67.狂信者は制御不能
う~ん、3年組の強さが上手く書けん……
(金霊院 真梨亜視点)
障害物競争第1走が終わり……
寂子は案の定、ばつの悪そうな表情を浮かべながら戻って来ましたわ。
「う~、負けてもうた……ってか、何やあれ!」
「同情はしますが、負けは負けですわ」
「その気持ち、痛い程に分かるでござるよ……」
ああ、本江も徒競走で負けましたものね……
本当に情けない。
それでも私に匹敵する強者ですの?
「ハァ……2人とも、相手に手心を加えようとするから足元を掬われるんですのよ?」
「うぐっ……べ、別にエエやんか!」
「そりゃ泥田坊は手加減し過ぎたでござるが……」
「戦うからには本気でやるべきですわ!……例え、相手にトラウマを植え付ける結果になろうとも!」
これだから甘い方々は……
特に本江、貴女は影華という1年生とバチバチだった筈ですわよね?
それなのに手を抜くとは……片腹痛いですわ!
「トラウマは駄目やろ……」
「某もドン引きでござるよ……」
「笑止千万ですわ!……ったく、次は私が勝ち星を上げて戻って来ますので、3番手の本江は対策を練っておいてくださいませ!」
「しょ、承知したでござる……」
ふむ、念押しはこのぐらいで良さそうですわね。
それはそうと、私の相手は……
「あら、奇遇ですわね……まさか彼等が相手とは」
私の目に映る、2人の姿。
……禍津 明と禍津 影華、この兄妹がスタートライン前に立っていたんですの。
「あ~、またえげつない相手やな~」
「雪辱果たすつもりの相手が、真梨亜に掠め取られたでござるぅぅぅぅ~!」
「人聞きが悪いですわよ!」
まあ、何でも良いですわ。
……どうせ、私があの2人をこてんぱんに蹴散らせば良いだけの話ですから!
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(時は少し遡り、金村 冥堂視点)
「……いや、あれニャんニャ!?」
「めっちゃキモいのがいっぱいアル!?」
「……あの1匹1匹の細かい所まで明そっくりなのがまた気持ち悪いぜ、ベイビ~……」
障害物競争第1走を観戦してた俺っち達は、その光景に戦慄していた。
あの光華って嬢ちゃんが、影華とは別方向で負けず劣らずの狂人だって忘れてたぜ!
「うニャ~、アレ全部が明みたいで嫌だニャ~」
「ほんと、お前の子供はどうなってるアル!」
「え~、一応提供された子種はそれ程おかしいものじゃニャかった筈ニャのにニャ~」
「そもそも、お前がおかしい奴の筆頭なんアルよ!」
あ~あ、あの寂子って嬢ちゃん群がられてるよ……
……俺っちなら群がられた時点で卒倒してる分、本当によく頑張ってるな。
「ニャニャ……光華とアヤノって子は魔法で飛んでるし、寂子は流砂に乗ってるしで、障害物が仕事してニャいニャ」
「このコースをデザインしたであろうラヴィの気持ちを考えると、涙を禁じ得ないアルな!」
「……見れば見る程にSA○UKEのパチモンみてぇなコースなんだよなぁ、ベイビ~……」
ラヴィには悪いが、こりゃ完全にSA……いや、皆まで言うまい。
とにかく、あの番組のアスレチックコースを改良してバラした上でツギハギにしたコースって感じだ。
それが飛んだり流砂に乗られたりでクリアされてる。
どんな気分で見りゃ良いんだ?
「あ、光華とアヤノがゴールしたニャ」
「へぇ~、そうなったアルか……多分、真正面からの勝負なら寂子って奴の圧勝だったアルよな?」
「当然ニャ……けどあれ、多分寂子は手加減しちゃったっぽいニャ~」
「あ~、力を見誤って本気を出そうとした頃には後の祭りってやつアルか……」
まあ、アレを予想しろってのは無理だよな……
「加えて、本江と寂子が中途半端に黒星つけられちゃったのは手痛い状況だニャ~……こうニャると、流石に真梨亜が黙ってニャいだろうし……」
「そいつもヤバいんアルか?」
「ヤバいし狂ってるニャ!……随分前は勧誘しようと思ってたんニャけど、今はもう触らぬ神に祟りニャしニャ」
「お前がそう言うってよっぽどアルよ……」
真梨亜……
ああ、あのシスター嬢ちゃんか。
……確かに狂っちゃいたが、言っても回復担当だろ?
