80.昼休みの喧騒
もうなる様になれ状態です。
(ラヴィ・リンスゥ視点)
「……という顛末になったらしいのじゃ」
「「「…………………」」」
さて、昼休みに突入してどれだけ経ったか分からぬ頃。
ワシはエレジーから寄せられた報告に頭を抱え、侵入者に関する事の顛末を昔馴染みの3人へと共有しておったのじゃ。
「……ほんと、厄介な事になったのじゃ……」
「胃薬が欲しいニャ~……」
「同じ組織の者として申し訳ないアル……」
「秀光が私を……ああ、どうすりゃ良いザマス?」
カミラエルだけは何故か心ここに在らずといった有り様じゃったが、他2人はワシ同様に頭を抱えていたのじゃ。
……うん、どうしたもんかのう……
「まさか、"希望の役者"が復活するニャんて……」
「それもそうアルが、"No.7"の式神が襲撃を仕掛けたって点で私の立場が危うくなってるアル……」
「秀光は影華を巡る恋の好敵手であって……でも、私が憎からず思ってるのも本当ザマスし……」
「カミラエル、ワシ等の話を聞かないというならとっとと戻って欲しいんじゃが?」
どういう訳か、カミラエルは昼休みに突入した辺りから放心状態になっておる。
……いったい、待機エリアで何を話しておったらこうなるんじゃ?
「ニャ~……んじゃまず、胡蘭の処遇について取り敢えず提案があるニャ!」
「な、何アルか?」
「なぁに、たいした話じゃニャいニャ。……ただ、ラヴィの協力が必須ニャけど……」
「ん?……何じゃ?」
三毛ね……否、魅怪が胡蘭の処遇とやらを提案し、ワシへその協力を求めて来よった。
……で、何するつもりじゃ?
「ニャニャニャ……胡蘭には、きっちり同僚のやらかしを埋めて貰わニャきゃニャ~♪」
「……あ、これ碌な事じゃないアル」
「あ~もう、これどうすれば良いんザマス……」
「ハァ……この面々に"希望の役者"まで追加されるとなると、いよいよワシだけじゃ手に負えんくなるのじゃ……」
そんなこんなで頭を抱えつつ、後に魅怪の提案を聞いたワシは更に頭を抱える事となる。
……さてと、今から昼休み明けまでに提案された内容通りに手筈を整えんとのう……
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(禍津 明視点)
とんでもなく空気が悪くなった中で昼休みに突入してから30分以上は経ったか……
秀光やアヤノを始めとした各々が観戦に来たであろう保護者のもとへと向かい、共に昼食を楽しんでいると推測される中、俺達はというと……
「むぅ……母さん、校長に呼ばれてから未だに戻って来ないのです……」
「お母様、やっぱり私達が思っていた以上に謎多き人みたいですね……」
「そ、そうだな……」
「ん?……何やら言いたげな反応なのですね?」
お袋はラヴィ校長に呼び出される形で席を外しており、俺達3兄妹だけで昼食を済ませていた。
……とはいえ、3人だけってのも味気ねぇ。
「別に何でもねぇよ。……それより、3人だけじゃ少しつまらねぇな……よし【顎】、人型で来い!」
「呼ばれて飛び出てグルァァァ!」
取り敢えず、2人にも話だけはしてたが……
さて、顎を出してどうなるか。
「ああ、顎ですか……これからは姉妹として、今後ともよろしくお願いしますね?」
「妹みたいなのです!……まあ、年齢的には顎の方が上っぽいのですが……」
お、反応は上々だな。
……んじゃ、2人の話し相手については顎に任せようか。
「2人とも、ちょいと悪いがお手洗いに行って来るから顎と話しててくれ」
「はい、お兄様のおっしゃる通りに♥️」
「分かったのです。……にしても、光華姉さんは即座にそう切り換わるのが気持ち悪いのです……」
「相変わらず、影華は容赦ないグルァな……」
うん、マジで仲良くしててくれよな?
「……まあ、すぐに戻って来るから……」
「分かりました♥️」
「はいはい、なのです」
「待ってるグルァ!」
とまあ、そうして俺はお手洗いへ向かう……フリをして、人目の少ない場所へと赴いた。
そこには……
「よぉ、ベイビ~」
「……お前だけか?」
……これまで何度か会った事のある男、冥堂が居た。
「俺っちだけだぜ、ベイビ~」
「そうか……」
「……ったく、本当にどいつもこいつも人使いが荒いってんだ、ベイビ~!」
「す、荒んでんな……」
どういう訳か、1人で居た冥堂は荒んでいた。
何かあったのか?
