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超音波でお話できるよ

 んがっが。ボクはそんなに驚くほうではないのだが、少し吃驚びっくりしたのである。ボクがお話している口調が硬いとお叱りを頂いたのだ。「もっと君らしく話しなさい」。そうした投書があったのだそうだ。どだい、ボクのおつむでできることは限られているというのに、人間さんたちは随分と我儘でだいそれた注文をするものである。

 まあどんなに頑張ってもボクはボクなのである。今日もあまり肩に力を入れずにお話しようと思う。そもそもボクはハムスターなのだから、ヒトの話す言葉が解せないのである。またその逆もしかりである。

 ためしに、ボクが普段使っている言葉で少し喋ってみよう。












































 ――え? 何も聞こえなかった? そうでしょうそうでしょう。そういうものなのです。

 本来ボクはヒトには聞き取れない超音波でお話しするのですから。見た目の可愛さや、時々みせるどんくさい仕草からは想像ができないのではないないだろうか。ボクにだってそうした威張れる部分があるのだ。

 だから、ボクたちがヒトに聞こえる音で――ジュ! ジュ!っと鳴く姿をみたら、そっとしておいて欲しい。なぜならば、それは嫌悪や恐怖をヒトに聞こえるようにしている感情表現であるからだ。

 それはともあれ、ボクたちハムスターには人間さんより優れている部分がまだある。それは嗅覚だ。――クンクンクンクン。クンクンクンクン。ハムスターを観察したことのあるヒトなら、ボクらが良くするそうした動作に気づくことだろう。時々後ろ足だけで立ち上がって何かをジッと眺めているように見えるあの姿勢も、ボクらハムスター達からしたら、ニオイを嗅いでいる姿なのである。もちろん同時に音も聞いているのだ。

 その反面、ボクたちにはあまり物がハッキリ見えていない。見える距離はだいたい三〇センチメートルくらいで、目にうつる映像は白黒なのである。ただし、夜行性であるから、夜でも良く見えるのだ。もっとも、ボクたちはそれほど視力に頼って暮らしていないので、これで充分なのである。


 自然界に住むボクの仲間たちは、時々空から襲われる。だから、上の方の視野に写るものに対しては非常に警戒するのだ。そんなわけだから、ケージに住むボクにもそいう習性があり、いきなり上から手を出されたりするととても吃驚するのである。もしこれから、ボクらハムスターと暮らしたいと思うことがあるなら、そういったことに注意して欲しいものである。

 ボクもそうだし、仲間たちもそうだが、ハムスターというのはとても好奇心が強いくせに、おっかながりなのである。だから、好奇心を満たす楽しみを与えてくれるヒトにはなつくし、嫌悪感を抱かせることをするヒトの側にいるとストレスで長生きができないのである。これはなにもボクらだけに限ったことではないだろう。人間さんだって同じだとボクは思う。好きな人の側にいれば楽しいし、嫌いな人のそばにいるとストレスが溜まって時には死にたくなったりするのではないですか? ボクはそんな風に思うのです。


 なんだか今日は良いお話ができたので、とても気分がイイ。でも、いくぶん運動不足を感じるので、少しばかり回し車で遊ぶとしよう。

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