93."獄落姉妹"への■■
なお、描写はカットしましたが"裏太陰"の肉体を乗っ取った"希望の役者"もエレジーと使い魔契約しています。
(体育祭終了直後、金霊院 真梨亜視点)
さて、閉幕式も終わり体育祭は完全に終了したと言える状況となりましたわ。
となれば、やる事は1つ。
「う~、悔しいでござる……まさか、あの場面で物理的な地雷を踏み抜くなんて……」
「伏兵に気付かんとか、ウチもまだまだや……」
……私の目の前で自らのミスに向き合う2人へ、私からも言葉を授けなければ。
「本江、寂子、どうして負けたか分かってますの?」
「も、勿論でござる!……油断と慢心、でござろ?」
「う、ウチも同意見や!」
ふむ、現実が見えている様で何よりですわ。
「ええ、その通りですわね。……本江は地雷を、寂子は伏兵を、そして私は精神へ直接支障をきたす攻撃を、それぞれ無意識の内に選択肢から排除していたんですの」
「……そうでござるな」
「……何も言えへんよ」
精神が未熟なまま戦闘力だけ強くなり過ぎると、致命的な油断と慢心を生む……
今回の敗北は、そうとしか言えませんでしたわ。
「勝とうと思えば勝てた勝負で、それぞれ致命的な隙を晒して無様に負けた……今後はそうならない様に、どうするべきだと思いますの?」
「そりゃまあ、また血が滲むレベルの特訓をするしかないでござるよ……」
「初心に戻ってやり直しやな~……」
ああ、やはりこの2人は分かっていますわね。
至らないところがあれば特訓して矯正する。
その特訓に決して終わりはなく、至らないところが見つかり次第再開する……
……今回も、その時が来たというだけですもの。
「……それが分かっているのなら、今すぐにでも始めますわよ!」
「合点承知でござる!」
「それ、ちょっと古いで?」
「そこ、無駄話は慎む事ですわ!」
さて、1年生も2年生も見込みある者の多い結果とはなりましたが、それでも私達が何度も負ける様な事があってはいけません。
……もう私達に体育祭をする機会がないとはいえ、格は維持しなければなりませんからね。
「では、まず走り込み10kmですわ!」
「が、頑張るでござる!」
「明日の筋肉痛はえげつなさそうや……」
そうして、私達は走り出しましたわ。
……もう、彼等に負ける事がない様に……
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(禍津 明視点)
体育祭が終了して、何分か経った後……
「……お袋、何処行った?」
「さあ、何処にも見当たらないので。……最悪の場合、お母様は既に帰った可能性も……」
「その可能性はねぇだろ……あの子煩悩が何も言わずに帰ると思うか?」
「お、思えないですが……」
……俺と光華は現在、必死でお袋を探していた。
ちなみに影華は体育祭が終わると同時に何処かへ駆け出して行った。
……って、ちょっと待て。
「そういや影華って何処へ行った?」
「え、私には分かりませんが……お兄様、そもそも本当にお母様を説得するつもりなんですか?」
「……光華の言い分も分かるし、本心では俺の願望に思うところありまくりなんだよな?……でも、俺はもう決めたんだ」
「そう、ですか……」
光華の台詞に♥️が感じられねぇ辺り、相当参ってるみてぇだな……
けどすまん、こればっかりは譲れねぇ。
と、そんな時だった。
「……明、お母さんは見つかった?」
「アヤノか……いや、未だに……」
アヤノも俺の所へやって来て、状況を聞いて来たのだ。
が、当然ながら良い答えは返せねぇ。
「そっか……ってあれ?……明のズボンにメモ用紙が挟まってるよ?」
「は?……おいおい、マジじゃねぇか!」
アヤノから指摘され、俺はズボンの腰回りに挟まっていた小さなメモ用紙を取り出した。
……嫌らしい事に背中側だったので、俺と対面で話していた光華は気付けない位置だった訳だ。
とまあ、そうして回収したメモ用紙を開いて見てみると……
《明の好きにすると良いニャ》
……そう、鉛筆で書かれていたのだった。
「これ、お袋の字だよな……」
「お兄様の好きに……お母様はお兄様の願いをお認めになられたのですかね?」
「……ボクじゃ分からないけど、明達の母親ってこういう事しそうな人?」
「するかしないかで言えば、しそうだな……」
「ですね……」
まあ、お袋は認めてくれたのか、はたまた俺の事がどうでも良くなったのか……
……後者じゃねぇ事を祈ろう。
「ま、これで後は本人達に話すだけか……相手が相手だからか緊張するな……」
「わ、私も行きますから!」
「あ、ボクも!」
「……そりゃまあ、当然の権利だわな」
結局、お袋の後ろ盾を得る事は叶わなかったが……
……何だかんだで当初の目的をやり遂げた俺は、光華とアヤノを連れて目的の場所へと向かうのだった……
んで、十数分後……
「グハハハハ!……まさか、本当に明に会えるとは思わなかったなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……ほんと、神様ってのは居るもんなのかねぇ……」
