87.影華の仕込み
本っ当にバトル描写は期待しないでください!
(木葉院 本江視点)
五行院家の暗部こと木葉院家に属する某は、幼少の頃よりありとあらゆる忍の訓練を課されて来たでござる。
……そうした訓練はどれも命の危険が付き纏い、いくら某と言えど無事に済んだのは片手で数える程度しかなかったでござる。
しかし、そんな過酷な幼少期を過ごしたからこそ某は漫画や小説、アニメにゲームといった娯楽へ傾倒していったんでござる。
……っと、自分を見つめ直すのはこのぐらいにしておくでござるか。
「ふぅ……覚悟するのです!」
「残念でござるな……趣味趣向さえ合えば、一晩中だって語り合えたでござろうに……」
「そんな"もしも"を言ったってしょうがないのです」
「そうでござるな……」
あ~、全身が痛いでござる。
……動けても少しだけ、されど恐らく条件は相手も同じでござるし……
うん、やってやるでござるよ!
「……」
「……」
ーダンッ!
お互い、黙ったまま前へと飛び出したでござる。
そして……
「ふっ!」
「はっ!」
ーギンギンギンギンギンギンギンギンギンギン!
某は苦無を、影華は拳銃を、それぞれ振るって攻撃するでござる。
……でも、影華は拳銃を撃って来る気配がないんでござるよな……
傷付いた拳銃を使って暴発するのを危惧しているのか、はたまた別の理由か……
「攻撃が丸分かりなのです!」
ーギンギン!ギン!
「くっ……」
……それにしても、本当に当たらないでござるな。
影華が隙を晒す度に苦無を滑り込ませているのに、その全てが受け止められる……
……更に、拳銃が発砲される可能性も考慮する必要があるでござるし、結構大変でござるよ。
と、その時でござった。
「う~ん……あ、隙ありなのです!」
ーパンッ!……バシュッ!
「ぐっ……傷は残らないとはいえ、当たった肩に激しい痛みは残るでござるか……」
懸念していた拳銃が発砲され、某の右肩を貫いたんでござる……
一応、このフィールドの効果で傷としては残らないでござるが……弾丸に肩を貫かれた痛みはバッチリあるんでござるよな~。
「この銃はもう駄目なのです……【兵器……」
「させないでござる!」
ーギィィィィィン!
「くっ……」
さっきはしてやられたでござるが、もうパンジャンはおろか銃の1丁だって作らせないでござる!
「そらそらそらそらそら!……某はまだやれるでござるよ!」
ーギンギンギンギンギンギン!
「私だってまだやれるのです!」
ーギンギンギンギンギンギン!
私が縦横無尽に苦無を振るい、影華が拳銃でそれをいなす……
……とはいっても、本来であれば拳銃で苦無を受け止め続けるなど無謀そのもの。
その内、限界を迎えて壊れてくれる筈でござる。
「ふん、その大口がいつまで保つか楽しみでござるな~!」
ーブンッ!ギィィィィィン!
「くっ……」
ーギギギ……
明らかにこの勝負、優勢なのは某の方でござる!
加えて影華に兵器を作る暇さえ与えないとなれば、いくら某の動きについて来るといっても敵ではないでござるwww
……な~んて、調子に乗ったのが駄目だったんでござるかな?
「さあ、これで終わりでござーーー
ーカチッ!
……ん?」
あれ、今の音からして何か踏んだでござるか?
……って、まさか……
「踏んだのですね?……いや~、改造パンジャンを爆発させた直後に仕込んでおいたのが功を奏したのです♪」
「……えっと、まさかとは思うでござるが……」
「本江先輩が踏んだのは、私謹製とっておきの【対人用地雷】なのです!」
「は、ははは……そういや、影華はここを1度も踏んでなかったでござるな……」
影華の語った兵器名……
……ああ、対人用地雷とはまた厄介な物を隠し持っていたでござるな~……
いくら某でも、起動した対人用地雷の爆発より速く動くのは絶対に不可能……
……今度こそ負け、でござるな。
「動けばジ・エンドなのです!」
「……ふん!」
ーシュッ!シュッ!
