72.襲来する式神
式神達は表面上こそ主人に従ってますが、当然ながら一部は不満も抱いています。
あ、それと今日は1時間おきに12話分更新予定です。
(エレジー視点)
体育祭当日の学園警備を始めてそれなりに経ち、昼へと突入した頃でございました。
『エレジー、突然で悪いのでございますが……どうも5体の異能生命体が4方向から国立異能力専門高校への侵入を試みている様子でございます!』
「了解でございます~……アイリス、貴女は引き続き周辺区域の監視を頼むでございますよ~?」
『了解でございます!』
……やはり、来たでございますか~。
流石に道楽目的のNo.6だけで終わるとは思ってなかったとはいえ、面倒でございますね~……
ま、それはそれとして。
「フレイヤ、アイシャ」
『はっはっは!東は任せろでございますな!』
『ひひっ!……なら西は私が……』
「ハァ~……心底面倒臭いでございますが、北は私がどうにかするでございますよ~」
私はフレイヤとアイシャへ学校の防衛を命じ、私自身も敵の1人を担当する事にしたのでございます。
そして……
「グハハハハ、結構面白そうだなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!」……んじゃ、まさかとは思うが南を私達が担当かぁ?」
……"獄落姉妹"もまた、やる気満々でございました。
う~ん、別に他のメイドへ任せても良いっちゃ良いんでございますがね~。
……うん、この2人も送ってやるでございますか!
「許可するでございますが、向こうでメイドに会ったら言う事を聞くんでございますよ~?……もし問題を起こされたら面倒臭いなんてレベルじゃ済まないんでございますから……」
「グハハハハ!……承知したぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……任せとけやぁ!」
……一抹の不安は残りますが、ここは信じましょう。
「では、各々持ち場へ……散ッ!」
ーダッ!
「グハハハハ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!」
そうして私達は、迫り来る5体の異能生命体へ対抗すべく持ち場へと走ったのでございます。
……さ~てさて、鬼が出るか蛇が出るか……
あ、勿論ちゃんと報告も怠らない様にしなければ。
ープルルルル♪……ガチャ
『ん?……何じゃ何じゃ?』
「ラヴィ様、先程4方向より国立異能力専門高校へ侵入しようと目論んでいるであろう異能生命体をアイリスが検知、大変面倒でございますが排除に動くでございます~」
『なるほどのう……排除は任せるから、生徒や職員、観客の隔離措置はワシの方に任せるのじゃ!』
「ええ、元よりそのつもりでございますよ!」
この学校は、全てがラヴィ様の掌の上。
私としては色々面倒なので排除の方も任せてしまって良いかもしれませんが……こればかりは警備としての仕事を全うするまで。
……面倒臭いでございますが、任せられた仕事はきちんと完遂しなければ……
『あ、それと天気は曇りにしておけば良いんじゃよな?』
「気が利いて助かるでございますね~」
『なぁに、この学校がある土地の上に雲を作るぐらい、ワシにとっては造作もない事じゃ!』
「では曇りになり次第、日光対策用の装備も脱がせて貰うでございます~」
一応、ラヴィ様に日光を遮って貰うのも忘れずに済ませます。
とまあ、そうして天気が曇りへと変化する中、装備を脱いだ私が国立異能力専門高校の北端に位置する場所へ到着すると……
「ふむ、やはり君か……言わずもがな、ボク様は分かっていたけどね♪」
「……あ~、私の相手はよりにもよって件の西洋人形でございますか~……ほんと、面倒臭いったらありゃしないでございますね~……」
私が当たった相手は、以前お嬢様の前に現れたとかいうものと特徴がピッタリ一致する西洋人形。
……その容姿は、かつての"希望の役者"を想起させるものでございました。
「はっはっは~♪……その顔、ボク様の正体に興味があるって書いてあるね~♪」
「っ……当然でございますよ~」
「ま、このやり取りすらもボク様は事前に視て知ってたんだけどね?」
「……私共を心底舐め腐ってるでございますね~」
本当にコイツ、パッと見は"希望の役者"みたいな性格でございますね~。
……けど、あまりにも表面だけの薄っぺらさを感じます。
少なくとも、本物にあった狂気が足りない……
「はっはっは~♪……お察しの通り、ボク様は"希望の役者"本人ではない♪」
「では、誰なんでございますか~?」
私は、駄目元で西洋人形にその正体を問いました。
すると返って来たのは……
「ボク様の正体がそんなに気になるか~♪……じゃあ教えてあげるよ♪」
「え?」
「……ボク様は"異能の夜明け"の"No.7"、その異能で召喚された式神である【裏十二天将】の中で後二の席に座っている者……"裏太陰"さ!」
「なっ!」
……驚く事に、相手はペラペラと自分の正体を語ったではございませんか。
これ、信じて良いんでございますかね~?
