74.見定める業火
"裏騰虵"は、まだ落ちません。
("裏騰虵"視点)
「はっはっは!……それでは、そちらから体内の炎を差し出して欲しいでございます!」
「……………………ボォォォォォ」
「ん?」
使い魔契約……
この炎使いの吸血鬼から提示されたソレは、確かに魅力的な話だったボォォォォォ。
何せ、私は自身の創造主にして仕えるべき主である奴に、絶対の忠誠など最初から誓っていなかったのだからボォォォォォ。
勿論、主や他の式神と話す時は主へ忠誠を誓っている感を出していたボォォォォォが、本心では器が小さく私達を利用可能な便利な道具としか見ない主を心底軽蔑していたボォォォォォ。
しかし、それはそれ、これはこれだボォォォォォ!
「ふむ、先の言葉通り勧誘を受けるかどうか考えてやったボォォォォォ!……その上で、1つだけ条件があるボォォォォォ!」
「な、何でございますか!」
私とて、今の主によって作り出された式神。
何も無条件で敵へ寝返る程、尻軽な式神ではないんだボォォォォォ!
「すぅ~……私に主を鞍替えさせようと言うからには、やはりそれ相応のものを見せて貰わねば筋が通らんボォォォォォ!」
ーぐぐぐぐぐっ!
「ぬぉっ!?……せ、せっかく拘束したのに……なんて力でございますか!」
この吸血鬼の異能は火炎を操作するもの。
……それで私を拘束していた様だが、こちらとてそう簡単に負けてやれないボォォォォォ!
「この"裏騰虵"……主の式神としてではなく、新たなる主を見定める者として戦いを申し込むボォォォォォ!」
ーぐぐぐっ……ぶわっ!バサッ!
「っ……はっ……はっはっは!……こちらへ主を鞍替えするからには、それに足るものを見せろと……まさに当然の要求、そりゃそうでございますよな~!」
私は異能による拘束を振り払い、炎で出来た1対の翼を背中に展開させたボォォォォォ!
「誇れボォォォォォ!……貴様は私に本気を出させたのだからボォォォォォ!」
ーバサッ!バサッ!
「はっはっは!燃えるでございますな~!」
ーコキッ!コキッ!
私は翼を羽ばたかせ、相手は首を鳴らす。
……お互い、準備は万端だったボォォォォォ!
「ところで貴様、名は確か……」
「はっはっは!……フレイヤでございますよ!」
「そうかそうか、フレイヤか……ではフレイヤ、いざ尋常に見合って……勝負再開だボォォォォォ!」
「望むところでございます!」
ーダンッ!
私による勝負再開の言葉。
それを皮切りに、お互いが勢い良く前へと踏み出したボォォォォォ!
「ボォォォォォ!」
「うぉぉぉぉぉ!」
ードォォォォォン!
私の業火とフレイヤが私から拝借したであろう業火がぶつかり合い、激しい爆発を起こしたボォォォォォ!
「ふん、まだまだだボォォォォォ!」
ーぐるぐるぐる……ぎゅっ!
「んなっ!?」
ーボキボキボキッ!
私の肉体は業火で構成されているものの、大蛇として相応の質量は存在しているボォォォォォ!
私はそんな大蛇の体を用い、フレイヤに巻き付いて圧殺しにかかったボォォォォォ!
当然、フレイヤの肉体は燃えながら複雑骨折を起こし、やがて灰となる……
が、それで終わりなんて思ってないボォォォォォ!
「はっはっは!……やるでございますな!」
「ふん、やはり再生するかボォォォォォ……しかし灰となったまま私の体内から炎を操作する事も出来た筈だボォォォォォ!」
「はっはっは、確かにそうでございますな!……ですが、それをやるのは野暮ってもんでございますよ!」
「っ!……全くだボォォォォォ!」
嗚呼、これだボォォォォォ!
私はこういう戦いを望んでいたんだボォォォォォ!
「はっはっは!……【火炎操作・遺灰円舞】でございます!」
ーぐぐぐっ!
「効かんボォォォォォ!」
ーぶわっ!
