と形状は図面に書きます」


「わかった。その程度は何も問題ない。2階はどうだ?」


「2階は前の建物と同じで良いです。室内の床だけを板張りにしていただければ」


「ふむ、なかなか珍しい感じだな、嬢ちゃんの故郷の建物かい?」


「ええ、そうなりますね」


「なるほど、今ので大体の見積もりが作れる。設計が終わるまで2、3日待ってくれ、それと図面の書き込みをするために一度工房へ来てもらえると助かる。たぶん明日か明後日になるだろう」


「わかりました。宿の方へ連絡をお願いします。前日の夕方までに言っていただければ、空けておきます」


「すまんな、頼んだ」


 依頼したいことは全て伝えたので、後は図面を描きに行く時までに考えておけばいいだろう。今日の現場での確認はこれで終わりだ。


 少し購入したい物もあるので職人街に向かいながら、ヴェニカとフェシーに相談をする。


「土を白くする素材ってなにかある?塗料として塗ってもいいけど、できれば土や粘土に混ぜて白くしたいのだけど……」


「家の壁に使われている素材で良いのではないのか?あれはかなり白いぞ、確か粉末だから土と同じように扱えるはずじゃ」


『壁塗りの素材は日本で言う漆喰になります。消石灰に植物の繊維を混ぜたもので、それを水に溶かし塗ることで固まります。千釘工房でも扱っていると思うので、バリムさんに相談すれば良いかと思います』


 2人の助言に従い、現場に戻った。


「バリムさん、すみません。少々相談があるのですが……」


「お、嬢ちゃんか、さっきの今で何の相談だ?」


「壁塗りに使う素材を分けてほしいのですが」


「ん、リムストか?構わんぞ、これから工房に帰るから量を言ってもらえれば運ぶぞ」


「そうですね、リムストを運搬する単位の1つ分だとどの程度の量になりますか?」


「そうだな、リムストは細かく、水を吸うと固まっちまうから、箱に入れて運ぶ。それ1つとなると30キルグ(kg)程度の重さになるぞ?何に使うかわからんが、それでいいか?」


「はい、それでお願いします。宿の方に届けてもらえればうれしいです」


「わかった手配しておこう。昼過ぎには届けられる。料金は見積もりに入れとくから、今は払わんでいいぞ」


「わかりました。よろしくお願いします」


 素材は手に入ったので後は実際に使って確認する必要がある。リムストが宿に届くのが楽しみだ。

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