……にしても、もし本当なら"No.7"……
奴まで動き始めたと?
「はっはっは~♪……混乱してるね?」
「ええ、してるでございますよ~……んで、貴女の他には4人来てるんでございましたっけ?」
「正確には3席だね~……内2人は"裏玄武"で1席扱いだからね♪」
「そうでございますか……」
恐らく、情報を漏らしても問題ないとお思いでございますね~?
ハァ~……舐められちゃ困るでございますよ!
「じゃ、ボク様からの説明は一通り終わったし……そろそろ戦り合おっか?」
「言われなくとも、でございます!」
こうして、何だかんだありつつも私と"裏太陰"の勝負は幕を開けたのでございます。
加えて、他の場所でも……
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(俯瞰視点)
同時刻、国立異能力専門高校の東端にて。
「はっはっは!……お前がここから入った侵入者でございますね!」
「そうだボォォォォォ!」
「……ちなみに投降するつもりはあったりするでございますか!」
「ありゃせんボォォォォォ!」
そこでは、さっき到着したフレイヤと1人の黒子が会話をしていた。
「はっはっは、そうでございますか~!……では大人しくお縄につけでございます!」
「ふん、嫌だボォォォォォ!」
ーパチッ……パチッ……ボォォォォォォォ!
直後、黒子の体が発火して形を変え始めた。
「んなっ!」
「私の名は"裏騰虵"……我等が主に仕えし【裏十二天将】にて前一の席を燃やす者だボォォォォォ!」
"裏騰虵"の名乗った黒子は、最終的に燃え盛る業火で構成された大蛇へと変貌した。
「はっはっは!……火を操る異能持ちの私に火で対抗するとは、愚策も愚策でございますな~!」
「ふん、何とでも言えボォォォォォ!……いくら主がアレでも、私の実力は本物だボォォォォォ!」
「む?……まあ、勝敗はやってみてのお楽しみでございますな!」
「異議なしだボォォォォォ!」
"裏騰虵"から主人に対する文句らしき言葉が溢れつつ、東端の戦いも幕を開けた。
同時刻、国立異能力専門高校の西端にて。
「ひっ!……あ、貴方がここの侵入者って認識で合ってるでございますね?」
「そうだと思うシュラ~ン♪」
ここでは、アイシャが別の黒子と遭遇していた。
「あ、貴方は誰で、何が目的でございますか?」
「へぇ~、それ聞いちゃうシュラ~ン?」
ーもぞもぞ……
「ひっ!?」
アイシャが黒子に正体を聞いた直後、黒子の肉体は大きく変貌した。
「私の名は"裏勾陳"、【裏十二天将】において前四の席で輝く者だシュラ~ン♪」
ーゴゴゴ……
"裏勾陳"と名乗った黒子が変貌したのは、キラキラと輝く金色の大蛇だった。
「……敵、とみなしてよろしいでございますね?」
「勿論だシュラ~ン♪……どんな命令でも聞いてこその式神だシュラ~ンし……」
「そ、そちらも大変そうでございますね……」
「全くだシュラ~ン♪」
"裏勾陳"もまた主への不満を晒け出しつつ、西端の戦いも幕を開けた。
同時刻、国立異能力専門高校の南端にて。
「グハハハハ!敵発見だぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……まずは聞き取りだ馬鹿ぁ!」
ここでは、"獄落姉妹"が2人組の黒子へ問答無用で殴りかかろうとしていた。
「うわっ、いきなりカメか!」
「容赦がないシュル!」
ーぐるぐる……ドシィィィン!
いきなりの攻撃に対応すべく、2人の黒子は回転合体して1つの巨体へと変貌する。
その容貌を言い表すならば、大きな黒い亀に絡み付く黒い大蛇……正に漆黒の玄武そのものだった。
「カメカメカメ……私達は"裏玄武"!」
「後三の席を守護する、鉄壁の守り手だシュル!」
「グハハハハ!ごちゃごちゃ煩ぇなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……いや少しぐらい聞いてあげようやぁ……」
"裏玄武"の名乗りを煩いと切り捨てる金世と、少しぐらい聞けと諭す銀砂。
……最後に残された南端の戦いは、ぐだぐだした状態から始まるのだった……
ご読了ありがとうございます。
ここから7話程度は式神との戦闘話です。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