「で、わざわざ俺っちの所へ来たって事は……」
「……居るかどうかは賭けだったが、さっきお前がここに入るのを見かけてな」
「お、ちゃんと気付けてたか、ベイビ~」
「……やっぱり、わざとか……」
こいつは謎が多い。
ラヴィ校長の関係者ではあるが、武音子先生は全く知らなかった男。
……そんな男が、俺に何の用だ?
「んじゃまあ、回りくどい話はナシで行くが……"獄落姉妹"について答えは出せたか、ベイビ~?」
「っ!」
ああ、なるほど……
その話か。
「ぶっちゃけ、俺っちからすりゃ触らぬ神に祟りなし案件だぜ、ベイビ~」
「そりゃ常人の反応はそうだろうな」
「なら、お前は常人じゃねぇのか、ベイビ~?」
「……分からねぇ」
どういう訳か"獄落姉妹"を悪く思えねぇんだよ。
ここで拒絶出来てれば、もっと楽だったろうに……
「あの姉妹は、裏のヤバい人間ばかりとはいえ人も殺してるヤバい奴等だ……殺された側が殺された側だから大半は表沙汰になってねぇだけで、普通なら極刑にされてもおかしくはねぇんだぜ、ベイビ~!」
「わ、分かって……」
「いんや、分かってねぇな、ベイビ~!」
「うぅ……」
俺はどうすりゃ良い?
……あの2人に、どう向き合えば……
「ハァ……ほんと、見れば見る程にお前がよく分からなくなるぜ、ベイビ~……」
「あ?」
……何だよ、いきなりそんな事を言って……
「いやな、俺っちの知り合いにもそんな感じの野郎が居てだな、ベイビ~!」
「……そいつも、こんな感じだったのか?」
「う~ん……凡人のクセしてハーレム築いて、しょうもねぇ事でウダウダ悩み、自分に関係ない相手はどうでも良さそうな男だったな、ベイビ~!」
「……俺、もしかしなくてもディスられてる?」
つうか、元は俺の事がよく分からねぇって話じゃなかったか?
それがどうして知り合いに似てるって……
「ディスってはねぇよ……俺っちは、その男の事も未だによく分かってねぇんだ、ベイビ~!」
「そ、そうなのか?」
「そもそも、そいつは俺っちからしたら幼馴染みの父親程度の間柄だ、ベイビ~……当然、そんな詳しくはねぇよ」
「な、なるほど……」
幼馴染みの父親、か……
……うん、深掘りしねぇのが吉だな。
「あ~もう、俺っちも何言ってんだか……」
「ほんとだよ」
「けど、悩むんなら直感を信じろ!……どうせ最後にゃくっ付くんだからな、ベイビ~!」
「いやいや、投げ槍にも程があるだろ!?」
でもまあ、そうだよな……
悩むって事は、その気があるってのと同義だ。
「投げ槍ってのは失礼だな……ま、こっからどうするかはお前次第だぜ、ベイビ~!」
ーサッ……サッ……サッ……
「なっ……い、言うだけ言って去るつもりか?」
冥堂は言いてぇ事を言い終えたらしく、背を向けて立ち去り始めた。
「自分で言うのも何だが、こんな無駄な会話から何かを学ぼうとすんな……お前はお前のやりてぇ様に生きりゃ良いんだよ、ベイビ~!」
「……分かった、俺も腹を括る」
エレジーさんの時と同じだ。
俺は、俺のやりてぇ様にやるだけで良い。
「そっか、じゃあ頑張れよ、ベイビ~!」
「……体育祭が終わり次第、伝えるつもりだ」
「ケッ!……その気概が羨ましいぜ、ベイビ~!」
「……隣の芝生は青い、だぞ?」
さてと、それじゃあ体育祭が終わったら伝えるか。
……ただ、ちょいと根回しは必須かもな?
ご読了ありがとうございます。
私はもう、作品の質がアレだと分かってても書き続けるしかないんです……
気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。
後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