そこまで警戒する必要がどこにあるって……
「ん?……次の走者としてスタートライン前に立ってる奴等、明と影華だぜ?……べ、ベイビ~」
「あ、本当だニャ!」
「影華、頑張れアル~!」
……この胡蘭って奴、こんなんでもテロ組織の幹部って本当か?
いやまあ、考えるだけ無駄なんだろうが……
「んで、3年生からの出走者は……あ~、よりにもよって真梨亜かニャ……」
「結局、そいつは性格がヤバいだけアルか?」
「いんや、実力もニャ……というか、ほぼ秀光の上位互換みたいニャ異能持ちニャ」
「………………どういう意味だ、ベイビ~?」
あのシスター嬢ちゃんが秀光の上位互換だぁ?
……ちょいと聞かせて貰おうか?
「そのまんまの意味ニャ……詳しくは見てたら分かるニャよ」
「そ、そうかよ、ベイビ~……」
俺っちは望む答えを得られぬまま、観戦に引き戻される。
……そんで、地獄を見る事になる。
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(禍津 明視点)
スタートライン前にて。
「私は本江や寂子の様に甘くないので、お覚悟はしておいてくださいませ」
「……わ、分かった……」
「お~、怖いのです……」
障害物競争の第2走に出走する俺の相手は、影華と真梨亜先輩の2人。
もっとも、1年生とは共同戦線を敷いてるので相手は実質的に真梨亜先輩だけだ。
……なお、当の真梨亜先輩は体操服姿な割に頭だけシスター衣装という、訳が分からない格好をしていた。
『じゃ、準備しろやァ』
「【兵器錬成】、【精密動作式高速ジェットパック】なのです!」
「【禍神纏装】だ!」
「グルァァァァァ!」
「……おお、神よ見ていてくださいませ……」
影華と俺が準備をする中、真梨亜先輩は動かずに祈りを捧げるポーズをしていた。
……何してんだ?
『準備は良いですメェ~?』
「良いのです!」
「良いぞ!」
「良いですわ!」
最後まで祈りを崩さず、真梨亜先輩は準備時間を終えた。
そして……
『それでは位置について……よ~い、どんっ!』
ーパンッ!
教頭先生により、スタートの合図が鳴らされた。
……その、直後だった。
「じゃ、早速ジェットパックで行くので」
「【聖女】、【贖罪の十字架】ですわ!」
ーゴスッ!
「ぴべっ!?」
ードサッ!
「…………………………………へ?」
えっと、何が起きたか振り返ろう。
スタートと同時に真梨亜先輩が巨大な十字架を生成した上で、ジェットパックで飛び立とうとしてた影華の頭部をその十字架でぶん殴った。
うん、全く意味が分からねぇぞ!?
「かつて神は仰りましたわ……死ぬ気殺す気でやると良いのじゃ、と……」
「確かにラヴィ校長はそう言ってたけどよ!」
そうだ、確かこの人ラヴィ校長を神として崇めてる狂人だったっけ……
……あれ、まさかこれ……
「本江も寂子も、妨害アリと言われているのに甘過ぎたんですわ……やるなら徹底的に殺らないと!」
「……影華?」
「…………………………」
「返事がない、ただの屍の様ですわね?」
……これ、普通ならもう終わりだって諦めるところなんだろうな……
でも、逆に勝っちまえば良いだけなんだよ!
「覚悟しやがれ、真梨亜先ぱ」
「遅いですわ!……ふん!」
ーゴスッ!
「あがっ!?」
な、何じゃこりゃ……
金世の攻撃より衝撃がデカ……
ん?
金世?
……あ、こないだ性的に襲われたの忘れて……
「ちょっと眠っててくださいませ~!」
「あ、ちょ待っ」
ーゴスッ!ドサッ!
「……さて、それではゆっくり攻略しますわね?」
そうして真梨亜先輩に十字架でぶん殴られた俺の意識は、徐々に闇へ呑まれていった。
……いやマジで何してくれてんだよ……
ご読了ありがとうございます。
とはいえ、まだ終わりません。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




