84.しっぽ取りの開始前
自作をお読みの方は、マジで何が面白くて読んでるんですか?
作者の私すら、あまり良く思えてないのに……
(禍津 明視点)
たいして語る事もねぇ大縄跳びが終了した直後、2年生の待機エリアにて……
「ふぅ~……うん、本当に大縄跳びだったな」
「そうだね……もうボク、立ってられないよ……」
大縄跳びを終えた俺とアヤノは、痛みが走る足をふらつかせながらもどうにか待機エリアへと戻って来た。
……んで、当然ながら待機エリアへと戻って来たのは俺達だけではなく……
「2人とも大変そうだね……ただまあ僕の方はまだ体力こそ余裕があるけど、それはそれとして悩みの方は全く解決してくれないから精神的な面では不安かな~……」
秀光もまた、そんな事を言いながら俺達に続く形で待機エリアへと戻って来たのだ。
「そうかよ……つっても、俺だって体育祭が終わるまでにはどうにかしてお袋を説得してぇって悩みを抱えてるんだがな……」
「ああ、そうなのかい……何の件で説得したいのかは分からないけど、成就すると良いね」
「現状だと厳しそうだがな」
「「……………ハァ~…………」」
お互い悩みを抱えているからか知らねぇが、どうにも会話がぎこちねぇ。
……ほんと、やってられねぇよ。
と、その時だった。
「……そういやさっきから気になってたんだけど、いったい明はどういう理由で母親と揉めたの?」
アヤノが、そんな質問をして来たのだ。
「あ、そういや言ってなかったな。……実は……」
そこから俺は、話せる範囲だけとはいえほぼ正確に事の経緯を話した。
んで、それを聞き終えた2人の反応はというと……
「へ、へぇ~……ボクを恋人にした事といい、明って割とナチュラルにトチ狂ってるよね……」
「流石は影華さんの兄と言うべきかな……」
……思ってたのとは別方向のドン引きだった。
「と、トチ狂ってるはねぇだろ……」
「明は自覚ないの?……普通、レ……された相手を好きになるとかあり得ない事なんだよ?」
「大半の男性が……いや、男女問わず誰であろうと明君と同じ体験をした場合、普通はトラウマを抱えて一生苦しむ羽目になるからね……」
「………………考えてみりゃ、そうか……」
ここが貞操観念の逆転した世界だとか、男女の違いだとか、そんなものは関係ねぇ。
男女問わず、無理矢理ヤられてトラウマにならねぇ方がおかしいもんだ。
……実際、前世の記憶を思い出す前の俺も未遂の時点でトラウマになった程だ。
だってのに、今は寧ろ"獄落姉妹"の2人にどういう訳か惹かれている。
こりゃ、いったいどういう事だ?
「禍津家は全員おかしいんだね……ボク、明の恋人としてやってけるかな……」
「僕だって念願叶って影華さんと付き合えたとしても後が大変そうで悩ましいよ……ただでさえカミラエルさんの件は解決してないのに……」
「あ~……何か、予期せず悩みの種を増やしちまったみてぇで悪いな……」
「「「……ハァ~……」」」
溜め息が2つから3つに増え、空気が更に重くなる。
……あ~もう、空気を変えるために体育祭運営陣の放送を聞くか。
『それでは現在得点のおさらいですメェ~!……まず3年生が87点、次に2年生が88点、最後に1年生が94点となっていますメェ~!』
『接戦だなァ……』
『意外と3年生が活躍出来ておらんのじゃ……やはり3年生の慢心と、1年生及び2年生が想定以上に強かったのが響いておる様じゃな♪』
う~ん、3年生に対して手厳しい意見だ。
しかし、この学校で最強らしい3人の3年生が良いところを見せられていないのだから、この評価も当然と言えるだろう。
……けど、ここで言う最強って単純な戦闘における強さらしいんだよな……
ほんと、後が怖いな。
「明君……慰めにはならないかもしれないけど、僕はそんなに怯えなくたって大丈夫だと思うよ?」
「その心は?」
「僕視点の話になるとはいえ、エキシビションマッチをした匿名の2人よりは弱いからさ……」
「本当に慰めにもならねぇな!?」
そりゃ、あの2人に比べりゃマシだろうよ!
……けどなぁ、いくら塩試合だったとはいえ2人ともヤバめな強さだったのは分かっとけよな!?
