熊本の地震について
建築士をしていて何かしらを書いている人間として、これに触れないわけにもいかないでしょう。地震自体もかなり大きな規模だったので相当に被害も出ています。10年前の震災の時は私もボランティアで応急危険度判定に行きました(被災した建物の損害を簡易判定して赤、青、黄色の紙を貼る業務です)。
今回はまだ出動要請は来ていません。余震の心配もあるので、出番があるとすればまだ少し先の話になるかと思います。
ショックだったのは地震の被害よりも、イオンの爆発事故です。建築に関しては専門家という立場ですし、もっと詳しい状況が見えてこなければ無責任なことは書けません。ただ爆発に関してはガスが原因というのはほぼ確定したように思います。
プロパンガスと言えば、街中に住む人は昔の話だろうと思う人もいるかもしれませんが、街中で地中にガス管が埋まっている場所というのは日本の中でも一握りです。都市部を網羅しているので、人口比で言えば半分以上の人が都市ガスを利用しているかもしれませんが、少し街を離れた場所ではまだまだメインです。
そうして大量に使う所では、都市ガスよりも料金が安くなるケースも少なくありません。なので飲食店などでは都市ガスがひけるところでも、あえてプロパンを使っているところがあります。更にこのプロパンガスを大型化したものが、バルクタンクと呼ばれるものです。補給頻度が少なくできますし、料金的にもかなり有利になります。私も以前設計した施設で採用しました。
なんだ金の話か……と思った方は少し違う部分もあります。バルクタンクは独立性が高いので、震災時に都市インフラであるガス配管がダメージを受けて供給が止まるという事が起こりません。そうしてガスと言えば一般の人は調理時や暖房時の利用を考えると思いますが、エネルギー源として冷暖房の両方に使えれば発電にも使えます。震災時に都市インフラが麻痺しても、施設単独で空調や電気を賄うことができるわけです。
イオンモールは今や社会インフラの一部ともいえる存在になっていると思います。防災拠点として整備する狙いもあってバルクタンクでガスを貯蔵しているのでしょう。しかし身近な施設であるだけに、ここでこれだけ大きな事故が起こってしまったことはショックです。今回は最大震度は7でしたが、イオンがあった場所は5程度だったと聞いています。震度5程度で配管が破損したり、遮断弁等に不具合が出たというところに(まだ確定していませんが)一番ショックを受けています。今後原因を検証して対策を講じていく必要があるでしょう。
まだ事故現場では救出作業が続いています。一人でも犠牲者が少なくなることを願います。出動要請には備えておこうと思います。
※どうもイオンのあった場所は震度6、それも震度6強の可能性もあったようです。であれば納得できます。