「……明様、これまた面倒臭いタイミングで来られたでございますね~」
「ほ~ら、ボク様の言った通りになっただろう?」
……俺は、目的地である例の牢屋らしき空間に立っていた。
なお、現在俺は"獄落姉妹"の件で既にキャパオーバー寸前なため、エレジーさんの隣に立ってる変な奴に関してはノータッチで行く。
「えっと、お兄さ……あ、『下手に詮索するな』ですね分かりました♥️」
「……うん、ボクには明の言いたい事なんて分からなかったのに凄いね……とにかく了解したよ♥️」
よし、何とか2人にも伝わったな。
……これで、後は伝えるだけだ。
「なあ、金世に銀砂……この際だから、はっきり伝えておきてぇ事がある」
「グハハハハ!……お、何だ何だぁ?」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……まさか、本気で私達を拒絶する覚悟でも決めたかぁ?」
……そりゃ、普通の一般人ならそれを選ぶだろう。
だが、どうも俺はトチ狂ってるらしい。
だから、拒絶なんて選ばねぇ。
「……指輪も雰囲気も無い中で申し訳ねぇんだが、俺と結婚を前提に付き合ってくれねぇか?」
「「…………………………はぁ?」」
俺のプロポーズを聞き、金世と銀砂は固まる。
流石に、この言葉は予想外だったらしい。
「ああ、言ってしまいましたか……お兄様の意思とはいえ、やはり……う~ん……」
光華は、未だに悩んでいる様子だった。
「明、ボクの時といい本当に凄いね……」
アヤノは、1周回って感心していた。
「ほ、本当にこうなるとは……私としては、落とせたら儲けもの程度の筈でございましたのに……面倒臭い事になったでございます……」
エレジーさんは、元凶のクセに現状を嘆いていた。
「ブラボ~ブラボ~!……ボク様が知る限り、これで未来はまた1つ良い方向へ動いたよ♪」
よく分からん変な奴はノータッチ。
俺は何も聞いてねぇ、良いな?
……さて、そろそろ2人も戻って来る頃か。
「はっ!……グハハハハ、まさか本気でプロポーズするとはなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……姉貴が固まるなんて珍しい事もあるもんだなぁ!」
あ、戻って来た。
……つっても、話す事はまだ山盛りだ。
「ただまあ、誤解はすんなよ?」
「グハハハハ!……ん?」
「誤解だぁ?……ギヒャヒャヒャヒャ、何をどう誤解するんだぁ?」
特に、これが1番大事な話だ。
「俺は確かに、お前等とそういう関係を築きてぇって思ってるぞ?……けど、それでお前等の罪が減る訳じゃねぇし、何より俺がお前等に救いをもたらすべきじゃねぇって考えてる」
「グハハハハ!……つまり、どういう事だぁ?」
「ギヒャヒャヒャヒャ……要するに、明は私達の罪を減らさねぇし、許しもしねぇって事だなぁ?」
「銀砂の言う通りだ……俺からすれば、お前等の現状は自業自得、そんぐらい自分でどうにかしろ、だな」
結婚を前提に付き合いつつも、"獄落姉妹"を救うつもりなんて毛頭ねぇ。
……そんな無責任な態度こそ、俺が出した答えだ。
「グハハハハ!……ま、そんなの当然だしなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……で、それだけかぁ?」
「へ?……え、もうちょっと何かねぇのか?」
ただし、2人から返って来た答えは拍子抜けするものだった。
「グハハハハ!……そりゃまあ、捕まった時点で覚悟はしてたしなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……寧ろ、想定より良い扱いさせて貰ってるしなぁ……」
「あ、そういえばそうか……」
何か、言われたらそうだな……
……え、もしかしなくても俺の覚悟は特に重要じゃなかったのか?
「グハハハハ!……とにかく、吐いた唾は飲み込めねぇよなぁ?」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……これからは婚約者としてよろしくなぁ?」
「そこ、お兄様の第1夫人は私ですからね♥️!」
「この場合、ボクは第2夫人で良いのかな?」
「面倒臭いでございますが、第3夫人の私も……」
「……うん、これの仲裁も出来る様にならねぇとハーレム築く資格なんてねぇよな……」
「まあ、ボク様からはファイトとだけ言っておこう♪」
この後、俺はどうにかして婚約者達の言い合いを制する事に成功したのだが……
……今後は常にこうなると思うと、少し憂鬱な気分になるのだった……
ご読了ありがとうございます。
上手く書けないけど、その辺はもう割り切りました。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