実際、2人の実力が高過ぎるから分かりづらかったが、3年生の強者達を熊だとしたらあの2人は興奮した象ってレベルの強さだった筈だ。
「ま、まあ何とかなるだろうさ……僕はもう、そう考えるしかないんだよ……」
「一か八かって感じになってんだな……そういや次の種目って何だっけか?」
「ん?……ああ、10分の休憩を挟んだ後に最終種目の学年対抗しっぽ取りだね」
「……えっと、もう最終種目なのか……ってか、その種目からして嫌な予感しかしねぇんだが?」
流石に大縄跳びで消費した体力を戻すための休憩時間は設けられてるみてぇだが、それにしたってしっぽ取りねぇ……
……うん、嫌な予感がプンプンする。
そう思った直後だった。
『ふむ……全員が待機エリアへ戻った様なので、10分の休憩時間に入りますメェ~』
『後、ついでにしっぽ取りのルールもこの時間に言っとくから、耳の穴かっぽじってよく聞けやァ!』
『えっと……分からん事があったら後で質問しに来て良いから、そのつもりで聞くと良いのじゃ!』
体育祭運営陣による、しっぽ取りのルール説明が始まったのだ。
『では、説明を始めますメェ~……まず、従来のしっぽ取り同様各々に色付きのしっぽが付けられますので、それを取られたら競技エリアの外へ退場となりますメェ~……なお、1年生は赤、2年生は青、3年生は黄色のしっぽとなっていますメェ~』
『それと補足じゃが、種目用のエリアではワシの能力でどうやっても怪我は負わない仕様になっておるから、皆躊躇せず相手を攻撃すると良いのじゃ!』
『……もっとも、怪我を負わねぇってだけで攻撃を受けたら相応の体力減衰やら精神的ダメージやらは起こるし、何より異能で生成した物体は普通に壊せるって事は分かっとけよォ?』
『そして最重要事項として制限時間は実質無制限、勝敗は最後まで残っていた学年が1位で50点、2番目に全滅した学年が2位で45点、最初に全滅した学年が3位で40点といった形で決まりますメェ~』
『んじゃ、今の説明で分からねぇ事があったら質問して来いやァ!』
ふ~ん、なるほどな……
……うん、ちょっと理解するのに時間をくれ。
「要は、3年生と1年生からしっぽを取るって認識で良いんだよな?」
「より正確に言うなら、まず3年生から取るのを優先するって感じだね。……1年生の皆には写美さんが話を通してくれてる筈だから、どうにか協力は出来ると思うよ?」
「……そ、そうか……」
やっぱり俺だけ仲間外れじゃねぇか?
いやまあ、俺がそういうのに向いてねぇのは百も承知だがよぉ……
「じゃあ明君、本番もよろしくね?」
「あ、ああ……」
そうして俺だけ詳細を聞かされてねぇままに、しっぽ取り前の休憩時間が始まっちまった。
……ほんと、どうしたもんか……
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(禍津 光華視点)
休憩時間が始まった直後……
「ふっふっふ……光華さん、昼休み中にアタイから皆さんへ話は通しておいたっすから、2学年の協力体制は万全な筈っす!」
「そうですか……となれば、あの3人の相手はどうにかなりそうですかね?」
「あ~……そこはまあ、上澄みの皆さんにお任せっすね……」
「つまり私達、ですか……」
1年生の待機エリアにて私達は、しっぽ取りで3年生を打ち崩すための策を練っていました。
とはいえ……
「ふんふふ~ん♪……撃って撃って撃ちまくってやるのです!」
「私は秀光の事を悪くは思ってないザマスが、それは同じ相手を好きになった恋の好敵手として……」
「……写美さん、これで勝てると思いますか?」
「む、無理そうっすね……」
影華は通常運転、カミラエルさんは心ここに在らずといった有り様で、役に立つかは怪しいところ。
……頭が痛くなって来ました。
「絶対、勝利は1年生か2年生のものにします……誰が何と言おうと、そうするしかないんです!」
「そ、そうっすね……それより、アタイは役に立てるっすかね?」
「知りませんよ」
「それもそうっすよね~……」
大半の女子生徒に何かを期待する程、私は愚かではありません。
必ず私達で勝利をもぎ取るしかないという事も理解しています。
……問題は、現時点だと真正面からの勝ち筋が全く見えていないという事なんですよね……
ご読了ありがとうございます。
あまり先の展開に期待しないでください。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