「うぐっ!……はっ……はっはっは~!……やはり押さえ込みは無理でございますな!」
「当然だボォォォォォ!」
フレイヤは性懲りもなく私を押さえ込もうとし、失敗したボォォォォォ!
とはいえ、フレイヤも本気で押さえ込もうとした訳でもあるまいボォォォォォ!
……と、フレイヤ寄りに考えてしまっている時点で既に勝敗は決まったも同然だボォォォォォ!
けれど今はもう少しだけ、この時間を楽しもうと思うボォォォォォ!
「はっはっは!……で、次はどう来るでございますか!」
「ふん、こうだボォォォォォ!……私を含めた【裏十二天将】にとっての奥義、【人神変化】だボォォォォォ!」
ーボォォォォォォォォ!……スンッ……
「っ!?……そ、その姿は……燃え盛る私でございますか!?」
む?
本来、【人神変化】はその式神に適した戦闘用人型形態へと変化する奥義の筈……
ああ、なるほど。
「どうも貴様の肉体を灰として取り込んでいた影響で、貴様そっくりな姿になってしまったらしいボォォォォォ!」
「はっはっは!そうでございますか!」
本当にフレイヤは返事が軽いボォォォォォ!
……まあ、話を進めるボォォォォォ!
「……無駄話はここまでにして、戦いの続きと行くボォォォォォ!」
「はっはっは!異議なしでございますな!」
ーダンッ!
人型となった私とフレイヤが、再び地を蹴る。
そして……
ードゴッ!バゴッ!ゴスッ!ゴンッ!
「ボヘッ!」
「ぐふっ!」
「ボガッ!」
「ぐへっ!」
……始まったのは、派手さも何もなく泥臭いだけの殴り合いだったボォォォォォ!
「まだまだだボォォォォォ!」
「こちらこそでございますな~!」
ーバンッ!ゴンッ!
「ボヘッ!?」
「ぶはっ!?」
そこからはもう、お互いに殴っては殴られ、また殴っては殴られを繰り返し……
……どれだけの時間が経ったか分からぬ程、殴り合いを重ねたボォォォォォ……
「ハァ……ハァ……フレイヤ、貴様は本当に熱い奴だボォォォォォ!」
「ハァ……ハァ……そっちこそでございます!」
そうして気付いた頃、私達は揃って仰向けで倒れていたボォォォォォ!
言うまでもなく、お互いに余力は僅か。
「……少なくとも、私にとっては今の主より魅力的だと認めてやるボォォォォォ!」
「はっはっは!……では、私の使い魔になってくれるのでございますね!」
「そうだボォォォォォ!」
「……ありがたいでございますな!」
私は特に言い渋らず、使い間の勧誘を受ける事を認めたボォォォォォ!
……えっと、確か炎と血だったかボォォォォォ?
「ほれ……私を構成する業火の中でも、極めて重要部位だボォォォォォ!」
ーふわふわ~……
「私も自分の血を与えるでございます!」
ーポタッ……ポタッ……
お互いに炎と血を交換し、炎はフレイヤの中へ、血は私の中へと吸い込まれていったボォォォォォ。
「ふむ、これで良いのかボォォォォォ?」
「良いんでございますよ、多分!……という訳で火蛇、これからよろしく頼むでございます!」
「火蛇とは、また大雑把な名だボォォォォォ!」
「はっはっは!……そう言われても、裏何とかって名前は覚えられないんでございますよ~!」
ハァ……
"裏騰虵"から"火蛇"、か……
……ふん、悪くないボォォォォォ!
「では、今後はただの火蛇として貴様に仕えてやるボォォォォォ……」
「はっはっは!……こちらこそ、共にお嬢様を支えて行くでございますよ!」
「お嬢様、か……本当に貴様は良い主に恵まれているんだボォォォォォ……」
「ええ、お嬢様は良い主でございますとも!」
嗚呼、かつての主よ……
別の目的が優先されたとはいえ、命令通り侵入して警備役と戦った以上は貴様への義理も果たしたと言って良いボォォォォォ!
だから……今後はもう新たな主に仕えさせて貰うボォォォォォ!
ご読了ありがとうございます。
本当に上手く書けません……
気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。
後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




