月力発電
以前に書いた話を読み返していて『月力発電』という言葉を見つけました。ま、潮力発電の事なんですが、我ながらうまいネーミングだなと思いました。潮力発電だとなかなかイメージが湧きにくいと思います。月力発電も機構のイメージはわきませんが、言葉の響き自体にはかっこいいイメージがわきませんか?
私は日本における自然由来の発電方法では、以前から潮力発電を一押ししています。太陽光も風力も蓄電技術が確立しない限りは、どうしても産業用途には不向きだと思うからです。出力に波があるからです。その点潮力……月力と呼んでしまいましょう。これは月がある限り、完全に出力が予定通りに得られます。
説明しなくてもお分かりの人が多いと思いますが、月の重力によって海には潮の満ち引きが起こります。満潮とか干潮とかいうやつですね。あの量の海水が移動するんですから、それは物凄いエネルギーです。そうして海水の流れが起こります。これを風と同じように利用するのが潮力発電……月力発電です。
太陽光は出力が一定ではありません。当たり前です。夜はもちろん、曇ったり雨が降ったりすれば出力が落ちます。最近は太陽光発電パネルを設置した家も多いので、分かっている人が多いと思います。出力が上がらなければ、今まで通り外から電力を買う他ありません。それも無くそうと思えば大きな蓄電池が必要ですが、これが未だになかなかの金額です。しかも数年しかもちません。お金の問題だけでは無いです。出力が読めない発電方法は、代替手段を用意しておかないといけないので、稼働時間は少なくなっても、既存設備を減らす事には繋がりません。風力も一緒です。言葉通り風任せです。
その弱点が月力発電ならだいぶ緩和できます。出力の上下はあってもどれくらい発電できるのかが完全に予測可能だからです。但しこちらも予想通りとはいえ、出力が下がる時間帯は出てきます。特に潮の流れが変わる転流時には最長で1時間くらいは発電できなくなります。しかしこれも海に囲まれる日本であれば問題無いでしょう。転流の時間帯は場所によってずれがあるからです。
そうして風力で培った技術は海中でも応用できます。風は空気の流れですが、潮は海水の流れです。空気と海水では粘性が違うだけです。九大が研究している風レンズの増幅技術はそのまま使えるだろうし、ベンチャーが立ち上がっているマグナス風車の考え方も応用できるでしょう。マグヌス効果(野球のカーブが曲がる原理)は以前から船の駆動装置としても使われています。この仕組みを使えば、潮の流れが速すぎる時も、トルクを上げて機械装置にかかる負担を小さくできます。
以前風力発電において、マグナス風車と風レンズを組み合わせてはどうかと、両者の開発元にメールしたこともありますが、多分スルーされました。日本には優れた技術が単発であっても、連携する仕組みが無いのが非常に残念だなと思っています。
今は個人発信でもネットを使って情報は広がる時は広がります。月力発電が現実のものとなる事を願って、この文章は終わりにさせて頂きます。