「うおっと!」
ーぐいっ!
それでも最後の意地として両手の苦無を影華めがけて投げつけたんでござるが、これも華麗なバク転で難なく回避されたでござる。
……ほんと、どう見ても自称一般家庭出身がする動きじゃないでござるよ……
「……でも、この距離なら諸共でござる!」
ーフッ……ドッカァァァァァァァァァァァァン!
「ぶふぉっ!」
ードンッ!ドンッ!ザザザ……
ぐふっ!
爆発した地雷、吹き飛ばされた某と影華……
……某は1歩も動けないでござるが、これで共倒れには持ち込んで……
と、そう思考してから数秒後の事でござった。
「あ~、どうもっす!」
「……………へ?」
あのしっぽ回収役の1年生……確か写美とかいう者が爆煙の中から現れ、某のしっぽへと手を伸ばして来たんでござる。
「では、拝借するっすね!」
「待つでござる!……某はまだ……」
ーガシッ!シュルルル……
「はい、回収完了っす!」
ーシュン!
「っ……………あ、あああああああ!」
呆気なくしっぽを取られ……気付けば某は3年生の待機エリアへと戻されていたでござる。
……ちなみに、幸か不幸か真梨亜と寂子はまだ居なかったでござる。
「あ、あああ……呆気なく負けたでござる!とんでもなく悔しいでござる~!」
そこから、某は心の底から悔しがったでござる。
見る人が見れば普通にドン引きするレベルで泣きじゃくり、地団駄を踏んだでござる!
その上で……
……次こそは、あんなヘマしないでござるからな!
と、未来への覚悟を決めたんでござる……
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(禍津 影華視点)
写美さんが本江先輩のしっぽを掠め取った直後……
「……ふふ、油断禁物なのですよ♪」
写美さんにしっぽを奪われて退場して行った本江先輩を見送りながら、相変わらず地に伏せたままの私はそう呟いたのです。
と、そんな中で……
「にしても、あの至近距離でパンジャンぶつけて地雷踏ませるとか鬼畜っすね……」
写美さんが、私を鬼畜だとか言って来たのです!
けれど、何だかんだ私自身もそう思ってたから何も言い返せなかったのです……
「うぅ……あ、あそこまで至近距離でぶつければ、絶対に逃げられないと踏んでの行動なのです……というか、あんな忍者モドキをマトモに相手してても損するだけなのです!」
「……それで影華さんも行動不能になってちゃ世話ないっすけどね?」
「ぐぬぬ……耳が痛いのです……」
恐らくあのままマトモに攻撃の応酬をし続けてた場合、負けていたのは私の方だったのです。
……だから、ジリ貧になる前に回避不能な至近距離から改造パンジャンを撃ち込んで更に地雷まで踏ませてやったのです。
「じゃ、アタイはもう行くっす……念のため言っとくっすけど、現在進行形で地に伏せてる影華さんの面倒は見れないっすからね?」
「あ~、そこは安心するのです……私はもう、やるべき仕事を果たし終えてるのですから……」
「……その仕事、本江先輩の排除の事っすか?」
「正解なのです!」
3年生の中でも指折りの強者である本江先輩の排除は完了したのですから、もう私はお役御免で良いのですよね?
「う~ん、まあ……それにしても、よく拳銃2丁だけであの人を相手し切ったもんすね……」
「改造パンジャンと地雷もあるのですよ?」
「……けど、守りは拳銃2丁だけっす」
「言われてみればそうなのですねぇ……ま、私ぐらいになるとあの程度ならお茶の子さいさいなのです!」
嘘なのです。
滅茶苦茶ギリギリだったのです!
「ハァ……今の一連のやり取り、後で記事にするにはフワフワし過ぎっす!……ここは、もっと絵になる出来事を探しに行かないとっす!」
とまあ、最後にそう言い残して写美さんは本当に私を残して立ち去ってしまったのです……
……にしても、あの様子だと何処へ行くつもりなのですかね?
ご読了ありがとうございます。
影華は何だかんだ要領が良いです。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




